採用代行の月額固定と成果報酬|2名で120万円差

毎月決まった額の請求書が届く採用代行に、経営者や採用担当者が踏み切れない理由はだいたい同じです。「採れなかった月も払うのか」「成果報酬のほうが安全ではないか」「自社は年に1〜2名しか採らないのに、定額は割高ではないか」。一方で、人材紹介に払った手数料の明細を見て、採用単価が高すぎると感じている会社も多いはずです。採用代行の月額固定(定額)プランは、この2つの不安のどちらに効くのかが数字ではっきり分かれます。

この記事では、月額固定プランの相場、成果報酬との費用の出方の違い、そして採用人数別の総額シミュレーションから「固定費が得になる分岐点」までを、中小企業の採用担当者の視点で整理します。

この記事でわかること

  • 採用代行の月額固定プラン(30/50/80万円)に何が含まれ、月額とは別にどんな費用が乗るか
  • 採用代行の月額固定と成果報酬の比較を採用人数別に試算した総額と、2名で120万円差がつく分岐点
  • 定額プランが損になる3つのケース、見積りで確認する10項目、契約で失敗する5つの罠

採用代行の月額固定プランの相場早見表|月額の固定費はいくらか

採用代行(RPO)の料金は、月額固定・成果報酬・従量課金の3タイプに分かれます。このうち月額固定は、稼働時間と委託業務の範囲をあらかじめ決めて、採用人数にかかわらず毎月同じ額を支払う方式です。採用が決まっても追加の手数料は発生しません。

まず相場です。中小企業向けの月額固定プランは、おおむね月10万円台から80万円台に収まります。弊社「おまかせ採用」の場合は次の3プランです。

プラン月額(税別)稼働時間の目安主な委託範囲向いている会社
ライト30万円〜30時間スカウト送信・候補者対応・日程調整など実行業務が中心採用の型はあるが手が足りない。年1〜3名
スタンダード50万円40〜50時間要件定義・求人票・媒体選定から実行まで一気通貫採用の型がない。複数職種を同時に回したい
プレミアム80万円60時間以上設計・実行に加えて説明会代行・内定後フォローまで通年採用・多職種・イベント運営まで任せたい

※2026年8月時点の料金。月額固定・採用時の手数料なし。

この表で先に押さえておきたいのは、月額の差は「サービスの質」ではなく稼働時間と委託範囲の差だという点です。同じ30万円でも、スカウト送信だけを請け負う会社と、要件定義から入る会社では中身がまったく違います。見積りを比べるときは金額だけを横に並べず、必ず「月◯時間・どの業務まで」をセットで確認してください。

稼働時間の見方も補足します。月30時間は、週にならすと7〜8時間です。スカウト送信と候補者対応、面接日程の調整を回すにはちょうど足りるボリュームで、ここに要件定義や求人票の作り直し、媒体の開拓まで乗せようとすると足りなくなります。逆に、採用の型がすでにあり「人手だけが足りない」状態なら、30時間で十分に回ります。自社がどちらの状態かは、次の質問で切り分けられます。

  • 求人票のターゲット像を、採用担当者と現場責任者が同じ言葉で説明できるか
  • 応募から一次面接までの日数を、いま数字で言えるか
  • 有料媒体以外に、応募が入るルートを1つでも持っているか

3つのうち2つ以上が「いいえ」なら、実行だけを外注しても数字は動きにくい状態です。設計から入るプラン(50万円前後)を前提に見積りを取ったほうが、結果的に総額は安くなります。

採用市場の前提も見ておきます。厚生労働省の一般職業紹介状況によると、2026年7月の有効求人倍率は1.18倍、新規求人倍率は2.10倍でした[1]。帝国データバンクの調査では、正社員が不足していると感じる企業の割合は51.3%で、7月としては4年連続で50%を超えています[2]。採用にかける工数が構造的に増え続けるなかで、月額固定は「毎月一定の工数を外から買う」契約だと考えると理解しやすくなります。

【ここだけは確認】 月額固定の見積りを受け取ったら、①月あたりの稼働時間、②委託業務の一覧、③媒体費・スカウト権が月額に含まれるか、の3点を必ず書面で確認してください。この3点が曖昧なまま契約すると、後から「それは範囲外です」という追加費用が発生します。

採用代行の月額固定と成果報酬の比較|費用の出方はどう違うか

月額固定・成果報酬・従量課金という3つの料金体系の定義と向き不向きは、採用代行の月額費用は30〜100万円|3つの料金体系を比較で詳しく整理しています。ここでは料金体系そのものの解説ではなく、採用代行の月額固定費と、他の採用手法にかかるお金の「出方」がどう違うかに絞ります。

採用の外部コストは、支払いが発生するタイミングで3つに分類できます。

  1. 先払い型(求人広告):掲載した時点で費用が確定する。採れなくても返ってこない
  2. 後払い型(人材紹介・成果報酬型RPO):採用が決まった時点で費用が発生する。採れなければ0円
  3. 平準化型(月額固定の採用代行):毎月同じ額を払い、採用人数にかかわらず総額が読める

後払い型は一見リスクがないように見えますが、採用が決まった瞬間に1名あたり100万円単位の支出が立ちます。リクルートワークス研究所の中途採用実態調査では、中途採用で必要な人数を確保できなかった企業の割合が57.8%にのぼりました[3]。つまり「採れたら払う」方式は、採れないリスクと高い単価がセットで残る方式でもあります。

採用代行・人材紹介・求人広告・採用コンサルの比較表

おまかせ採用人材紹介求人広告採用コンサル
費用の出方月額固定で採用時の手数料なし成功報酬 年収の35%〜100%掲載課金(採れなくても発生)顧問料
どこまでやるか戦略設計〜実行〜定着候補者の紹介まで掲載まで助言・設計まで
何が残るか採用ノウハウとデータ残らない掲載データのみ提案書のみ
母集団の作り方有料+無料+独自ルート登録者の中から応募を待つ関与しない
入社後定着フォローまで行う返金規定のみ(3か月以内)なしなし

※一般的な例です(当社調べ)。実際の条件は各社・各契約によって異なります。

なお、成果報酬型の採用代行は「1名あたり◯十万円」または「年収の◯%」で設定されることが多く、月額固定より1名あたりの単価は高くなる傾向があります※当社推計/業界相場目安。月額固定を検討するときは、1名採れたときの支払額ではなく、半年間の総額で比べるのが実務上の鉄則です。その総額比較を次章で表にします。

従量課金との違い:予算が読めるかどうか

3つ目の従量課金は「スカウト1通◯円」「面接調整1件◯円」のように、作業量に応じて課金する方式です。使った分だけ払えるので少量から試しやすい反面、成果を出そうとして送信量を増やすと、月額固定を超える月が出てきます。弊社が1社につき総計2,000通以上のスカウトを送ることを標準にしているのは、母数を確保しないとABテストが成立しないからですが、これを従量課金でやると単価が読めなくなります。

  • 月額固定:総額が読める。稼働を使い切れないと割高になる
  • 成果報酬:採れなければ0円。採れたときの単価が高く、予算のブレが大きい
  • 従量課金:小さく始められる。量を増やすほど総額が膨らむ

採用予算を年度で組む中小企業にとっては、「読める」ことそのものが価値になります。稟議で通しやすいのも、総額が先に確定する月額固定です。

採用人数別の総額シミュレーション|月額固定が得になる分岐点は2名

ここが月額固定を判断する中心です。弊社のライトプラン(月額30万円)を推奨契約期間の6か月使った場合、総額は30万円×6か月=180万円になります。これを人材紹介と並べます。人材紹介の手数料は、年収500万円・料率30%で1名あたり150万円という試算を使います(人材紹介の手数料は1名150万円|採用代行との費用比較表の試算)。

採用人数月額固定の総額
(30万円×6か月)
人材紹介の総額(150万円×人数)差額月額固定の1名あたり単価
1名180万円150万円人材紹介が
30万円安い
180万円
2名180万円300万円月額固定が
120万円安い
90万円
3名180万円450万円月額固定が
270万円安い
60万円
5名180万円750万円月額固定が
570万円安い
36万円

※試算です。年収500万円・料率30%の人材紹介手数料と、月額30万円×6か月の採用代行費用を比較した例であり、実際の条件は各社・各契約によって異なります。

読み取れることは3つあります。

  1. 分岐点は2名:半年で2名以上採るなら、月額固定のほうが総額が安くなる計算です。3名なら270万円、5名なら570万円の差がつきます
  2. 1名だけなら人材紹介のほうが安いこともある:ただしこれは「1名を確実に採れた場合」の話で、採れなかった期間の求人広告費や社内工数は含まれていません
  3. 1名あたり単価は人数で急速に下がる:月額固定の費用は人数で割り算されるため、複数職種を同時に回すほど単価が下がります

もう少し実務に寄せると、比較すべきは「代行を入れた場合」と「入れなかった場合」の半年後の状態です。入れなかった場合、採用は進んだのか、それとも求人を出したまま半年が過ぎたのか。人材紹介の150万円は採用できて初めて発生する費用ですが、裏を返せば紹介がなければ半年間なにも進みません。月額固定の180万円には、求人票の作り直し、媒体の選び直し、無料チャネルの開拓、面接プロセスの整備といった、採用が決まらなくても残る作業が含まれています。この差は表の数字には出てきませんが、翌年の採用費に効いてきます。

弊社の支援先では、エージェント中心だった採用単価が約120万円→約40万円になった例があります。飲食店WEB集客コンサルティング会社(従業員21名)で、エージェント以外から10名を採用し、総採用予算は前年より減らしながら採用人数は6人→10人に増やしました。※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

【判断基準】 「半年で2名以上採る予定があるか」。イエスなら月額固定を軸に、ノーなら成果報酬か、スポットでの部分委託を検討してください。なお弊社は1名からでも受託しますが、その場合は費用対効果よりも「採用の型を半年で作って残す」ことが目的になります。

社内工数まで入れた実質コストの計算例

前章の試算には、意図的に抜いた項目があります。自社の採用担当者が使っている時間です。ここを金額に換算しないと、月額固定は常に「増える費用」に見えてしまいます。

採用担当者の業務は、求人票作成、媒体の入稿、スカウト送信、応募対応、日程調整、面接、評価のすり合わせ、内定後のフォローなど20項目前後に分かれ、これらを合計すると月90時間規模になるのが実態です※当社推計/業界相場目安。これを人件費で換算して、月額固定の実質コストを出します。

項目自社だけで採用する場合月額固定30万円を併用する場合
採用にかかる社内工数月90時間月30時間(実行業務を委託)
工数の金額換算(時給3,000円で試算)27万円/月9万円/月
採用代行の月額0円30万円/月
月あたりの実質コスト27万円39万円
6か月の実質コスト162万円234万円

※試算です。時給3,000円は年収500万円・月160時間稼働からの概算であり、実際の人件費は企業ごとに異なります。

差額は6か月で72万円。ここで判断が分かれます。その72万円で、採用人数が1名でも増えるか。前章の試算では、人材紹介で1名採ると150万円かかります。72万円の追加支出で1名多く採れるなら、支出は回収できている計算です。

さらに見落としやすいのが、空いた60時間で採用担当者が何をするかです。ひとり人事や兼任の担当者の場合、この60時間は労務・給与・面談といった本来の人事業務に戻ります。採用代行の費用対効果は、採用単価だけでなく「担当者が本業に戻れたか」でも測ってください。

【稟議に使う言い方】 「月30万円の追加支出」ではなく、「社内工数27万円+採用代行30万円=月39万円で、半年の採用人数を1名から2名に増やす投資」と書くと、決裁者が判断できる形になります。人数と単価の両方を1枚に並べるのが、月額固定の稟議を通すコツです。

採用代行の月額固定が損になる3つのケース

分岐点の裏返しとして、月額固定を選ぶと費用が無駄になりやすいパターンも明確にしておきます。

ケース①:採用予定が1名だけで、要件もありふれている

前章の試算のとおり、1名採用なら総額では人材紹介に分があります。さらに要件が一般的で応募が集まりやすい職種なら、求人広告や無料媒体だけで充足する可能性もあります。この場合は月額固定より、書類選考や日程調整だけを切り出したスポット委託のほうが費用対効果は高くなります。

ただし条件があります。「1名だけ」が本当に1名で終わるかどうかです。欠員補充で1名採ったあと、半年以内に別の職種でもう1名必要になる会社は珍しくありません。年間の採用計画で2名以上が見えているなら、その時点で月額固定の分岐点を超えています。

ケース②:社内に採用の意思決定者がいない

月額固定は「毎月一定の稼働を買う」契約なので、社内で求人票の確認や面接日程の決裁が止まると、代行側の稼働が空転します。稼働は消費されるのに採用は進まないという、いちばんもったいない状態です。よくあるのは、社長が最終面接を担当していて日程が2週間先にしか取れない、求人票の文言確認が現場で1週間止まる、といったケースです。代行会社を変えても解決しません。契約前に「誰が・何営業日以内に返すか」を決めておいてください。

ケース③:媒体費・スカウト権を月額に含めていない

採用代行の月額は、原則として「人が動く工数」の対価です。求人媒体の掲載料やスカウト送信権は別途かかることが多く、ここを見落とすと想定外の総額になります。月額30万円の見積りに媒体費が月20万円乗れば、実質は月50万円です。見積書に媒体費の行がない場合は、「この見積りに媒体掲載料とスカウト送信権は含まれますか」と一文で確認してください。含まれない場合は、想定している媒体と月額の目安を出してもらい、6か月分を足してから比較します。

【回避策】 契約前に「6か月の総支出」を1枚の表にしてください。列は①代行の月額×6、②媒体費・スカウト権、③社内工数(時間×時給換算)、④想定採用人数。この4列で比べると、月額固定・成果報酬・自社採用の優劣が金額で見えます。判断に迷う場合は、中小企業向け採用代行おすすめ5選|300名以下の費用比較表の比較表も合わせてご覧ください。

委託範囲と契約条件で月額固定はどう変わるか

同じ「月額固定30万円」でも、含まれる業務が違えば実質的な単価はまったく違います。弊社が月額の中で提供している業務は、3つのフェーズ・18業務に分かれています。

フェーズ含まれる業務
採用設計要件定義・ペルソナ設計/スカウト文作成/募集媒体選定/現状分析ヒアリング/求人票作成/1日職場体験
採用実行定例MTG/採用イベント代行/企業説明会代行/候補者対応/スカウトメール送信/面接スケジュール調整
内定・内定後キャリアコンサルタント面談/数値分析/改善施策の提案/ターゲット再設定/内定者フォロー支援/代行業務の変更

※2026年8月時点のサービス内容。

この18業務のうち、どこまでを月額に含めるかで見積りは変わります。実行業務だけを切り出せば月額は下がりますが、要件定義とペルソナ設計を自社でやりきれるかが前提になります。逆に設計から任せれば月額は上がるものの、求人票とスカウト文が作り直され、応募の質そのものが変わります。費用を下げたいときに削るべきは「設計」ではなく「重複しているチャネル」だと考えてください。

契約条件のほうも、月額と同じくらい総額を左右します。

  1. 契約期間:推奨は6か月です。採用の型を作り、数字を回して改善し、社内に引き継ぐまでの最低ラインが半年だからです。継続の判断は4か月目終了までにご連絡いただきます
  2. 請求サイクル:1か月毎・月末締め・翌月末払い
  3. 開始までの日数:初回打ち合わせから最短5営業日で稼働できます
  4. 最小ロット:1名から、新卒・中途を問わず対応します
  5. 導入の流れ:①お問い合わせ → ②ご提案(初回打合せ・ヒアリング)→ ③詳細打ち合わせ(業務範囲・契約内容)→ ④契約締結 → ⑤キックオフMTG(社員インタビューやワーク)

求人票の作成を委託するときの法対応

求人票作成や募集業務を外部に委託する場合、労働条件の明示ルールに自社が対応できているかも見積り段階で確認してください。2024年4月から、労働者の募集や求人の申込みの際に明示しなければならない労働条件が追加され、就業場所・業務の変更の範囲、有期契約の更新上限、無期転換に関する事項などが明示事項になりました[4]。求人票のフォーマットを刷新していない会社は、代行の初期フェーズでここを直す工数が発生します[5]。弊社は有料職業紹介事業の許可(13-ユ-311843)と労働者派遣事業の許可(派13-309247)を保有しており、この整備も月額の業務範囲に含めて対応しています。

月額固定の費用対効果を上げる3つの運用

月額固定は「使い切ってこそ安くなる」契約です。同じ180万円でも、運用次第で1名あたりの単価は大きく変わります。弊社支援先で効果が大きかった順に3つ挙げます。

① 無料チャネルの開拓を月額の中でやらせる

有料媒体だけに頼ると、月額固定の外側で媒体費が膨らみます。弊社では電話・訪問・公共事業への参加で提携職業訓練校を2校→42校に開拓し、無料で25応募を獲得しました。結果として、支援先の入社の4割超が採用費0円のチャネル(無料媒体・自治体支援・リファラル)からになっています。インフラ系SES会社(従業員8名)の例では、職業訓練校を3校→19校に増やし、エージェント以外の応募が0件→13件(4か月)になりました。県主催の合同説明会は大手企業が多く着席1名でしたが、訓練校に切り替えて4か月で7回・80名程度に直接アプローチしています。

② スカウトは母数とABテストで回す

スカウトは1通の文面の巧拙より、送信量と検証速度で結果が変わります。弊社は1社につき総計2,000通以上を送り、数日単位でABテストを回します。ターゲット設計と文面改善で開封率が3.6%→40.7%(約11倍)になった例があり、前出の飲食店WEB集客コンサルティング会社では、Re就活のスカウトメールで開封率30.6%→60.7%、応募27件増という結果が出ています。同社は当初、スカウト550通で応募15件(会いたい人がいない)という状態でしたが、条件と文面を組み直して有効応募106件まで伸ばしました。

無料チャネルは、開拓に手間がかかるぶん社内では後回しになりがちです。だからこそ、月額固定の稼働で担当させる価値があります。訓練校への電話・訪問、自治体の公共事業の情報収集、説明会枠の交渉といった作業は、成果が出るまでに数か月かかりますが、一度つながれば翌年以降も無料で使えるルートとして残ります。有料媒体は契約を止めれば応募も止まりますが、無料チャネルは資産として残る。ここが総額に効いてきます。

自社でスカウトを運用していると、送信量は「担当者が何通打てるか」で決まってしまいます。月額固定で稼働を買う最大の利点は、この上限を外せることです。なお、スカウト業務だけを切り出して委託する場合の費用感は別の考え方になります。

③ 複数職種を同時に回す

月額固定の単価は人数で割り算されるため、職種を絞りすぎると割高になります。弊社では1社最大7職種(営業・経理労務・Webデザイナー・エンジニア・マーケター・DX/AI・カスタマーサポート)を同時並行で採用した実績があります。

職種を増やすと大変になりそうに見えますが、実務では逆のことが起きます。求人票のフォーマット、スカウトの構成、面接の評価シート、候補者対応の文面は職種をまたいで流用でき、1職種目で作った型が2職種目以降のコストを下げるからです。半年で複数ポジションを埋める予定があるなら、時期をずらさずまとめて依頼したほうが、1名あたりの単価は下がります。

※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

【使い切りのコツ】 月次の定例MTGで「今月の稼働を何に使うか」を先に決めてください。応募が止まっている月は母集団形成に、応募が来ている月は選考スピードに稼働を寄せる。稼働の配分を毎月決め直すだけで、同じ月額の実効値が変わります。

月額固定の見積りで確認する10項目

相見積りを取るときは、金額の下に並ぶ条件のほうが重要です。次の10項目を同じ質問文で各社にぶつけると、比較できる状態になります。

#確認項目業者に確認することおまかせ採用の場合
1課金方式月額固定か成果報酬か、採用時の手数料の有無月額固定30/50/80万円、採用時手数料なし
2稼働時間月あたり何時間か、超過した場合の扱いプラン別に〜30/40〜50/60時間以上
3業務範囲設計・実行・内定後のどこまでやるか3フェーズ18業務
4最小ロット1名の採用でも受けるか1名から・新卒中途問わず
5開始スピード契約から稼働まで何日か最短5営業日
6契約期間最低契約期間と中途解約の条件推奨6か月、継続判断は4か月目終了まで
7媒体費の扱い媒体掲載料・スカウト権が月額に含まれるか別途。媒体選定と費用交渉まで支援
8無料チャネル有料媒体以外の母集団形成をするか職業訓練校42校・自治体支援・リファラル
9内製化支援契約終了後に何が残るか推奨6か月で内製化、ノウハウとデータが残る
10法対応職業安定法・労働条件明示(2024年4月改正)への対応有料職業紹介事業許可あり(13-ユ-311843)

※他社欄を作る場合は「一般的な例(当社調べ)」として比較してください。

なかでも見落とされやすいのが7番の媒体費です。月額固定30万円の見積りでも、媒体費が月20万円かかれば実質50万円です。総額で比べる癖をつけてください。

10番の法対応も、相見積りでは差が出ます。有料職業紹介事業者には手数料表の明示などの義務があり、募集・求人申込みの際に明示すべき労働条件も2024年4月に追加されています[6]。求人票の作成や候補者対応まで任せるのであれば、委託先がこのルールを前提に運用しているかを確認しておくと、後々のトラブルを避けられます。

もう1つ、6番の契約期間には中途解約の条項も含めて確認してください。「最低3か月」「解約は2か月前通知」など会社ごとに条件が違い、ここを読み飛ばすと、成果が出ない月の分まで支払いが続きます。弊社の場合は推奨6か月・4か月目終了までに継続のご判断をいただく形にしており、6か月で内製化して契約を終えられる設計にしています。

月額固定の契約で失敗する5つの罠

最後に、費用の観点から起きやすい失敗を挙げます。中小企業の採用でよく見る「罠」を、月額固定の文脈に置き換えたものです。

  1. 求人広告を複数出せば集まると考える:応募がないまま掲載料だけが積み上がり、代行の月額と二重に出費が乗る
  2. 媒体の高いプランに変更して様子を見る:採用数は増えず媒体費だけが跳ね上がる。プラン変更の前に求人票とターゲットを直す
  3. 主観中心の求人票のまま代行に渡す:候補者が知りたい情報がなく、スカウトの母数を増やしても返信が来ない
  4. 人材紹介に丸投げしたまま代行を併用する:単価の高いチャネルが残り、月額固定の効果が数字に出ない
  5. 採用ツールだけ契約して使いこなせない:ATSや媒体オプションの費用対効果が悪化する

5つに共通しているのは、原因を特定しないまま支出を足している点です。応募が来ないのは媒体の問題なのか、求人票の問題なのか、ターゲット設定の問題なのか。ここを切り分けずにプランを上げたり、代行を追加したりすると、月額固定の効果も数字に現れません。月額固定を入れる最初の1か月は、採用を進める前に現状分析とターゲットの再設定に稼働を使うのが定石です。

もう1つ、月額固定に特有の落とし穴として「6か月契約したから安心してしまう」というものがあります。半年という期間は、放っておけば過ぎます。契約時に、2か月目・4か月目・6か月目に何を達成しているかを文章で決めておいてください。4か月目終了までに継続の判断をする設計になっていれば、遅くとも4か月目には数字で振り返ることになります。

【回避策】 契約から3か月目に、チャネル別の応募数・単価を並べた1枚の表を作ってください。月額固定の効果は「応募単価がどのチャネルで下がったか」に必ず現れます。下がっていないチャネルは、4か月目の継続判断までに止めるか、配分を変える判断材料になります。

なお、成果報酬型を選ぶ場合も含めた料金体系全体の考え方は採用代行の月額費用は30〜100万円|3つの料金体系を比較を、スカウト業務だけを切り出して委託する場合の費用感は関連記事をご確認ください。

よくある質問

Q1. 採用代行の月額固定の相場はいくらですか?

中小企業向けでは月10万円台〜80万円台が目安です。弊社「おまかせ採用」はライト30万円(〜30時間)、スタンダード50万円(40〜50時間)、プレミアム80万円(60時間以上)の3プランで、月額固定・採用時の手数料なしです(※2026年8月時点の料金)。金額だけでなく「月何時間・どの業務まで」をセットで比較してください。

Q2. 月額固定と成果報酬、どちらが安くなりますか?

半年で採る人数によります。月額30万円×6か月=180万円に対し、人材紹介を年収500万円・料率30%で試算すると1名150万円。2名採用で月額固定が120万円安くなる計算です(試算)。1名だけなら成果報酬に分がある場合もあります。

Q3. 採用できなかった月も月額は発生しますか?

発生します。月額固定は採用人数ではなく稼働に対して支払う契約だからです。そのぶん、採用が決まっても追加手数料は発生しません。稼働が空転しないよう、社内の決裁者と定例MTGの体制を先に決めておくことが重要です。採用が決まらなかった月も、求人票の改善や無料チャネルの開拓といった翌月以降に効く作業に稼働が使われているかを、定例で確認してください。

Q4. 月額のほかに費用はかかりますか?

求人媒体の掲載料やスカウト送信権などは別途かかるのが一般的です。弊社では媒体選定と費用交渉まで支援し、職業訓練校・自治体支援・リファラルといった採用費0円のチャネル開拓も月額の業務範囲に含めています。

Q5. 最低契約期間はどのくらいですか?

弊社は推奨6か月です。採用の型を作り、数値を回して改善し、社内に引き継ぐまでに必要な期間として設定しています。継続のご判断は4か月目終了までにご連絡いただく形です。稼働開始は初回打ち合わせから最短5営業日です。他社と比較する際は、最低契約期間だけでなく中途解約の通知期限もあわせて確認してください。

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参考資料

  1. 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)について」(2026年7月の有効求人倍率1.18倍、新規求人倍率2.10倍)
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75707.html
  2. 株式会社帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」(正社員の人手不足51.3%)
    https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260817-laborshortage202607/
  3. リクルートワークス研究所「中途採用実態調査」(中途採用の未充足率57.8%)
    https://www.works-i.com/research/works-report/item/241128_midcareer.pdf
  4. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
    https://muki.mhlw.go.jp/rule.html
  5. 厚生労働省リーフレット「2024年4月から、労働者の募集や職業紹介事業者への求人の申込みの際、明示しなければならない労働条件が追加されます」
    https://www.mhlw.go.jp/content/001114155.pdf
  6. 厚生労働省リーフレット「2024年4月から、求職者に対して明示しなければならない労働条件の追加や、手数料表の明示等について」
    https://www.mhlw.go.jp/content/001114111.pdf
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