「採用も労務も研修も全部一人でやっている」「毎日が目の前のタスクに追われて、改善に手が回らない」——中小企業で人事を一人で担当している方なら、この感覚に心当たりがあるのではないでしょうか。
「ひとり人事」は中小企業やスタートアップではよくある体制ですが、事業が成長するにつれて一人で対応できる範囲には必ず限界が来ます。
この記事では、ひとり人事が抱えやすい6つの悩みを整理し、業務負担を現実的に減らす5つの具体策を紹介します。
ひとり人事の業務範囲はどこまで広いか
まず、ひとり人事が担っている業務の全体像を見てみましょう。一般的に、以下の業務をすべて一人で回しているケースが多くあります。
| カテゴリ | 主な業務 | 繁忙期 |
|---|---|---|
| 採用 | 求人票作成、媒体管理、応募者対応、書類選考、面接調整、説明会、内定者フォロー | 通年(特に4〜6月・9〜11月) |
| 労務 | 勤怠管理、給与計算、社会保険手続き、年末調整、入退社手続き、36協定管理 | 毎月+年末年始・4月 |
| 研修・育成 | 新人研修、OJT設計、評価制度運用、面談実施、キャリア支援 | 4月・10月(期初) |
| 制度・企画 | 就業規則改定、福利厚生企画、エンゲージメント施策、社内イベント | 不定期 |
SHRM(Society for Human Resource Management:世界最大のHR団体)の基準によると、社員50名未満でも人事1名あたりの担当は20〜30名が目安。社員60名を超えたら2人目の人事を検討すべきとされています。
実態としては、社員30名の企業でも上記すべてを一人で抱えているケースが珍しくなく、常にキャパシティの限界と隣り合わせの状態です。
ひとり人事が限界を感じる6つの悩み
悩み①:採用と労務の繁忙期が重なる
4月は新入社員の入社手続き(社会保険・雇用保険の届出、給与設定、PCセットアップ)と新卒・中途の採用活動が同時に走ります。どちらも期限が厳密で後回しにできず、慢性的な残業やミスが発生しやすくなります。
悩み②:応募者への対応が遅れる
日中は労務処理や社員対応に追われ、応募者へのメール返信が2〜3日後になってしまう。有効求人倍率が高い職種では、この遅れが致命的です。応募者は他社に流れ、面接に来ないまま終わるケースが増えます。
悩み③:「改善」に手が回らない
「求人票を作り直したい」「評価制度を見直したい」「研修プログラムを整備したい」——やるべきことはわかっていても、日常業務をこなすだけで1日が終わります。改善策を考える時間そのものが確保できないのが、ひとり人事の最大のジレンマです。
悩み④:相談相手がいない
人事が一人しかいないと、労務のグレーゾーンや面接の判断基準について社内に相談できる相手がいません。「この判断で合っているのか」という不安を常に抱えながら業務を進めることになります。
悩み⑤:休めない・属人化する
人事業務のすべてが自分一人に集中しているため、体調を崩しても休みにくく、有給取得もままなりません。業務が完全に属人化しているため、引き継ぎもできず、辞めることすら難しくなるケースもあります。
悩み⑥:経営層に人事の大変さが伝わらない
「採用も労務もやってくれてるんでしょ?」と、経営層がひとり人事の業務量を正しく認識していないケースは多くあります。増員の必要性を訴えても「まだ一人で回せるでしょ」と言われてしまい、限界を超えるまで体制が変わらないという悪循環に陥ります。
ひとり人事の負担を減らす5つの具体策
具体策①:業務を可視化して「やらないこと」を決める
まず現状の業務を「採用」「労務」「研修・制度」の3カテゴリに分け、それぞれに月何時間かかっているかを書き出しましょう。可視化すると「実はここに一番時間を取られている」というボトルネックが見えてきます。
そのうえで、「今やらなくていいこと」「他の人に頼めること」「ツールで自動化できること」を仕分けします。すべてを完璧にやろうとする姿勢が、ひとり人事を追い詰める最大の原因です。
具体策②:労務はクラウドツールで効率化する
給与計算、勤怠管理、年末調整、社会保険手続きなどの労務業務は、クラウドツールの導入で大幅に時短できます。freee人事労務、SmartHR、マネーフォワードクラウドなど、中小企業向けの手頃なサービスが揃っています。労務を効率化した分の時間を、採用や制度改善に充てましょう。
具体策③:採用業務を採用代行(RPO)に外注する
ひとり人事にとって最も負荷が高く、かつ成果が出にくいのが採用業務です。求人票の作成、媒体管理、スカウト送信、応募者対応、面接調整、説明会……これらをすべて一人でやりながら、労務も研修もこなすのは現実的ではありません。
採用代行(RPO)を使えば、採用業務だけを切り出して外注できます。
| 採用業務 | ひとり人事(現状) | 採用代行を導入後 |
|---|---|---|
| 求人票の作成・改善 | 自分でやる | 代行が対応 |
| スカウトメール送信 | 時間がなくできない | 代行が月数千通送信 |
| 応募者への返信・日程調整 | 2〜3日遅れがち | 代行が即日対応 |
| 説明会の企画・運営 | 余裕がなく実施できない | 代行が企画〜当日運営まで対応 |
| 職業訓練校の開拓 | やり方がわからない | 代行がメール・電話・訪問で開拓 |
| 面接のリマインド連絡 | 忘れがち | 代行が前日に必ず連絡 |
| 内定者フォロー | 手が回らない | 代行がフォロー連絡・面談を実施 |
おまかせ採用では月額30万円〜で採用業務を一括代行。推奨契約期間は6ヶ月で、ノウハウの内製化も同時に進めます。実際の支援実績では、以下のような成果が出ています。
- 職業訓練校の開拓:3校 → 19校(4ヶ月)
- スカウトメール開封率:3.6% → 40.7%
- エージェント以外の応募:0件 → 13件
- 採用説明会の参加者:49名(業界平均の1.7倍)
具体策④:経営層にデータで現状を伝える
「忙しい」だけでは経営層には伝わりません。業務の可視化データを使って、「採用に月◯時間、労務に月◯時間かかっている。このままでは◯◯ができない」と数字で示しましょう。
あわせて、SHRMの基準(人事1名あたり社員20〜30名が目安、60名超で2人目推奨)を引用するのも効果的です。「国際基準と比べてもうちは人事のリソースが不足している」という客観的な根拠になります。
具体策⑤:外部の人事コミュニティに参加する
ひとり人事の「相談相手がいない」問題は、外部の人事コミュニティで解消できます。オンラインの人事交流会、HR系のセミナー、SNSの人事担当者コミュニティなどに参加することで、同じ悩みを持つ仲間とつながれます。他社の事例や最新の採用手法を知ることで、自社の改善にもつながります。
ひとり人事のまま頑張るか、外注するかの判断基準
「まだ自分でやれる」と感じていても、以下の兆候が出ていたら外注を検討するタイミングです。
- 応募者への返信が24時間以内にできていない
- 求人票を半年以上更新していない
- 面接のドタキャンや辞退が増えている
- 採用以外の業務(労務・研修)でミスが出始めている
- 休日や夜間に採用関連の作業をしている
- 「採用をもっとちゃんとやりたいのにできない」と感じている
これらに3つ以上当てはまるなら、一人で抱え続けるのは危険信号です。採用業務だけでも外に出すことで、ひとり人事の業務全体が回り始めます。
よくある質問(FAQ)
ひとり人事でも採用活動はうまくいきますか?
ひとり人事でも成果を出している企業はあります。ただし、すべてを一人で完璧にやろうとすると破綻します。採用・労務・研修のうち、最も工数がかかる採用業務を外部に任せるだけでも負担が大幅に減り、他の業務に集中できるようになります。
人事は何名くらい必要ですか?
SHRM(世界最大のHR団体)の基準では、社員50名未満なら人事1名で20〜30名を担当、社員60名を超えたら2人目の検討が推奨されています。ただし、採用活動が活発な時期や複数職種を同時に採用する場合は、社員数に関わらず1名では対応が難しくなります。
採用業務だけ外注することはできますか?
はい。採用代行(RPO)を使えば、求人票作成・スカウト送信・応募者対応・面接日程調整・説明会代行など、採用業務だけを切り出して外注できます。月額30万円〜から利用でき、労務や研修は自社で対応しつつ採用だけプロに任せる体制が作れます。
ひとり人事の限界を感じたらまず何をすべきですか?
まずは自分の業務を「採用」「労務」「研修・制度」の3カテゴリに分け、それぞれに月何時間かかっているかを可視化しましょう。最も時間がかかっている領域から外注・ツール導入を検討するのが効果的です。
「採用担当がいなくて手が回らない」
「エージェントのコストが高すぎる」
「スカウトを送っても応募が来ない」
——こうしたお悩みに、我々が伴走支援いたします。
採用に関するお悩み、まずはお気軽にご相談ください。
