人材紹介の手数料が高い時の代替策|120万→40万
「未経験の若手を1名採っただけなのに、請求書は140万円だった」。人材紹介の手数料をめぐって、中小企業の経営者や採用担当者から実際にいただく声です。採用単価が高すぎる、急な欠員に対応できない、しかも紹介が来ない月も担当者の工数だけは発生する。有効求人倍率が2026年4月時点で1.18倍[1]、中途採用の未充足率が57.8%[2]という市場では、紹介会社に頼る理由も分かります。ただし料率は年収に連動するため、採用人数が増えるほど負担は直線的に増えます。
この記事では、手数料の実額を年収別に可視化したうえで、採用費0円のチャネルへ置き換える具体的な手順を扱います。
この記事でわかること
- 人材紹介の手数料が年収別・料率別にいくらになるかの実額早見表
- 未経験や第二新卒でも年収35%がかかる理由(理論年収という計算のしくみ)
- 採用費エージェント依存から脱却するための0円チャネル7つと置き換えの優先順位
- 人材紹介を使わない採用に切り替えたときの年間費用の試算と、残しておくべきケース
人材紹介の手数料はいくらか|年収別・料率別の実額早見表
まず金額を直視するところから始めます。人材紹介の手数料は「採用が決まった人の理論年収×料率」で計算されます。相場は35%程度とされ、採用難易度によって25〜50%の範囲に分布します[3]。年収帯ごとに実額を並べると、負担の大きさがはっきりします。
| 理論年収 | 料率25% | 料率30% | 料率35% | 料率40% |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 75万円 | 90万円 | 105万円 | 120万円 |
| 400万円 | 100万円 | 120万円 | 140万円 | 160万円 |
| 500万円 | 125万円 | 150万円 | 175万円 | 200万円 |
| 600万円 | 150万円 | 180万円 | 210万円 | 240万円 |
| 800万円 | 200万円 | 240万円 | 280万円 | 320万円 |
※当社推計/業界相場目安
年収400万円の若手を1名採るだけで、料率35%なら140万円です。3名採れば420万円、5名なら700万円になります。中小企業の年間採用予算がこの金額に届かないケースは珍しくありません。実際、弊社の試算でも人材紹介経由の1名あたりの費用は約150万円(年収500万円×30%)で見積もっています。
自社がどのチャネルにいくら払っているかの棚卸しだけでも、無料でお受けしています。
法律上の位置づけも押さえておくと交渉がしやすくなります。有料職業紹介の手数料には「上限制手数料」と「届出制手数料」の2種類があります。上限制を選ぶ場合は支払われた賃金額の10.8%(免税事業者は10.3%)が上限です[4]。一方、いま多くの紹介会社が採っている年収30〜35%という料率は、厚生労働大臣に手数料表を届け出る「届出制手数料」にもとづくもので、各社が届け出た手数料表の範囲で設定されます。つまり料率は法律で一律に決まった数字ではなく、各社が決めた数字です。ここに交渉の余地があります。
【最初に確認すること】 取引している紹介会社の手数料表は、人材サービス総合サイトで公開されています。契約書の料率と届け出られた手数料表を突き合わせるだけでも、交渉の材料になります。
あわせてやっておきたいのが、直近1年の紹介手数料の棚卸しです。次の3列を職種別に並べるだけで、置き換えの優先順位が見えてきます。
- 職種と人数:どの職種を何名、紹介経由で採ったか
- 1名あたりの手数料:理論年収×料率の実額。返金が発生した分は差し引く
- 入社後6か月の在籍状況:定着しなかった採用にいくら払ったか
この表を作ると、多くの会社で「特定の1〜2職種に手数料が集中している」ことが分かります。全職種を一度に切り替える必要はなく、集中している職種から順に置き換えるのが最短ルートです。
未経験・第二新卒でも年収35%がかかる理由|理論年収の中身
「経験者なら分かるが、未経験の採用でなぜ同じ料率なのか」というご質問をよくいただきます。答えは料率ではなく分母の作り方にあります。手数料の分母になる理論年収は、実際に支払った額ではなく、次の式で計算されるためです[5]。
理論年収=月次給与×12か月+交通費以外の諸手当+賞与・一時金
ここに落とし穴が3つあります。
- 入社月に関係なく12か月で計算される:10月入社で初年度の実支給が6か月分でも、分母は12か月分で計算されます
- 諸手当が積み上がる:住宅手当・役職手当・固定残業代などが分母に入ります。月10万円の手当は年120万円として計上され、料率35%なら手数料が42万円増えます
- 賞与は「支給見込み」で入る:業績連動で実際には出なかった場合でも、契約時の想定で計算されているケースがあります
未経験採用で「思ったより高い」となるのは、この分母のふくらみが原因です。たとえば基本給20万円・業務手当3万円・住宅手当2万円・平均残業代3万円・賞与1.5か月という条件では、理論年収は330万円になります。ここに料率35%がかかれば手数料は約116万円です。額面の基本給だけを見ていると、手数料の見積りを大きく外します。
分母がどれだけ効くかを、同じ基本給で比べてみます。
| 条件 | 理論年収 | 料率35%の手数料 |
|---|---|---|
| 基本給25万円のみ(手当・賞与なし) | 300万円 | 105万円 |
| 基本給25万円+諸手当月5万円 | 360万円 | 126万円 |
| 基本給25万円+諸手当月10万円+賞与2か月 | 470万円 | 約165万円 |
※当社推計/業界相場目安
基本給は同じでも、手当と賞与の設計しだいで手数料は60万円以上変わります。求人票の条件設計は募集の魅力に直結するので下げるべきではありませんが、「この条件で採ると手数料はいくらになるか」を先に計算しておくと、年間予算の精度が上がります。
【未経験採用でエージェントを使うときの判断軸】 未経験者は「採用してから育てる」前提なので、入社後の育成コストが別途かかります。入社時点で100万円超の手数料を払い、さらに半年〜1年の育成期間を持つという二重の投資に見合うのかを、職種ごとに判断してください。育成前提の職種ほど、後述の0円チャネルとの相性がよくなります。
エンジニアの採用ではこの構造がさらに強く出ます。エンジニアは理論年収そのものが高く、かつ採用難易度から料率も上振れしやすいため、1名あたりの手数料が200万円を超えることもあります。採用単価を職種別に管理していない会社ほど、エンジニアの紹介手数料が年間予算を圧迫しているというのはよくあるパターンです。
手数料を押し上げる契約条件|返還金・重複応募・料率の交渉余地
請求書の金額は料率だけで決まるわけではありません。契約条件の中に、実質的な負担を左右する項目がいくつもあります。
| 契約条件 | よくある内容 | 自社への影響 |
|---|---|---|
| 返還金(返金規定) | 入社1か月未満の退職で手数料の80%、1か月以上3か月未満で50%を返金、3か月以上は返金なし[6] | 3か月を1日でも過ぎると全額が確定する。早期離職が多い職種ほど不利 |
| 料率の設定 | 職種・年収帯で25〜50%に分かれる | 交渉の対象。複数名の採用実績を前提に見直しを申し入れられる |
| 重複応募の扱い | 自社の求人媒体からの応募者と重なった場合の優先順位 | 先に紹介を受けていた扱いになると、無料チャネル経由でも手数料が発生する |
| 支払い時期 | 入社日基準か内定承諾基準か | 承諾基準だと、入社辞退でも請求が発生する契約がある |
| 最低支払額 | 年収にかかわらず下限額を設定 | 低年収帯の採用で実質料率が跳ね上がる |
※当社推計/業界相場目安
とくに見落とされやすいのが返還金の期間設計です。返金があるから安心と考えがちですが、返金の対象になるのは入社直後の数か月だけで、しかも全額が戻るわけではありません。定着まで含めて考えると、手数料は「採用の費用」ではなく「採用と定着に賭ける投資」として見るのが実態に近くなります。
重複応募の扱いも要注意です。自社で職業訓練校を開拓し、無料で会えた候補者が過去に紹介会社へ登録していた場合、契約の書き方によっては手数料が発生します。0円チャネルを立ち上げる前に、既存の紹介契約の条項を確認しておいてください。
料率そのものを見直したい場合、交渉は次の順で進めると通りやすくなります。
- 実績を数字で示す:直近1年の紹介経由の採用人数と支払総額、定着率を一覧にして持っていく
- 年間の採用計画を提示する:「今年は◯職種で◯名」と枠を先に伝える。継続的な取引の見通しがあると料率は動きやすい
- 料率以外も交渉材料にする:返金期間の延長(3か月→6か月)、支払い時期の入社日基準への変更、低年収帯の最低支払額の撤廃など
- 職種別に分ける:全体を一律で下げてもらうより、母集団が厚い職種だけ料率を下げてもらうほうが現実的
- 代替チャネルの立ち上げを並行させる:交渉のカードは「他の入口がある」ことです。順序としては、置き換えの準備を始めてから交渉に入るのが有効です
【交渉で言わないほうがよいこと】 「他社はもっと安い」という比較だけを持ち出すと、優先度の低い企業として扱われ、紹介の質が落ちることがあります。自社の採用計画を共有したうえで条件を相談するほうが、結果的に良い候補者に会えます。
なお、人材紹介と採用代行を金額面で並べた比較表とシミュレーションは人材紹介の手数料は1名150万円|採用代行との費用比較表にまとめてあります。本記事は「紹介を別のチャネルにどう置き換えるか」に絞って進めます。
人材紹介への依存から脱却する|採用費0円チャネル7つ
弊社が支援している企業では、入社の4割超が採用費0円のチャネルから生まれています。無料媒体・自治体支援・リファラルの3系統が中心です。※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。 紹介手数料の置き換え先として現実的な7つを、立ち上げにかかる期間とあわせて整理します。
| # | チャネル | 費用 | 立ち上げの目安 | 向いている職種 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 職業訓練校(ハロートレーニング)[7] | 0円 | 1〜3か月(開拓と説明会枠の獲得) | 未経験の技術職・事務・Web系 |
| 2 | 自治体の就職支援センター[8] | 0円 | 2週間〜1か月(求人登録) | 全職種。とくにミドル層 |
| 3 | ハローワーク | 0円 | 1〜2週間 | 全職種。地域密着の採用 |
| 4 | リファラル(社員紹介) | 0円〜報奨金 | 1か月(制度設計) | 全職種。定着率が高い |
| 5 | 無料求人媒体 | 0円 | 1〜2週間 | 事務・販売・サービス |
| 6 | 自社の説明会・職場体験 | 会場費のみ | 1〜2か月 | 未経験・若手 |
| 7 | 転職フェア・合同面接会 | 出展料または0円(自治体主催) | 1〜2か月(申込〜開催) | 若手・第二新卒 |
※当社推計/業界相場目安。自治体・訓練校の制度は地域によって異なります。
置き換えの優先順位は、「立ち上げが速い順」ではなく「自社の職種と重なる順」で決めてください。事務職を採りたい会社が訓練校のWebデザインコースを開拓しても、母集団は増えません。逆に、未経験の技術職を採りたい会社にとって訓練校は最短ルートになります。
7つのチャネルについて、紹介手数料の置き換え先としての実務的な特徴を補足します。
- 職業訓練校:受講生は「学び直して就職する」意思が明確で、修了時期が決まっているため採用時期が読めます。コース単位で専門が分かれているので、自社の職種に合うコースを持つ学校だけを狙えばよく、開拓の効率が高い
- 自治体の就職支援センター:求人掲載も合同就職面接会も無料で、書類選考なしの設計になっているイベントもあります。ミドル層の採用では、有料媒体より母集団が厚くなることも珍しくありません
- ハローワーク:立ち上げが最も速く、求人票の作り込みしだいで反応が変わります。トライアル雇用助成金など、助成制度と組み合わせやすいのも利点
- リファラル:定着率が高い一方、制度がないと社員は動きません。報奨金の設計と就業規則への記載をセットで用意する必要があります
- 無料求人媒体:掲載費がかからない分、求人票の情報量で差がつきます。有料媒体と同じ原稿を流用すると埋もれます
- 自社の説明会・職場体験:会場費だけで実施でき、ミスマッチを減らす効果も大きい。おまかせ採用では1日職場体験を業務範囲に組み込んでいます
- 転職フェア・合同面接会:自治体主催なら出展料が無料のものもあります。当日の接触数が母集団に直結するので、ブース設計の巧拙が結果を左右します
弊社では電話・訪問・公共事業への参加を通じて、提携する職業訓練校を2校から42校まで開拓し、無料で25件の応募を得ています。※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。
母集団形成の手法を有料・無料を問わず体系的に比べたい場合は、母集団形成の8つの手法|量と質を両立するKPI設計と進め方もあわせてご覧ください。
【0円チャネルの限界も先に知っておく】 無料チャネルは「即戦力の経験者を今月中に」という要件には向きません。育成前提の職種、地域限定の職種、ミドル層の再就職支援と相性がよい一方、専門性の高いポジションでは母集団が薄くなります。全職種を0円に置き換えるのではなく、職種ごとに向き先を変えるのが現実的です。
置き換えの手順|訓練校と自治体を4か月で立ち上げる5ステップ
「無料チャネルがよいのは分かるが、誰がやるのか」という問題が残ります。弊社支援先で実際に回している手順を、そのまま5ステップで示します。
- リストアップ(1〜2週目):自社から通勤圏内の職業訓練校・認定職業訓練実施施設・自治体の就職支援センターを洗い出す。訓練校はコース単位で見る(例:機械加工科、Webデザイン科、簿記・経理科)
- 打診(3〜4週目):電話と訪問で「求人票の掲示」「施設内説明会の枠」「見学受け入れ」の3点を打診する。いきなり説明会を求めず、まず求人票の掲示から入るほうが通りやすい
- 求人票と説明資料の作り直し(2か月目):訓練校の受講生は職種未経験が前提なので、経験要件を並べた求人票では響きません。育成計画・先輩社員の入社時スキル・1日の流れを入れた資料に作り替える
- 説明会の実施(3か月目〜):枠が取れた学校から順に実施する。話す内容は「会社の説明」ではなく「入社1年目に何ができるようになるか」に寄せる
- 自治体イベントへの併走(3〜4か月目):都道府県・区市の合同就職面接会に申し込む。書類選考なしの設計になっているイベントもあり、母集団の入口として機能する
弊社支援先のインフラ系SES会社(従業員8名)では、この手順で職業訓練校を3校から19校に増やし、エージェント以外からの応募が0件から13件(4か月)になりました。同社では県主催の説明会に出たときの着席が1名だったのに対し、訓練校に切り替えてからは4か月で7回・約80名に直接アプローチできています。※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。
【最初の1校をどう取るか】 訓練校側にとっても就職率は重要な指標です。「求人を出させてください」ではなく「修了生の就職先として、こういう育成計画を用意しています」と伝えるほうが枠は取りやすくなります。担当者が動ける時間を月に数時間確保できるかどうかが、立ち上がりの速さを決めます。
説明会で受講生から実際によく出る質問は、ほぼ決まっています。あらかじめ答えを用意しておくと、その場での反応が変わります。
| 聞かれること | 用意しておく答え |
|---|---|
| 未経験でも本当に採るのか | 直近の未経験入社の人数と、その人が今どの仕事をしているか |
| 入社してから何を教えてもらえるか | 3か月・6か月・1年の育成ステップと、担当者の名前 |
| 残業や休日はどうなっているか | 直近の平均残業時間と休日日数(数字で) |
| 給与はいくらから始まるか | 初年度の想定年収と、昇給の実例 |
| 職場の雰囲気はどうか | 1日職場体験や見学の案内 |
※当社推計/業界相場目安。回答の中身は自社の実績に置き換えてください。
紹介会社を使っていたときは、これらの質問にはエージェントが答えていました。直接募集に切り替えるということは、その説明を自社が引き受けるということでもあります。逆に言えば、ここを自社で語れるようになった会社は、どのチャネルを使っても採用が安定します。
人材紹介を使わない採用に切り替えたときの費用試算
置き換えの効果を金額で見ます。年間4名採用する会社を例に、紹介中心の構成と、0円チャネル中心に組み替えた構成を並べます。数字は自社の実績に置き換えて使ってください。
| 項目 | 置き換え前(紹介中心) | 置き換え後(0円チャネル中心) |
|---|---|---|
| 人材紹介経由 | 3名 × 約150万円 = 450万円 | 1名 × 約150万円 = 150万円 |
| 有料媒体 | 1名(掲載料 約50万円) | 1名(掲載料 約50万円) |
| 訓練校・自治体・リファラル | 0名 | 2名 = 0円 |
| 運用の外注費 | なし(社内工数のみ) | 月30万円 × 6か月 = 180万円 |
| 年間の採用費合計 | 約500万円 | 約380万円 |
| 1人あたり | 約125万円 | 約95万円 |
※当社推計/業界相場目安。人材紹介1名150万円は年収500万円×30%の試算です。
ポイントは、外注費を足しても総額が下がるという点です。月額30万円のプランを推奨期間の6か月使うと180万円ですが、紹介手数料を2名分(約300万円)置き換えられれば差し引きで下がります。3名分を置き換えられればさらに開きます。あくまで一例・試算ですが、「何名分の紹介手数料を置き換えられるか」が損益分岐の考え方になります。
見落としやすいのが社内工数です。紹介会社を使っている間は、候補者の選定・日程調整・条件のすり合わせをエージェントが担っています。直接募集に切り替えると、この工程が社内に戻ってきます。月あたりの目安を置いておきます。
| 工程 | 直接募集での月間工数の目安 | 外注できるか |
|---|---|---|
| 訓練校・自治体の開拓と連絡 | 5〜10時間 | できる |
| 求人票・説明資料の作成と更新 | 3〜5時間 | できる |
| 応募対応・日程調整 | 10〜20時間 | できる |
| 説明会・面接の実施 | 5〜15時間 | 一部できる(説明会代行) |
| 内定後のフォロー | 3〜5時間 | できる |
※当社推計/業界相場目安
合計すると月26〜55時間です。ここを誰が持つのかを決めないまま紹介を止めると、置き換えは失敗します。専任者がいない会社ほど、この工数を外に出す前提で設計してください。おまかせ採用のライトプラン(月30万円)が月30時間までの稼働を想定しているのは、この工程を丸ごと引き受けるためです(2026年8月時点の料金)。
助成金を併用すると、さらに実質負担が下がります。ハローワーク等の紹介で一定の要件を満たす方をトライアル雇用した場合、1人あたり月額4万円が最長3か月支給されます(母子家庭の母等・父子家庭の父の場合は月額5万円)[9]。未経験採用と組み合わせやすい制度です。
費用対効果の計算式そのものを詰めたい場合は、記事末尾の関連記事に採用ROI・回収月数・実質採用単価の出し方をまとめています。
代替手段の比較|「何が残るか」で選ぶ
同じ「紹介以外の方法」でも、残るものが違います。手数料を払い続ける構造から抜けたいなら、契約が終わったあとに自社に何が残るかを軸に選ぶのが確実です。
| 項目 | おまかせ採用 | 人材紹介 | 求人広告 | 採用コンサル |
|---|---|---|---|---|
| 費用の出方 | 月額固定で採用時の手数料なし | 成功報酬 年収の35%〜100% | 掲載課金(採れなくても発生) | 顧問料 |
| どこまでやるか | 戦略設計〜実行〜定着 | 候補者の紹介まで | 掲載まで | 助言・設計まで |
| 何が残るか | 採用ノウハウとデータ | 残らない | 掲載データのみ | 提案書のみ |
| 母集団の作り方 | 有料+無料+独自ルート | 登録者の中から | 応募を待つ | 関与しない |
| 入社後 | 定着フォローまで行う | 返金規定のみ(3か月以内) | なし | なし |
※一般的な例です(当社調べ)。実際の条件は各社・各契約によって異なります。
紹介会社は「候補者を連れてくる」ことに特化しているため、採用が終わると自社には何も残りません。翌年また同じ手数料を払うことになります。一方、無料チャネルの開拓は初年度こそ手間がかかりますが、訓練校との関係も、求人票も、説明会の資料も翌年そのまま使えます。この差が、2年目以降の採用単価に効いてきます。
自社に合う手段を幅広く比べたい場合は、中小企業向け採用代行の比較表もご覧ください。
実例|採用単価120万円→40万円になった置き換え
弊社支援先の飲食店WEB集客コンサルティング会社(従業員21名)は、エージェント中心の採用から脱却した典型例です。※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。
| 項目 | Before | After |
|---|---|---|
| 主なチャネル | 人材紹介中心。外注スカウトからの応募は0件 | Re就活・マイナビ転職(フェア)・自治体支援へスイッチ |
| 有効応募 | 15件(会いたい人がいない) | 106件 |
| 採用単価 | 約120万円 | 約40万円 |
| 採用人数 | 6人 | 10人(総採用予算は前年より減) |
| 人事体制 | 人事部なし | 人事チームを0から構築 |
| イベント | 実施なし | 転職フェアで着席49名・後日面談14名(会場平均28.2名) |
打ち手の順番は次のとおりです。
- 社員インタビュー:中途入社7名に話を聞き、定着している人の共通点からペルソナを設定
- 求人票の作り直し:主観的な訴求を外し、候補者が知りたい条件を前に出す
- チャネルのスイッチ:エージェント中心からRe就活・マイナビ転職(フェア)へ
- 無料チャネルの追加:東京都の支援サービスを活用し、媒体費用も交渉
- 面談の前倒し:カジュアル面談を代行し、候補者の熱が冷めないうちに会える体制に
注目していただきたいのは、総採用予算を減らしながら採用人数が6人→10人に増えていることです。紹介手数料に充てていた予算の一部を、媒体と運用に振り替えた結果です。
なお、この事例はマーケター職の採用ですが、「社員インタビューでペルソナを作り、無料チャネルを併走させる」という手順は職種を問わず使えます。前述のインフラ系SES会社(従業員8名)はエンジニア採用での例で、こちらは訓練校の開拓が置き換えの主役でした。業種が違っても手順は共通です。
依存脱却でつまずく3つの罠と、人材紹介を残すべきケース
最後に、切り替えでよくある失敗と、それでも紹介を使うべき場面を整理します。
【罠1|全職種を一度に切り替える】 紹介を止めた月から応募がゼロになり、慌てて戻すパターンです。無料チャネルが立ち上がる3〜4か月は併走させ、職種ごとに順番に外してください。
【罠2|求人広告の高いプランに乗り換える】 紹介をやめた分を媒体費に丸ごと振り替えると、掲載課金だけが増えて採用数は変わりません。先に見直すのは求人票とターゲットです。
【罠3|ツールを契約して使いこなせない】 採用管理システムや自動化ツールは、運用する人がいて初めて効きます。ツール費と工数の両方が乗って、費用対効果がかえって悪化します。
一方で、次のケースでは人材紹介を残したほうが合理的です。
- 急な欠員で30日以内に埋める必要がある:無料チャネルは立ち上げに時間がかかります。緊急枠として紹介を残す判断は妥当です
- 母集団が極端に薄い専門職:有資格者や特殊な経験が必須のポジションは、登録者データベースにアクセスできる紹介の価値が高くなります
- 年に1名しか採らない:置き換えの固定費が採用人数に対して重くなるため、単発なら紹介のほうが安く収まることもあります
言い換えると、紹介を「全部やめる」のではなく「使う職種と使わない職種を分ける」のが現実解です。年間の採用計画を職種別に並べ、どの枠を0円チャネルに寄せるかを先に決めてください。採用単価の下げ方を手法別に広く押さえたい場合は、記事末尾の関連記事もあわせてご覧ください。
そのうえで実務的な補足を1つ。2024年4月の改正で、求人の募集時には「従事すべき業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「有期契約の場合の通算契約期間または更新回数の上限」を明示する必要があります[10]。訓練校や自治体経由で直接募集する場合、これまで紹介会社が整えていた明示事項を自社で用意することになります。求人票のテンプレートを先に整備しておくと、切り替えがスムーズです。
最後に、置き換えの進み具合を測る指標を挙げておきます。追うべきは「紹介手数料の削減額」ではなく、紹介以外のチャネルからの入社比率です。この比率が上がっていれば、手数料は自然に下がります。弊社支援先では入社の4割超が採用費0円のチャネルからで、そこまで来ると採用予算の使い方そのものが変わります。まずは四半期ごとに、チャネル別の入社人数を数えるところから始めてください。
よくある質問
Q1. 人材紹介の手数料の相場はいくらですか。
理論年収の35%程度が相場で、採用難易度によって25〜50%に分布します。年収400万円で料率35%なら1名140万円、年収500万円で料率30%なら1名150万円という計算です。なお法令上の「上限制手数料」を選ぶ場合は賃金額の10.8%(免税事業者10.3%)が上限ですが、多くの紹介会社は届出制手数料で年収連動の料率を設定しています。
Q2. 未経験採用でも同じ料率がかかるのはなぜですか。
料率ではなく分母の計算方法が理由です。手数料の分母になる理論年収は「月次給与×12か月+交通費以外の諸手当+賞与・一時金」で計算されるため、入社月が年度の途中でも12か月分で計算され、住宅手当や固定残業代も積み上がります。未経験採用では入社後の育成コストも別に発生するため、手数料と育成の二重投資になる点を織り込んで判断してください。
Q3. 手数料は交渉できますか。
料率は各紹介会社が厚生労働大臣に届け出た手数料表にもとづくもので、法令で一律の上限率が決まっているわけではありません。複数名の採用実績がある、年間の採用計画を提示できる、といった条件があれば見直しを申し入れる余地はあります。あわせて返還金の期間、支払い時期、重複応募の扱いも確認してください。
Q4. 採用費0円のチャネルだけで採用できますか。
職種によります。弊社支援先では入社の4割超が採用費0円のチャネル(無料媒体・自治体支援・リファラル)から生まれていますが、残りは有料媒体や紹介経由です。育成前提の職種や地域限定の職種は0円チャネルと相性がよく、専門性の高いポジションは母集団が薄くなります。職種ごとに向き先を分けるのが現実的です。
Q5. 置き換えを外部に任せる場合、費用と期間はどれくらいですか。
おまかせ採用の場合、月額固定30/50/80万円で、採用が決まったときの手数料はかかりません。契約期間は内製化までを見据えて6か月を推奨しており、初回打ち合わせから最短5営業日で稼働できます。1名からのご依頼にも対応しています(2026年8月時点の料金)。
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参考資料
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年4月分)について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73416.html
- リクルートワークス研究所「中途採用実態調査」 https://www.works-i.com/research/works-report/item/241128_midcareer.pdf
- doda(パーソルキャリア)「中途採用にかかる費用とは?採用単価の相場や削減方法」 https://www.saiyo-doda.jp/service/recruitment/column/cost-recruitment
- 厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領 第6 手数料」 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/syoukai/dl/06.pdf
- マンパワーグループ「人材紹介|手数料の相場は?仕組みや理論年収、返還金について解説」 https://www.manpowergroup.jp/client/manpowerclip/employ/introduction_fee.html
- 学情「人材紹介の手数料の相場は?手数料の種類や返金規定について解説」 https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/saiyo/00138/
- 厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/hellotraining_top.html
- 東京しごとセンター ミドルコーナー「無料で使える東京都の採用支援サービス」 https://tokyoshigoto-middle.jp/hr_lp/
- 厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/trial_koyou.html
- 厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1.html
