SES企業の採用が難しい理由|応募0→13件

「求人を出してもエンジニアからの応募が来ない」「エージェントに頼むと採用単価が高く、紹介される人も自社に合わない」「案件はあるのに、アサインできる人がいない」――SES企業の経営者・採用担当者から、こうした悩みをよく聞きます。SESは人が売上そのものであるため、採用の遅れがそのまま機会損失になります。それなのに、知名度で大手SIerや自社開発企業に負け、「客先常駐」という働き方への不安も重なって、採用はどんどん難しくなっています。

この記事では、SES企業の採用が難しい原因をデータで整理し、客先常駐の求人票の書き方、IT系職業訓練校から未経験エンジニアを採る方法、そして社員8名のSESが採用を立ち上げた実例を解説します。

この記事でわかること

  • SES企業の採用が難しい5つの原因と、情報サービス業の正社員不足66.7%などの最新データ
  • 客先常駐の求人票で応募を逃さない書き方と、2024年4月の労働条件明示改正への対応
  • 採用費0円で未経験エンジニアに会える、IT系職業訓練校の開拓手順
  • 社員8名のSESがエージェント以外の応募を0件→13件にした実例と、外注するかどうかの判断基準

SESの採用市場データ|情報サービス業の正社員不足は66.7%で全業種トップ

まずはSES企業が置かれている採用市場を、公的な調査で確認しておきましょう。帝国データバンクが2026年4月に行った調査では、正社員が不足していると答えた企業は全体で50.6%でした。そのなかで最も不足感が強かったのが「情報サービス」で、66.7%の企業が正社員不足と回答しています[3]。SESを含むIT業界は、51業種のなかで最も人が足りない業界です。

指標数字出典
正社員が不足している企業(全業種)50.6%(2026年4月)帝国データバンク
正社員が不足している企業(情報サービス)66.7%(2026年4月・51業種で最多)帝国データバンク
DX推進人材が「やや不足」「大幅に不足」の企業85.1%(日本・2024年度調査)IPA「DX動向2025」
2030年のIT人材の不足数(試算)約79万人経済産業省(2016年の推計)

不足しているのはIT企業だけではありません。情報処理推進機構(IPA)の調査では、DXを進める人材の量が「やや不足」「大幅に不足」と答えた日本企業は85.1%にのぼります[2]。つまり、ユーザー企業もエンジニアを自社で採ろうとしており、SES企業は同業だけでなく、事業会社とも同じ人材を取り合っている状態です。経済産業省も、2030年にはIT人材が最大で約79万人不足するという試算を示しています[1]。

この状況で特に苦しいのが、社員数が数名〜数十名の小規模なSES企業です。大手は採用ブランドと予算で母集団を集め、エージェントも年収の高い経験者を大手に優先して紹介しがちです。小規模な会社は、同じやり方で競っても勝ち目が薄いため、どこで、誰に会うかを大手とずらす発想が必要になります。この記事で訓練校ルートを重視しているのは、そのためです。

【ポイント】 市場全体で人が足りない以上、「求人を出して待つ」だけでは採用は進みません。SES企業は、経験者の奪い合いから一歩引いて、未経験者を育てる前提の採用ルートを持てるかどうかで差がつきます。

SES企業の採用が難しい5つの原因|知名度・働き方・単価の壁

市場の人手不足に加えて、SES企業には特有の難しさがあります。よくある原因を、症状と打ち手で整理すると次のとおりです。

原因採用の現場で起きていること打ち手の方向
① 知名度で負ける大手SIer・自社開発企業・事業会社と同じ求人媒体に並び、社名で選ばれない媒体に頼らず、直接会える場をつくる
② 客先常駐への不安「どこで働くか分からない」「スキルが身につかない」と思われ、応募をためらわれる案件の例・配属の決め方・育成を具体的に書く
③ 経験者は高い即戦力はエージェント経由になり、採用単価が上がる未経験・第二新卒を育てるルートを持つ
④ 案件と採用のタイミングがずれる案件が決まってから募集すると間に合わず、先に採ると待機が心配研修期間を前提に、採用を前倒しで回す
⑤ 採用担当がいない社長や営業が兼務し、応募への返信や面接調整が遅れる実務を外注し、社内は面接と判断に集中

※一般的な傾向です(当社調べ)。企業の規模や得意分野によって当てはまる原因は異なります。

特に小規模なSES企業で効いてくるのが、①知名度と⑤採用担当の不在の組み合わせです。求人媒体に掲載しても、大手の求人のなかに埋もれて閲覧されず、たまに来た応募も返信が遅れて他社に決まってしまう。こうした状態では、媒体のプランを上げても成果は伸びにくく、費用だけが増えていきます。

②客先常駐への不安も見逃せません。求職者は、働く場所や仕事内容が入社後に決まることに不安を感じます。この不安を放置したまま「未経験歓迎」「研修充実」とだけ書いても、具体性がないため信用されません。次の章で、求人票での伝え方を詳しく見ていきます。

④案件と採用のタイミングのずれは、SES企業ならではの悩みです。案件が決まってから募集を始めると、採用・入社までに数か月かかり、案件の開始に間に合いません。かといって、案件がないうちに採用すると、待機中の給与が負担になります。未経験者を採る場合は、入社後の研修期間をあらかじめ見込んで、案件の見込みより数か月早く採用を動かす計画が現実的です。研修期間があること自体が、未経験者にとっては安心材料にもなります。

③経験者の採用単価については、人材紹介の手数料が年収に比例するため、エンジニアのように年収が上がりやすい職種ほど負担が重くなります。エンジニア採用全体の外注の範囲や料金体系は「エンジニア採用代行の費用は月10〜70万円|業務範囲と選び方」で整理しているので、この記事ではSES企業ならではの論点に絞ります。

SES会社の採用のコツ|客先常駐の求人票と2024年4月改正への対応

SES会社の採用で、最初に見直したいのが求人票です。求職者が知りたいのは「どこで、何を、誰と、どう成長しながら働くのか」ですが、SESの求人票はここがあいまいになりがちです。

特に注意が必要なのが、2024年4月の労働条件明示ルールの改正です。この改正で、求人の募集時にも「就業場所の変更の範囲」「従事すべき業務の変更の範囲」などを明示することが求められるようになりました[4]。客先に常駐するSESでは、勤務地が案件によって変わることが前提のため、変更の範囲を正確に書いておかないと、入社後のトラブルや早期離職の原因になります。

項目伝わりにくい書き方伝わる書き方の例
就業場所「客先(首都圏)」のみ「入社時:本社での研修。研修後:都内・神奈川の客先。変更の範囲:会社の定める場所(在宅を含む)」のように、入社時と変更の範囲を分ける
仕事内容「インフラエンジニア業務」「最初の3か月はサーバーの監視・運用。半年後をめどに構築の補助へ」と段階で書く
配属の決め方記載なし「本人の希望とスキルを面談で確認し、案件を提案」など決め方を書く
育成「研修充実」研修の期間・内容、資格取得の支援、先輩との定期面談の有無を書く
待機中の扱い記載なし案件の合間の過ごし方(社内研修・学習時間など)と給与の扱いを書く

※記載例は一般的なイメージです(当社調べ)。実際の条件は自社の就業規則・契約内容に合わせてください。

求人票では、キャリアの道筋も書いておきたい項目です。「運用・監視から構築へ」「テスターから開発へ」のように、何年目にどんな仕事を任せる想定なのか、そのときに給与がどう変わるのかを示すと、「SESではスキルが身につかない」という不安に答えられます。評価の仕組み(案件での評価をどう給与に反映するか)や、資格取得の支援制度を具体的に書いている会社は、まだ多くありません。小規模なSES企業ほど、ここで差をつけやすいといえます。

もう1つ気をつけたいのが、契約形態と働き方の説明です。SESは準委任契約で客先に常駐することが多いですが、契約の名称にかかわらず、実態として客先が直接指揮命令していれば労働者派遣とみなされる場合があります。厚生労働省も、派遣と請負の区分は契約の形式ではなく実態で判断されると示しています[5]。説明会や面接で「現場の指示で何でもやってもらう」といった言い方をすると、求職者に不安を与えるだけでなく、自社の契約の実態とも食い違います。誰から仕事の指示を受けるのか、困ったときに誰に相談するのかを、自社の体制に沿って正確に伝えましょう。

【回避策】 求人票・説明会資料・面接での説明を、同じ言葉でそろえます。「求人票では在宅可と書いてあったのに、面接では常駐と言われた」というずれは、選考辞退や早期離職のきっかけになります。

求人票全体の構成要素は「応募が増える求人票の作り方|7つの構成要素とテンプレート」で解説しています。

SESエンジニアを未経験から採用する方法|IT系職業訓練校という無料ルート

経験者の奪い合いを避けて、SES企業が使いやすいのがIT系の職業訓練校です。公的職業訓練には、Javaによるアプリ開発、Webアプリ開発、Pythonによるプログラミング、ネットワークエンジニアの育成といったIT分野のコースがあり、異業種からの転職を考える未経験者も受講しています。受講料は無料(テキスト代を除く)で、基本情報技術者試験などの資格取得をめざすコースもあります[6]。

公的職業訓練のうち、求職者支援訓練だけでも令和7年度の受講者は37,952人(暫定値)でした[7]。こうした受講者は、ITの基礎を学んだうえで就職先を探しているため、SES企業が「研修で育てる」前提で採用するには相性のよい層です。しかも、訓練校への求人申し込みや説明会への参加は、民間の求人媒体のような掲載料がかからない枠が多くあります。

訓練校からの採用は、次の手順で進めます。

  1. 【コースを探す】 都道府県の職業能力開発校、ポリテクセンター、求職者支援訓練の実施校のなかから、ネットワーク・サーバー・プログラミングなど自社の案件に近いコースを一覧にします。
  2. 【修了時期を確認する】 コースごとに修了時期が決まっているため、修了前の就職活動の時期に合わせて求人と説明会の日程を逆算します。
  3. 【就職支援担当に連絡する】 求人票の出し方、企業説明会の受け入れの可否、時間と人数を電話で確認します。
  4. 【訪問して関係をつくる】 訓練の様子を見せてもらい、受講者がどこまで学んでいるかを把握します。研修内容を設計するときの参考にもなります。
  5. 【説明会で研修の中身を見せる】 受講者が知りたいのは「訓練で学んだことが、入社後にどうつながるか」です。最初の3か月の研修と、最初に担当する案件の例を具体的に話します。
  6. 【結果を報告し、次の期につなげる】 応募や採用の結果を担当者に共有し、次の期の説明会にも呼んでもらえる関係を続けます。

訓練校の受講者を採用する場合、入社後の研修計画が選ばれる決め手になります。たとえば「最初の1か月は社内でLinuxとネットワークの基礎を復習し、2か月目からは先輩と同じ現場で監視・運用を担当する」のように、訓練で学んだ内容とのつながりを見せると、受講者は入社後の自分を想像しやすくなります。研修を外部の講座に頼る場合も、誰が相談相手になるのかを決めておくと安心感が違います。少人数の会社でも、先輩社員と月1回の面談を設けるだけで、立派な育成の仕組みとして伝えられます。

弊社の支援では、電話・訪問・公共事業への参加を組み合わせて提携する職業訓練校を2校から42校に開拓し、無料で25件の応募につなげています。

※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

【注意点】 訓練校の受講者は、ITの基礎を学んだ段階の人が中心です。「実務経験3年以上」のような経験者向けの条件のまま求人を出すと応募は来ません。入社後の研修と最初の案件をセットで設計してから声をかけましょう。

SES企業の採用方法|採用代行に任せられる業務と社内に残す業務

SES企業の多くは、社長や営業担当が採用を兼務しています。案件の営業と採用を同じ人が回していると、どうしても採用が後回しになり、応募者への返信が遅れます。そこで、採用の業務を「社外に出せるもの」と「社内に残すもの」に分けて考えると、限られた人手でも採用を回せるようになります。

段階主な業務外注しやすいか社内に残す判断
採用設計現状分析・ペルソナ設計・求人票作成○
(叩き台は外注)
どんな人を採り、どう育てるか
採用設計媒体選定・訓練校の開拓○予算の上限
採用実行スカウト送信・応募者対応○—
採用実行企業説明会・採用イベントの代行○誰が自社の仕事を話すか
採用実行面接の日程調整○—
採用実行面接(技術面の確認を含む)△合否の判断
内定・入社後内定者フォロー・入社後の面談○配属する案件
内定・入社後数値分析と改善提案○次の打ち手の決定

※一般的な例です(当社調べ)。代行会社によって対応範囲は異なります。

SES企業で特に外注の効果が出やすいのは、応募者対応と日程調整です。エンジニアは複数の企業に同時に応募していることが多く、返信が1日遅れるだけで他社に決まってしまいます。社長や営業が客先との打ち合わせ中でも、応募への一次返信と面接の日程調整が止まらない体制をつくるだけで、取りこぼしが減ります。

面接の前にカジュアル面談をはさむのも、SES企業では効果的です。客先常駐の働き方に不安を持つ求職者は、いきなり選考に進むよりも、まず現場のエンジニアと話して実態を知りたいと考えます。面談の日程調整や当日の進行は外部に任せ、社員は話すことに集中する、という分担にすると、少人数の会社でも面談の数を増やせます。

経験者を採りたい場合は、スカウト型の媒体で自社から声をかける方法も欠かせません。ただし、エンジニアには多くの企業からスカウトが届くため、定型文では開封もされません。弊社の支援では、ターゲット設計と文面の改善によって、スカウトの開封率を3.6%から40.7%(約11倍)に高めています。案件の具体例や、入社後に任せたい技術領域を文面に入れるだけでも、反応は変わります。

※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

一方で、どんな人を採るか、どの案件に配属するかは、自社の案件と育成方針を知っている人にしか決められません。外注するのはあくまで実務で、判断は自社に残すことが、SES企業が採用代行を使うときの基本です。

SES企業の採用費用の相場|人材紹介・求人広告・採用代行・訓練校を比較

SES企業の採用費用は、どのルートで採るかによって大きく変わります。主なルートを並べると、次のようになります。

採用ルート費用の出方費用の目安SES企業から見た特徴
人材紹介成功報酬年収の35%〜100%経験者に会えるが、単価が高く母集団の質が合わないことも
求人広告掲載課金媒体・プランにより
異なる
採れなくても費用が発生し、大手に埋もれやすい
採用代行(おまかせ採用)月額固定・採用時の手数料なし月額30万円/50万円/
80万円
設計から実行・内定後まで任せられ、ノウハウが残る
職業訓練校・自治体無料の枠が多い0円(社内の工数のみ)未経験者に直接会えるが、開拓と関係づくりに時間がかかる

※一般的な例です(当社調べ)。実際の条件は各社・各契約によって異なります。おまかせ採用は※2026年8月時点の料金です。

費用を比べるときは、1名あたりの単価だけでなく、何人採りたいかで総額を試算するのがポイントです。

  1. 人材紹介で採る場合(試算):年収400万円のエンジニアを手数料率35%で採用すると、1名140万円。2名で280万円になります。
  2. 採用代行で採る場合(試算):月額30万円×6か月=180万円。採用人数が増えても採用時の手数料はかかりません。
  3. 分岐点の目安(試算):上の条件では、6か月で2名採用できれば採用代行のほうが総額は下がります。訓練校など採用費0円のルートを組み合わせれば、1名あたりの費用はさらに下がります。

※試算は仮定の条件による例です。年収・手数料率・採用人数によって結果は変わります。

見落としやすいのが、採用後の定着まで含めた費用です。せっかく採用しても、客先常駐の環境になじめずに数か月で辞めてしまえば、採用費も研修にかけた時間も回収できません。入社前に仕事の実態を正しく伝えること、入社後に本社側の担当者が定期的に面談することは、採用費を無駄にしないための投資と考えましょう。弊社では、内定後・入社後に国家資格キャリアコンサルタントが面談するなど、定着までフォローしています。

SES企業にとって大切なのは、採用費を下げることそのものより、採用費を下げながら人数を確保できるルートを持つことです。人が増えれば、受けられる案件が増え、売上が伸びます。採用費0円のルートを1本持っているかどうかが、中長期の差になります。

事例|社員8名のSESがエージェント以外の応募を0件→13件に

ここからは、弊社が支援したインフラ系SES会社の事例を紹介します。従業員は8名で、30代のエンジニアを募集する、創業以来初めての採用でした。

この会社の悩みは、職業訓練校を開拓したいが時間がない、採用費をかけられない、そしてエージェントからの紹介しかなく、母集団の質と採用単価が高いことでした。企業説明会は埼玉県主催の説明会に年1回参加していましたが、大手企業の出展が多く、自社の着席は1名にとどまっていました。

項目BeforeAfter(支援開始から4か月)
提携した職業訓練校3校19校
エージェント以外からの応募0件13件
企業説明会の回数1年に1回4か月で7回
説明会で直接アプローチした人数県主催の説明会で着席1名80名程度
説明会枠の費用合同説明会への参加訓練校・公共事業の枠を採用費0円で獲得

※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

弊社が行った打ち手は、次の3つです。

  1. 【訓練校と公共事業をリサーチする】 インフラ・ネットワーク系のコースを持つ職業訓練校や公共事業を洗い出し、電話と訪問でアプローチして、説明会の枠を採用費0円で獲得しました。
  2. 【資料と話し方を整える】 訓練生に向けて、未経験からどのように仕事を覚え、どんな案件に入っていくのかが伝わるよう、説明会の資料と話し方を担当者に助言しました。社内で説明会を回せる状態をめざす、内製化を前提とした進め方です。
  3. 【代行で回数を担保する】 担当者だけでは手が回らない回は弊社が説明会を代行し、4か月で7回の開催を実現しました。

その結果、エージェントに頼るしかなかった状態から、エージェント以外のルートで13件の応募が集まるようになりました。創業以来初めての採用でも、会う場所を変え、伝え方を整え、回数を担保するという順番で進めれば、採用の土台をつくれることを示した事例です。

この会社では、エージェント経由の採用をすぐにやめたわけではありません。経験者が必要なポジションはエージェントも使いながら、未経験から育てるポジションを訓練校ルートに切り替えていきました。採用ルートを1本に絞るのではなく、ポジションごとに最適なルートを組み合わせることで、採用単価を抑えながら母集団を広げられます。19校との関係は、次の期以降も説明会の枠につながる、会社の資産になっています。

【この事例から転用できること】 開発系のSESでも、プログラミング・Webアプリ開発のコースを持つ訓練校を探せば、同じ手順を使えます。大切なのは、案件の種類に合った訓練コースを選ぶことと、入社後の研修と最初の案件を説明会で具体的に見せることです。

小規模IT企業の採用は自社で回すか外注するか|判断基準

最後に、小規模なSES・IT企業が採用を自社で回すか、外注するかの判断基準を整理します。次の表で、当てはまる項目が多いほうを選ぶのが目安です。

確認項目自社で回せる状態外注を検討したい状態
採用に割ける時間担当者が週に10時間以上確保できる社長や営業の兼務で、返信が翌日以降になる
採用ルート自社に合う応募が来るルートを持っているエージェント経由しか応募がない
求人票・説明資料客先常駐や育成を具体的に書けている「研修充実」など抽象的な表現が多い
訓練校・自治体との関係継続して声がかかる訓練校がある訓練校に連絡したことがない
数字の振り返り応募数・面接数・内定数を記録しているどのルートから何人採れたか分からない

※判断の目安です(当社調べ)。採用人数や職種によって変わります。

外注を選ぶ場合も、すべてを任せきりにする必要はありません。たとえば最初の6か月で、訓練校の開拓、求人票と説明資料の整備、応募者対応の型づくりを外部と一緒に進め、その後は社内で回せるようにする、という使い方もできます。弊社が契約期間として6か月を推奨しているのは、採用のノウハウとデータを会社の財産として残し、内製化まで伴走するためです。

自社で回す場合でも、外注する場合でも、最初にやっておきたいのが採用の数字の記録です。どのルートから何件の応募があり、何人と面接し、何人が入社したのかを月ごとに記録しておくと、次にどのルートに力を入れるべきかが見えてきます。小規模な会社ほど「なんとなく」で媒体を選びがちですが、数字があれば、効果の薄い媒体をやめて訓練校の開拓に時間を回す、といった判断ができるようになります。

採用代行を比べるときは、少人数の会社に対応しているか、1名の採用から依頼できるかを確認しましょう。中小企業向けのサービスを費用と範囲で比べたい場合は「中小企業向け採用代行おすすめ5選|300名以下の費用比較表」が参考になります。

【判断の要点】 「時間がない」が原因なら実務の外注、「ルートがない」が原因なら訓練校など無料チャネルの開拓支援、両方なら設計から実行まで伴走する採用代行が向いています。

よくある質問

Q. SES企業の採用が難しいのはなぜですか?

IT業界全体で人が足りないことに加えて、SES企業には、大手SIerや自社開発企業に比べて知名度で負けやすいこと、客先常駐という働き方に不安を持たれやすいこと、経験者の採用はエージェント経由になり単価が高くなりやすいことなど、特有の難しさがあります。帝国データバンクの2026年4月の調査では、情報サービス業の正社員不足は66.7%で、51業種のなかで最も高い水準でした。

Q. 未経験のエンジニアはどこで採用できますか?

IT系の職業訓練校が有力な選択肢です。公的職業訓練には、Java・Python・Webアプリ開発・ネットワークなどのコースがあり、ITの基礎を学んだ受講者が就職先を探しています。訓練校への求人申し込みや企業説明会は、掲載料のかからない枠が多いため、採用費を抑えたいSES企業に向いています。

Q. 客先常駐の求人票では何に気をつければよいですか?

2024年4月の改正で、求人の募集時にも就業場所や業務の変更の範囲を明示することが求められています。入社時の就業場所と変更の範囲を分けて書き、配属の決め方、研修の内容、案件の合間の過ごし方まで具体的に書くと、求職者の不安が減り、入社後のミスマッチも防げます。

Q. SES企業の採用費用はどれくらいかかりますか?

人材紹介は成功報酬で年収の35%〜100%が一般的で、年収400万円・手数料率35%なら1名140万円が目安です(試算)。採用代行は月額固定のサービスがあり、おまかせ採用はライト30万円、スタンダード50万円、プレミアム80万円で、採用時の手数料はかかりません(2026年8月時点の料金)。職業訓練校などの無料ルートを組み合わせると、1名あたりの費用を下げられます。

Q. 社員数が少ないSES企業でも採用代行を使えますか?

使えます。おまかせ採用は1名の採用から、新卒・中途を問わず依頼でき、初回打ち合わせから最短5営業日で開始できます。弊社支援先には、従業員8名のSES会社で、創業以来初めての採用をエージェント以外のルートで進めた事例もあります。

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SES企業の採用のお悩み、おまかせ採用にご相談ください

SES企業の採用は、会う場所を変え、客先常駐の伝え方を整え、応募への対応を止めない体制をつくることで、エージェントに頼らないルートを育てられます。弊社では、入社の4割超が無料媒体・自治体支援・リファラルなど採用費0円のチャネルからの入社です(2026年8月時点)。訓練校の開拓から求人票の改善、説明会の代行、面接の日程調整まで、1名の採用から月額固定でご支援可能です。

※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

参考資料

  1. 経済産業省「IT人材の需給に関する資料」(IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果)
  2. 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2025」
  3. 帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)」(PR TIMES)
  4. 厚生労働省(大阪労働局ハローワーク)労働条件明示ルールの改正(2024年4月)
  5. 厚生労働省「労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド」
  6. 北海道労働局「IT分野の職業訓練(求職者支援訓練)」
  7. 厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(詳細版)」
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