「求人を出しても応募が来ない」「やっと採用してもすぐ辞めてしまう」——飲食業の経営者・店長なら、一度は感じたことがある悩みではないでしょうか。
飲食業界の人手不足は「なんとなく大変」ではなく、データで見ても明らかに深刻です。有効求人倍率は全産業平均の約2倍、離職率は全産業の約1.7倍。この記事では、厚生労働省などの公的データをもとに飲食業の採用が困難な原因を分析し、今すぐ取り組める5つの改善策を紹介します。
データで見る飲食業の採用の厳しさ
まず、飲食業界の採用がどれだけ厳しいのか、最新の公的データで確認しましょう。
有効求人倍率:全産業平均の約2倍
| 職種 | 有効求人倍率(2025年) | 全産業平均との比較 |
|---|---|---|
| 全産業平均 | 1.18倍 | — |
| 飲食物調理従事者 | 2.37倍 | 約2.0倍 |
| 接客・給仕職業従事者 | 2.42倍 | 約2.1倍 |
| 接客・給仕(パート) | 3.59〜4.01倍 | 約3.0〜3.4倍 |
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年)
有効求人倍率2.37倍とは、「求職者1人に対して2.37件の求人がある」という意味です。つまり、求人を出しても半分以上の飲食店は人が採れない計算になります。パート・アルバイトの接客職に至っては4倍近く、応募が来ないのは当然の環境と言えます。
離職率:3年以内に新卒の半数以上が辞める
| 指標 | 飲食サービス業 | 全産業平均 |
|---|---|---|
| 年間離職率 | 26.6% | 15.4% |
| 新卒3年以内離職率(大卒) | 55.4% | — |
| 新卒3年以内離職率(高卒) | 64.7% | — |
| パートタイム労働者の離職率 | 31.9% | — |
出典:厚生労働省「令和5年雇用動向調査」
大卒で入社した新卒の55.4%が3年以内に辞め、高卒ではさらに高い64.7%。パートタイム労働者も31.9%の離職率です。「やっと採用できたのに、またゼロからやり直し」という採用の無限ループに陥りやすい業界構造であることが、データからも裏付けられています。
飲食業の採用が困難な5つの原因
データの背景にある、飲食業特有の採用困難要因を整理します。
原因①:「きつい・長時間」のイメージが根強い
飲食業は「立ち仕事」「土日祝出勤」「長時間労働」というイメージが求職者に定着しています。実際に改善している企業でも、求人票でそれが伝わっていなければ、応募の入り口で候補者に避けられてしまいます。
原因②:求人票が「自社目線」で書かれている
「アットホームな職場です」「やりがいがあります」——飲食業の求人にありがちなフレーズですが、これらは求職者が知りたい情報ではありません。具体的な労働時間、休日数、昇給制度、まかないの有無、先輩スタッフの声といった、求職者の不安を解消する情報が抜けている求人票が非常に多いのが現状です。
原因③:採用専任の担当者がいない
飲食業では、店長やオーナーが採用業務を兼任しているケースがほとんどです。営業時間中は接客や調理に追われ、応募者への返信が遅れる。面接の日程調整ができない。求人票を改善する時間がない。「採用に使える時間がない」こと自体が、最大の採用障壁になっています。
原因④:応募者対応の遅れでドタキャン・辞退が増える
飲食業のように有効求人倍率が高い業界では、求職者は複数の応募を同時に進めています。応募から24時間以内に連絡がないと、他社に流れてしまうケースが大半です。「応募が来たのに面接に来なかった」という経験は、実は応募者対応の遅さが原因であることが多いのです。
原因⑤:採用チャネルが求人媒体に偏っている
「とりあえず求人サイトに掲載する」だけの採用活動では、有効求人倍率2倍超の飲食業界では応募を集めるのが難しくなっています。ハローワーク、職業訓練校、SNS、Googleビジネスプロフィール、リファラル(知人紹介)など、無料で使えるチャネルを複数活用することで、応募の母数を増やす必要があります。
今すぐできる5つの採用改善策
改善策①:求人票を「求職者目線」でリライトする
求人票は「会社が伝えたいこと」ではなく、「求職者が知りたいこと」を優先して書きましょう。具体的には、月の平均残業時間、年間休日数、シフトの具体例(例:「週休2日制、月8日休み。希望休は月3日まで提出可」)、昇給・賞与の実績、まかないの有無と内容、先輩スタッフの1日の流れなど。数字と具体例を入れるだけで応募率は変わります。
改善策②:応募から24時間以内に返信する仕組みをつくる
応募者への初回連絡は24時間以内が鉄則です。営業時間中に対応できない場合は、応募時の自動返信メールを設定しておくだけでも効果があります。「ご応募ありがとうございます。◯営業日以内にご連絡いたします」の一文があるだけで、求職者の安心感が違います。
改善策③:無料チャネルを複数活用する
求人媒体だけに頼らず、無料で使えるチャネルを積極的に開拓しましょう。
- ハローワーク:無料で求人掲載。地域密着の求職者にリーチできる
- 職業訓練校:調理師・製菓衛生師などの訓練校に直接営業。採用費ゼロで即戦力候補にアプローチ可能
- Googleビジネスプロフィール:店舗ページの投稿機能で採用情報を発信。「近くの飲食店 バイト」で検索する層に届く
- Instagram / TikTok:調理風景やスタッフの雰囲気を発信。「ここで働いてみたい」と思わせる採用ブランディング
- リファラル(紹介):既存スタッフの知人紹介。紹介手当(例:5,000〜10,000円)を設定するだけで応募が増えることも
改善策④:「1日体験」で入社前のミスマッチを防ぐ
飲食業の高い離職率の背景には「入ってみたら想像と違った」というミスマッチがあります。面接の前後に「1日職場体験」を取り入れることで、求職者に実際の雰囲気を体感してもらい、入社後のギャップを防ぐ効果があります。
実際に、職場体験を取り入れた企業ではミスマッチによる早期離職がゼロになった事例もあります。
改善策⑤:採用業務を外注して「対応スピード」を上げる
採用専任がいない飲食店にとって、応募者対応の遅れは致命的です。採用代行(RPO)を使えば、応募者への初回連絡・日程調整・スカウト送信・求人票の改善まで一括で任せられます。
おまかせ採用の導入事例では、採用担当者ゼロの企業でも以下のような成果が出ています。
- 職業訓練校の開拓:3校 → 19校(4ヶ月間)
- エージェント以外からの応募:0件 → 13件
- スカウトメール開封率:3.6% → 40.7%
- 採用説明会への参加者:49名(業界平均28.2名の1.7倍)
費用は月額30万円〜と、エージェントの成功報酬(1名150〜200万円)と比べて複数名採用の場合はコストを大幅に抑えられます。
よくある質問(FAQ)
飲食業の有効求人倍率はどのくらいですか?
2025年の統計によると、飲食物調理従事者で2.37倍、接客・給仕職業従事者で2.42倍です。アルバイト・パートに限ると接客系で3.59〜4.01倍に達しており、求職者1人に対して求人が3〜4件ある超売り手市場です。
飲食業の離職率はどのくらいですか?
厚生労働省「令和5年雇用動向調査」によると、宿泊業・飲食サービス業の年間離職率は26.6%で全産業平均(15.4%)の約1.7倍です。新卒3年以内の離職率は大卒で55.4%、高卒で64.7%に達しています。
飲食店の採用にお金をかけずに応募を増やす方法はありますか?
ハローワークの活用、職業訓練校への営業開拓、Googleビジネスプロフィールでの採用情報発信、SNS(Instagram・TikTok)での店舗の雰囲気発信など、無料で取り組める施策があります。実際に採用代行を活用した企業では、職業訓練校の開拓により採用費ゼロで母集団形成に成功した事例もあります。
飲食業でも採用代行は使えますか?
はい。求人票の作成、スカウト送信、応募者対応、面接日程調整、説明会代行など、飲食業の採用でも幅広く活用できます。特にシフト制で面接調整が難しい、採用担当者がいないといった飲食業特有の課題をカバーできるメリットがあります。
「採用担当がいなくて手が回らない」
「エージェントのコストが高すぎる」
「スカウトを送っても応募が来ない」
——こうしたお悩みに、我々が伴走支援いたします。
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