学生の65%はエントリー前に給与を確認しています。情報を隠すと離脱につながる可能性があります
今日は、新卒採用の中でもかなり大事なテーマについてお話しします。
それが、給与情報の見せ方です。
採用担当の方とお話ししていると、
「うちは初任給が業界平均より少し低いので、あまり前面に出したくないです」
「給与よりも、仕事のやりがいや成長できる環境を伝えたいです」
こういった声をよく聞きます。
この感覚はとてもよく分かります。
実際、企業としては金額だけで比較されたくないですし、本当に伝えたい魅力は別にあるということも多いと思います。ただ、学生の実際の行動データを見ると、ここは少し注意が必要です。
マイナビが実施した2026年卒大学生の調査によると、エントリーする際に注目している項目の第1位は給与で65.7%でした。
仕事内容は63.3%、福利厚生は59.3%ですので、学生は仕事内容よりも先に給与を見ているということになります。
つまり、採用ページに給与情報が載っていない、あるいは書いてあっても分かりにくい企業は、学生がエントリーを検討する前の段階で離脱している可能性があるということです。
なぜ学生はここまで給与を重視しているのか
ここで大事なのは、学生が給与を重視している理由です。
単純に「お金が欲しいから」という話だけではありません。
学生にとって給与は、この会社が自分の働きをどれだけ評価してくれるのかを判断する材料でもありますし、入社後にどんな生活ができるのかをイメージするための情報でもあります。
実際に、エントリー前に学生が確認している情報の上位を見ると、次のようになっています。
1位が給与で65.7%
2位が仕事内容で63.3%
3位が福利厚生で59.3%
4位が事業内容で50.4%
5位が募集職種で48.8%
この順位を見ると、学生がかなり現実的に企業を見ていることが分かります。
「やりがいがあるか」だけではなくて、「働く条件がどうなっているか」をかなり丁寧に見ているんですね。
さらに、企業選びの最終的な決め手としても、
「希望する勤務地で働ける」が15.5%で最も高く、その次に「給与や賞与が高い」が12.0%で続いています。
つまり給与というのは、最初のエントリー判断だけではなくて、最終的にその会社を選ぶかどうかにも影響しているということです。
情報が分からない企業は、それだけで候補から外れやすくなっています
もう一つ重要なのは、学生が事前に働く環境を知りたいと強く思っていることです。
給与や賞与の内容、福利厚生の詳細、実際の働き方など、そういった情報をあらかじめ確認したいという学生はかなり多いです。
そのため、「調べてもよく分からない企業」は、それだけで候補から外されやすくなっています
今の新卒採用市場は、かなり競争が激しくなっています。
マイナビへの掲載社数は過去5年で約6,000社増えていて、さらに企業の89%が採用数を「増やす」または「前年並み」と回答しています。
つまり、多くの企業が採用を強化している中で、学生は複数の企業を比較しながら見ています。
その状況で、情報が少ない、分かりにくい、見つけにくいというだけで、かなり大きな機会損失になってしまうんですね。
平均エントリー社数も24.1社まで増えています。
これは、学生がより多くの企業を見ているということでもありますが、その一方で「条件が合わない」と思ったらすぐ離脱するスピードも上がっているということです。
企業側も、学生の重視ポイントに合わせて変わり始めています
こうした学生の動きを受けて、企業側も変わり始めています。
マイナビの調査では、初任給や基本給の引き上げを検討または予定している企業は65%に達しています。
さらに、「職種別採用コース」や「勤務地限定採用」を検討している企業も、それぞれ約50%あります。
ここから見えてくるのは、学生が重視しているポイントに合わせて、企業の採用設計そのものが変わってきているということです。
なので、これからは
「給与が低いから出せない」
ではなくて、
「今ある条件をどう分かりやすく伝えるか」
を考える時代になってきています。金額だけで勝負するのではなく、見せ方や伝え方で選ばれる企業になることが大事です。
今すぐ見直したい、情報開示の改善ポイント5つ
では、具体的に何を見直せばいいのか。
採用ページや就職ナビを改善するうえで、すぐにチェックできるポイントを5つお伝えします。
1. 初任給だけでなく、モデル年収も載せる
初任給だけを見ても、学生はその先のイメージが持ちにくいです。たとえば3年目、5年目でどれくらいの年収になるのか。
あるいは実際の社員の年収例があるのか。
こういった情報があると、働いた後の姿を想像しやすくなります。
2. 賞与は回数だけでなく、実績も伝える
「賞与年2回」と書いてあっても、それだけでは学生には伝わりにくいです。
たとえば「直近実績として平均何か月分支給」など、実績ベースで書けると比較しやすくなりますし、信頼感も出ます。
3. 福利厚生は制度の有無より、使われているかを伝える
福利厚生は、制度があるだけでは不十分です。
学生が見ているのは、それが実際に使われているかどうかです。
たとえば、有給取得率、育休取得者数、在宅勤務の実績など、数字で見せられるものがあるとかなり伝わりやすくなります。
制度があっても使えない職場だと思われてしまうと、逆にマイナスになってしまいます。
4. 給与テーブルや評価制度の概要を見せる
「頑張れば昇給します」だけでは、学生にはなかなか響きません。
どういう評価基準で昇給するのか、どんな行動や成果が評価されるのか、簡単でもいいので見せることが大事です。
そうすることで、透明性が出ますし、成長していくイメージも持ってもらいやすくなります。
5. 勤務地の選択肢を明確にする
学生が企業選びで最も重視しているのは、「希望する勤務地で働けるか」という点です。
ですので、転勤の有無、勤務地限定採用があるのか、配属の考え方はどうなっているのか、このあたりは曖昧にしない方がいいです。
勤務地がはっきり見えるだけでも、安心してエントリーしやすくなる学生はかなり多いと思います。
まとめ:隠すより、伝える企業の方が選ばれやすい時代です
ここまで見てきた通り、今の学生は、給与・福利厚生・勤務地といった処遇面の情報をかなり重視しています。
そして、それが分かりにくい企業は、候補に入る前に離脱されてしまう可能性があります。
採用競争が激しくなっている今の市場では、
何を持っているかだけでなく、どう伝えるかがとても大事です。
もちろん、すべての企業が高い給与を出せるわけではありません。ただ、金額の大小以上に、学生が見ているのは情報の透明性と具体性です。
「この会社はちゃんと情報を出してくれている」
「入社後のイメージが持てる」
そう思ってもらえるだけで、信頼感はかなり変わってきます。
ぜひ一度、自社の採用ページや就職ナビの掲載内容を学生目線で見直してみてください。
給与の項目を見たときに、学生が次のアクションに進みやすい状態になっているか。
ここを見直すだけでも、反応は変わってくると思います。
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そんな場合は、第三者の視点を入れて整理するのも一つの方法です。
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