採用プロセス設計の6ステップ|選考日数・評価基準・法令要件まで含めた設計テンプレート

採用がうまくいかないとき、多くの企業は「媒体を変える」「求人票を書き直す」といった単体の施策から手をつけます。ですが、応募から入社までの流れそのものが設計されていなければ、どの施策を打っても結果は安定しません。年間の採用費用は平均609.9万円という調査結果もあり、設計されていないプロセスに投じた費用は、なぜ効いたのか・効かなかったのかすら分からないまま消えていきます

この記事では、採用プロセスを「要件定義→チャネル→選考フロー→評価基準→法令要件→運用」の6ステップに分けて、そのまま使える設計テンプレートとして整理します。

この記事でわかること

  • 採用プロセス設計の6ステップと、それぞれで決めるべき項目の一覧
  • 選考フローの3つの型と、応募から内定まで何日で回すかの日数設計
  • 採用チャネルの利用率と採用到達率のデータにもとづく選び方
  • 職業安定法・労働条件明示・公正な採用選考をプロセスに埋め込む方法

なぜ採用プロセスの設計が必要なのか|2026年の市場前提

設計の話に入る前に、前提となる市場環境を数字で確認します。ここが分かっていないと、設計した日数やチャネルの妥当性を判断できません。

厚生労働省の「一般職業紹介状況」によれば、2026年5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.17倍、正社員に限った有効求人倍率は0.99倍、新規求人倍率は2.11倍でした[1]。一方、民間の転職サービスを対象としたパーソルキャリアの「doda転職求人倍率レポート」では、2026年6月の転職求人倍率は2.55倍。求人数は前年同月比16.6%増、転職希望者数は同6.7%増となっています[2]

指標数値採用プロセス設計への含意
有効求人倍率1.17倍(2026年5月)全体の需給。景況感の目安
正社員有効求人倍率0.99倍(2026年5月)正社員では需給がほぼ均衡
新規求人倍率2.11倍(2026年5月)新規の求人は求職者を大きく上回る
転職求人倍率2.55倍(2026年6月)候補者1人を2.5社以上が取り合う
求人数の前年同月比+16.6%競合の選考も同時に走っている
転職希望者数の前年同月比+6.7%候補者の増加は求人の増加に追いつかない

候補者1人を2.5社以上が取り合う市場では、選考が遅い会社は、どれだけ良い会社でも選ばれる前に決着がついてしまいます。プロセス設計とは、突き詰めれば「候補者を待たせない仕組みを、担当者の頑張りに頼らずつくること」です。

もう1つ、設計が必要な理由があります。中小企業の採用は、担当者1名と現場管理職数名で回していることがほとんどで、誰かが休むと止まる構造になっています。属人的な運用は、うまくいっているうちは問題に見えませんが、担当者の異動・退職・繁忙期が重なった瞬間に、応募者への連絡が1週間止まります。設計とは、この「止まる構造」を「止まらない構造」に置き換える作業でもあります。

【この章の結論】
採用プロセス設計の目的は3つあります。①候補者を待たせないこと、②面接官が誰でも同じ基準で判断できること、③どこで落ちているかを数字で特定できること。この3つが揃って初めて、施策の効果測定ができるようになります。

採用プロセス設計の全体像|6ステップと決めるべきこと

採用プロセスの設計は、次の6ステップで完結します。上から順に依存関係があるため、飛ばして進めると必ず後戻りが発生します。

ステップ決めること所要時間の目安主な決裁者
① 要件定義募集背景・必須要件3つ以内・提示条件2〜3時間現場責任者+経営
② チャネル設計どの媒体・手法に、いくら配分するか1〜2時間人事
③ 選考フロー設計選考段階の数・順序・各段階の日数1〜2時間人事+現場責任者
④ 評価基準設計評価項目・質問・点数の定義・記録方法2〜3時間現場責任者
⑤ 法令要件の組み込み明示事項・NG質問・個人情報の取扱い1〜2時間人事
⑥ 運用と改善KPI・月次レビュー・担当と代理体制継続人事

※当社推計/業界相場目安

合計10時間前後の設計作業で、1職種分のプロセスが完成します。この10時間を確保できないことが、多くの企業で採用が属人化している直接の原因です。逆に言えば、一度つくれば次の募集からは要件定義だけを差し替えて使い回せます。

この6ステップは、新卒採用にも中途採用にも共通して使えます。違うのは③選考フローの日数設計と②チャネルの中身だけで、要件定義・評価基準・法令要件・運用の考え方は同じです。まず中途採用の1職種で設計し、その型を新卒採用に転用するのが、負荷が少ない進め方です。

ステップ1・2|要件定義とチャネル設計

ステップ1:要件定義は「必須3つ以内」で書く

要件定義で決めるのは、募集背景(欠員補充か増員か)、必須要件、歓迎要件、提示条件(賃金・就業場所とその変更の範囲・休日)の4点です。ここで最も重要なのが必須要件を3つ以内に絞ることです。

マイナビの「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」では、正社員の質的不足(高スキル人材の不足)を挙げた企業が55.6%で前年比6.7ポイント増、募集要件を満たさない応募者について「採用しないことが多かった」企業が62.1%で前年比7.7ポイント増となりました。また同調査では、2025年の採用手法の利用率は転職サイト47.1%、求人検索エンジン44.2%、企業ホームページ43.6%、人材紹介会社41.4%、ダイレクトリクルーティング37.3%。実際に採用につながった比率(採用到達率)は人材紹介会社66.0%、転職サイト63.3%、ダイレクトリクルーティング62.7%でした。年間採用費用の平均は609.9万円で、前年から40.7万円減少しています[3]

要件が厳しくなる一方で、その要件が検証可能な形になっていないケースが多く見られます。「コミュニケーション能力が高い」は要件ではなく感想であり、選考のどの段階でも測れません。「初日から何ができれば成立するか」に言い換えられない項目は、必須要件から外してください。

要件定義でもう1つ決めておきたいのが、「この募集が失敗したと判断する条件」です。「3か月で応募が10件に届かなければチャネルを組み替える」「6か月で採用できなければ要件を見直す」といった撤退・見直しの基準を先に決めておくと、ずるずると同じ条件で募集を続ける事態を避けられます。募集開始時に決めておかないと、後から言い出しにくくなる種類の判断です。

ステップ2:チャネルは「利用率」ではなく「到達率」で選ぶ

上のデータで注目すべきは、利用率と採用到達率のギャップです。人材紹介会社は利用率41.4%と5番手ですが、採用到達率は66.0%で最も高くなっています。

チャネル利用率採用到達率向いているケース
転職サイト47.1%63.3%応募数を確保したい。汎用職種
求人検索エンジン44.2%データ非掲載低コストで露出を広げたい
企業ホームページ43.6%データ非掲載指名検索がある。採用広報と併用
人材紹介会社41.4%66.0%急ぎ・専門職。成功報酬型
ダイレクトリクルーティング37.3%62.7%転職潜在層に届けたい

チャネル設計で決めるのは「どれを使うか」ではなく「どこに何円を配分するか」です。年間採用費用の平均609.9万円という数字を分母に置き、職種ごとに何人採用したいかから逆算して配分を決めてください。1職種1媒体で走らせ、4週間で表示回数と応募数を見て組み替える運用が現実的です。

チャネルを絞るときの判断材料として、「そのチャネルの費用が、成果報酬か固定費か」も押さえてください。人材紹介会社は採用が決まるまで費用が発生しない一方、決まったときの単価は高くなります。転職サイトや求人検索エンジンは掲載時点で費用が確定するため、採用できなければ費用対効果はゼロです。採用の緊急度が高く、かつ確実性を優先したい職種は成果報酬型、複数名を継続的に採用したい職種は固定費型、という使い分けが基本になります。

要件定義シートの記入項目記入例
募集背景営業部の欠員補充(2026年10月退職に伴う)
採用人数・時期1名/2026年12月入社
必須要件(3つ以内)①普通自動車免許 ②法人営業1年以上 ③土日祝休みの勤務が可能
歓迎要件SFA利用経験、建設業界の知識、Excel関数
提示条件(賃金)月給28万〜35万円(基本給+固定残業代20時間分・超過分別途)
就業場所と変更の範囲本社/変更の範囲:本社および関東圏4拠点
業務内容と変更の範囲法人営業/変更の範囲:会社の定める業務
休日・時間外労働完全週休2日(土日)+祝日/年間休日122日/平均残業18時間
見直しの基準3か月で応募10件未満ならチャネル変更、6か月未採用なら要件見直し

※当社推計/業界相場目安

このシートが埋まっていれば、求人票の作成も、面接での質問設計も、内定時の条件提示も、すべてここから展開できます。逆にこのシートが埋まらない状態で募集を開始すると、後工程のすべてが担当者の解釈に委ねられます。

ステップ3|選考フローと日数の設計

選考フローの設計で決めるのは、段階の数・順序・各段階の日数の3点です。段階を増やすほど見極めの精度は上がりますが、そのぶん辞退が増えます。転職求人倍率2.55倍の市場では、このトレードオフをどこで折り合わせるかが勝負になります。

段階を設計するときに一緒に決めておくべきなのが、「各段階で誰が何を判断するか」です。書類選考を人事が行うのか現場が行うのか、一次面接の合否を面接官が単独で決めてよいのか——ここが曖昧だと、結果通知が「現場の返信待ち」で止まります。日数目標を守れない企業の大半は、日数ではなく判断権限の設計に原因があります。

選考フローの3つの型

  1. スピード型(応募→一次面接→最終面接):応募から内定まで10日以内。現場人材・急ぎの欠員補充向け。書類選考を省略し、応募者全員と会う設計にすると母集団が薄い職種でも回せます。
  2. 標準型(応募→書類選考→一次面接→二次面接→内定):応募から内定まで14〜21日。多くの中途採用がこの型。二次面接に配属予定部署の責任者を入れます。
  3. 精査型(応募→書類選考→適性検査→一次→二次→最終→リファレンス):応募から内定まで30日前後。管理職・専門職向け。日数がかかるぶん、各段階の連絡を早くする設計が必須です。
工程目標日数遅れたときに起きること
応募受付 → 一次連絡24時間以内(土日祝含む)他社が先に日程を押さえる
一次連絡 → 書類選考結果3営業日以内候補者の志望度が下がる
書類通過 → 一次面接実施7日以内他社の最終面接と重なる
一次面接 → 結果通知3営業日以内「落ちた」と解釈されて辞退
最終面接 → 内定通知3営業日以内他社の内定承諾期限が先に来る
内定通知 → 条件提示書面当日〜翌営業日条件の認識違いが発生

【設計のコツ】
日数を守るために最も効くのは、面接枠を毎週固定で確保しておくことです(例:毎週火・木の16〜19時)。空いている日を都度探す運用では、どれだけ意識しても3日から1週間の遅れが発生します。あわせて、担当者不在時の代理対応者を必ず1名決めてください。夏季休暇や出張で1週間止まると、その期間の応募者はほぼ全員失います。

日数設計で見落とされやすいのが、候補者に「次に何がいつ起きるか」を伝えているかです。面接の最後に「結果は3営業日以内にメールでご連絡します。通過の場合は次回の面接候補日も併せてお送りします」と伝えるだけで、待っている間の不安による辞退が減ります。連絡が同じ3日後でも、期日を伝えているかどうかで候補者の体感はまったく変わります。これは費用がかからず、その日から実行できる改善です。

ステップ4|評価基準と記録の設計

選考の各段階で「誰が何を見て、どう記録するか」を決めます。ここが空白のまま運用されている企業は少なくありません。

エン・ジャパンが人事・採用担当者向けに実施した「『面接官』に関する実態調査」(2025年7月15日〜8月6日、回答179社)によれば、面接官としてトレーニング・研修を「受けたことがない」人は64%、面接官として悩みを感じている人は81%で、「候補者の能力や適性を正確に見極めるのが難しい」が84%。面接評価シートを使用している企業は45%、「特に使用していない」が25%でした[4]

つまり、過半数の企業が記録を残さずに合否を判断しています。記録がなければ、面接官同士のすり合わせも、後から振り返って基準を調整することもできません。

選考段階見る項目判断者記録するもの
書類選考必須要件の充足のみ人事通過/不通過の理由を1行
一次面接職務遂行能力・行動特性現場リーダー評価3項目×4段階+根拠発言
二次面接チームとの適合・入社意欲部門責任者同上+懸念点と確認方法
最終面接処遇合意・入社時期経営合意した条件と回答期限

評価は3項目×4段階に統一し、「4=即戦力/3=3か月で立ち上がる/2=半年の育成が必要/1=要件を満たさない」のように点数の意味を文章で定義します。点数だけでなく、その点数の根拠になった候補者の発言を1〜2行残すのがポイントです。書類選考の外注を検討する場合も、この基準がなければ委託先の主観に置き換わるだけになります。

記録の残し方にも決めておくべきことがあります。評価シートは面接直後、候補者が退室したその場で書く——このルールを徹底するだけで、記録の質は大きく変わります。次の面接や通常業務に戻ってから書くと、印象論だけが残り、発言の再現ができなくなります。複数の面接官が同席した場合は、それぞれが独立に書き終えてから開示し、点数が割れた項目についてだけ発言記録を突き合わせてください。先に口頭ですり合わせると、声の大きい人の意見に引きずられます。

ステップ5|法令要件をプロセスに埋め込む

採用プロセスの設計で最も見落とされるのが、法令要件をどの工程に組み込むかです。「知っている人が気をつける」運用では、担当者が変わった瞬間に抜けます。

募集の工程では、職業安定法の求人等に関する情報の的確な表示が関わります。厚生労働省の資料によれば、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示が禁止されており、求人情報を正確・最新の内容に保つため定期的に確認するか、情報の時点を明示する措置が求められます。あわせて個人情報の取扱いについては、収集目的を「求職者等が一般的かつ合理的に想定できる程度に具体的に」明らかにする必要があり、「職業紹介のために使用します」とだけ表示するような抽象的な記載は不適切とされています[5]

条件明示の工程では、2024年4月から労働条件明示のルールが変わり、すべての労働者に対して契約締結・更新時に「就業場所・業務の変更の範囲」の明示が必要になりました。有期契約労働者には更新上限の明示、無期転換申込権が発生する更新時には申込機会と転換後の労働条件の明示も義務づけられています[6]

選考の工程では、公正な採用選考の考え方が関わります。厚生労働省は就職差別につながるおそれのある事項として、(a) 本人に責任のない事項(本籍・出生地、住宅状況、家族、生活環境・家庭環境)、(b) 本来自由であるべき事項(宗教、人生観・生活信条、思想、購読新聞・雑誌・愛読書、支持政党、尊敬する人物、労働組合や学生運動などの社会運動)、(c) 採用選考の方法(身元調査の実施、合理的・客観的な必要性が認められない健康診断の実施、本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用)を整理しています[7]

工程組み込む法令要件プロセスへの落とし込み
求人票作成的確表示義務/明示事項掲載前チェックリストを1枚つくり、人事と現場で確認
応募受付個人情報の収集目的の明示応募フォームに利用目的を具体的に記載
書類選考適性・能力に関係ない事項の排除応募書類の項目から不要な情報を削除
面接NG質問の回避面接前5分でNG一覧を読み合わせ
内定・条件提示労働条件明示(変更の範囲を含む)条件通知書のテンプレートを整備
不採用者対応個人情報の保管・廃棄保管期間と廃棄方法を社内規程に明記

【運用ルール】
上の表を1枚の紙にして、採用に関わる全員に配布してください。法令要件は「知識」ではなく「チェック工程」として組み込まなければ守られません。特に不採用者の応募書類の取扱いは規程がない企業が多く、実務上のリスクになりやすい部分です。

求人票そのものの書き方は魅力的な求人の作り方|応募が増える7つの構成要素と求人票テンプレートを、専任担当がいない体制での回し方は採用担当が不在でも採用できる!専任者ゼロの企業がやるべき5つのことを参照してください。

ステップ6|運用と改善|KPIと月次レビュー

設計したプロセスは、数字で見なければ改善できません。追うべき指標は多くありません。以下の6つで十分です。

KPI計算式目安
応募数期間内の応募完了件数職種・媒体ごとに分けて集計
書類通過率書類通過数 ÷ 応募数30〜50%※当社推計/業界相場目安
面接実施率面接実施数 ÷ 書類通過数70%以上を目標に
内定率内定数 ÷ 面接実施数10〜20%
内定承諾率承諾数 ÷ 内定数70%以上
応募〜内定の平均日数各候補者の日数の平均選考フローの型に応じた目標値

月次で30分のレビューを設定し、前月と比べて悪化した指標を1つだけ選んで改善策を決めるという運用にしてください。全部を同時に改善しようとすると、どの施策が効いたか分からなくなります。

改善の順序にも定石があります。内定承諾率が低いなら、条件提示と最終面接の内容から。内定率が低いなら、要件定義とチャネルから。書類通過率が極端に高い(70%超)なら、要件が緩すぎるか母集団の質に課題があります。指標の異常値は、必ず上流の設計に原因があります。

レビューの場に現場責任者を必ず1名入れることも設計の一部です。人事だけで数字を見ていると、「応募が少ない」という結論に落ち着きがちですが、現場が同席していれば「その要件は本当に必須か」「この条件で採れている同業はあるか」という議論に発展します。月30分のレビューを、人事の報告の場ではなく意思決定の場にする——これが運用フェーズで最も効く設計です。

もう1つ、記録として残しておくと後から効いてくるのが、辞退理由の集計です。辞退の連絡を受けたときに「差し支えなければ理由を教えてください」と一言添え、返ってきた内容を条件・スピード・仕事内容・社風の4分類で記録します。3か月分たまると、自社が負けている理由が明確になります。条件で負けているなら要件定義に、スピードで負けているなら選考フローに戻る、という判断ができるようになります。

自社で設計するか、外部の力を借りるか

6ステップのうち、①要件定義と④評価基準は自社の意思決定そのものなので、外部に委ねても機能しません。一方、②チャネル設計、③選考フローの運用、⑤法令チェック、⑥数値管理は外部化できます。

対応範囲自社対応の想定工数外部委託の費用目安備考
プロセス設計(1職種・6ステップ)10〜15時間10万〜30万円初回のみ。2職種目以降は流用可
求人票作成・媒体入稿6〜10時間/職種5万〜15万円/職種掲載料とは別
応募対応・日程調整15〜25時間/月5万〜15万円/月日数目標の達成に直結
書類選考の一次仕分け10〜20時間/月5万〜15万円/月評価基準の共有が前提
数値管理・月次レポート5〜10時間/月3万〜8万円/月KPIの定点観測
上記を含む月額型RPO50〜80時間/月15万〜60万円/月委託範囲により幅がある

※当社推計/業界相場目安

判断の目安はシンプルです。設計は一度きりの投資、運用は毎月かかるコストです。設計を外部の知見で一気に済ませ、運用のうち日程調整と応募対応だけを外に出す——この組み合わせが、中小企業ではもっとも費用対効果が高くなります。料金体系の内訳は採用代行の月額費用はいくら?料金相場・プラン比較・費用対効果で比較しています。

設計だけのスポット相談も承っています。

最後に、設計してからの立ち上がりについても触れておきます。新しいプロセスは、最初の1〜2名の採用では慣れの問題で日数目標を超えることがあります。ここで「やっぱり無理だった」と元に戻さないことが重要です。3名分の選考を回して初めて、設計が現場に定着します。そのため、設計を導入するタイミングは、緊急度の高い1名採用ではなく、複数名を継続的に採用する募集に合わせるのが安全です。

委託先を選ぶときは、「設計したドキュメントが自社に残るか」を必ず確認してください。委託先の社内ツールの中だけで管理され、契約が終わると何も残らない形式では、次回また同じ費用が必要になります。要件定義シート、評価シート、法令チェックリスト、KPIの集計表——この4点は、編集可能なファイルとして自社に納品してもらう契約にしておくべきです。

よくある質問

Q1. 採用プロセスの設計は、何から手をつければよいですか。

ステップ1の要件定義からです。ここが決まらないと、チャネルも選考フローも評価基準も決められません。現場責任者と1時間だけ時間をとり、「初日から何ができれば成立するか」を3つ挙げてもらってください。5つ以上出てきた場合は、必須と歓迎に振り分けて必須を3つ以内に絞ります。要件定義が終われば、残りの5ステップは合計7〜8時間程度で完成します。進め方としては、要件定義だけ現場責任者と対面で行い、残りは人事側で叩き台をつくって確認してもらう形が効率的です。全ステップに現場を巻き込もうとすると日程が合わず、着手が数か月遅れます。

Q2. 選考の段階は何回が適切ですか。

職種と緊急度によります。現場人材や欠員補充なら面接2回・応募から内定まで10日以内のスピード型、一般的な中途採用なら書類選考+面接2回で14〜21日の標準型、管理職や専門職なら適性検査とリファレンスを加えた30日前後の精査型が目安です。段階を増やすほど辞退率は上がるため、増やすなら各段階の連絡を早くしてください。また、同じ日に複数の面接官と続けて会ってもらう「1day選考」にすると、段階数を減らさずに日数だけを短縮できます。候補者の来社回数も減るため、在職中の候補者には歓迎されます。

Q3. 面接官が現場管理職の兼任で、評価がばらつきます。

評価項目を3つに絞り、4段階の点数の意味を文章で定義してください。「4=即戦力/3=3か月で立ち上がる/2=半年の育成が必要/1=要件を満たさない」のように書き、評価シートには点数だけでなく根拠になった発言を1〜2行残すルールにします。評価シートを使用している企業は45%にとどまっており、導入するだけでも改善が見込めます。

Q4. 応募から内定までの日数は、どこまで短くできますか。

面接枠を毎週固定で確保し、日程調整を候補日3つ提示型にすれば、標準型でも14日での運用は可能です※当社推計/業界相場目安。ボトルネックになりやすいのは書類選考の結果通知と、最終面接の日程確保です。前者は「必須要件の充足だけを見る」ルールにすれば当日中に判断でき、後者は経営層の予定を月初にまとめて押さえておくことで解消できます。

Q5. 法令要件は、どの工程でチェックすればよいですか。

工程ごとにチェックポイントを固定してください。求人票作成時は的確表示義務と明示事項、応募受付時は個人情報の利用目的の明示、面接前はNG質問の読み合わせ、内定時は労働条件(変更の範囲を含む)の書面明示、不採用者対応時は応募書類の保管期間と廃棄方法です。担当者の知識ではなくチェック工程として組み込むことが、担当者交代後も維持できる唯一の方法です。チェックリストは1枚のPDFにして採用フォルダの直下に置き、面接に入る現場管理職にも同じものを共有してください。人事だけが持っている状態では、事故が起きやすい面接の現場で機能しません。

外部に依頼する場合の進め方にも触れておきます。いきなり全ステップを委託するのではなく、①要件定義のファシリテーションだけをスポットで依頼するという入り方があります。社内で議論すると「あれもこれも必要」になりがちな要件定義を、第三者が入って3つに絞り込むだけでも、その後の選考効率は大きく変わります。費用は10万〜20万円程度で、1回で終わります※当社推計/業界相場目安。そこで相性を確かめてから、運用の委託範囲を広げていくのが安全な進め方です。

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参考資料

  1. 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年5月分)」2026年
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74004.html(最終閲覧:2026年8月14日)
  2. パーソルキャリア株式会社「doda転職求人倍率レポート(2026年6月)」2026年
    https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/(最終閲覧:2026年8月14日)
  3. 株式会社マイナビ キャリアリサーチLab「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」2026年
    https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260327_109053/(最終閲覧:2026年8月14日)
  4. エン・ジャパン株式会社「『面接官』に関する実態調査(人事のミカタ アンケート)」2025年
    https://corp.en-japan.com/newsrelease/2025/42895.html(最終閲覧:2026年8月14日)
  5. 厚生労働省「職業安定法が改正され、求人等に関する情報の的確な表示や個人情報の保護に関するルールが変わります(令和4年10月1日施行)」2022年
    https://www.mhlw.go.jp/content/001250188.pdf(最終閲覧:2026年8月14日)
  6. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります(有期契約労働者の無期転換ポータルサイト)」2024年
    https://muki.mhlw.go.jp/rule.html(最終閲覧:2026年8月14日)
  7. 厚生労働省「採用選考時に配慮すべき事項(公正な採用選考をめざして)」
    https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/consider.html(最終閲覧:2026年8月14日)
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