新卒採用で応募が来ない7つの原因と対策|求人の51%が中小企業なのに学生が来ない理由

3月にナビ媒体を公開したのにエントリーが1桁のまま、合同説明会に出ても学生が座らない——新卒採用でこの状態に陥ると、多くの企業が「知名度がないから仕方ない」と結論づけます。ですが2027年卒の需給データを見ると、大卒求人の半分以上は従業員300人未満の企業が出しており、学生の中堅・中小企業志向はむしろ2年連続で上昇しています。構造として不利なのではなく、学生が動く時期に接点を持てていないことが最大の原因です。

この記事では、新卒採用に固有の「時間軸」という論点を軸に、応募が来ない7つの原因と、翌年度のエントリーを増やすための12か月の設計手順を整理します。

この記事でわかること

  • 新卒採用で応募が来ない原因の大半が「施策の質」ではなく「着手時期」にある理由
  • 2027年卒の大卒求人倍率1.62倍と、求人の51%を中小企業が占めるという需給構造
  • インターンシップ・オープン・カンパニーが採用充足率をどれだけ動かすかのデータ
  • 募集要項・説明会・選考導線の直し方と、外注した場合の費用と工数の目安

新卒採用で「応募が来ない」の正体|2027年卒の需給データが示すもの

まず、市場の構造を数字で確認します。ここを誤解したまま媒体を増やしても、費用が増えるだけで結果は変わりません。

リクルートワークス研究所の「大卒求人倍率調査(2027年卒)」によれば、2027年3月卒業予定者に対する大卒求人倍率は1.62倍。求人総数は74.8万人、民間企業就職希望者数は46.2万人で、差し引き28.6万人の求人超過となっています。従業員規模別の求人数は、300人未満企業が38.5万人、300〜999人企業が15.1万人、1,000〜4,999人企業が15.8万人、5,000人以上企業が5.5万人でした[1]

つまり、求人総数74.8万人のうち38.5万人(約51.5%)は従業員300人未満の企業が出しているということです。学生1人に対して求人が1.62件ある市場で、その半分が中小企業から出ている。これが新卒採用の実像です。

一方、学生側の就職結果を見ると、文部科学省・厚生労働省の「令和7年度大学等卒業者の就職状況調査(令和8年4月1日現在)」では、大学の就職率は98.0%。国公立97.9%、私立98.1%と、ほぼ全員が就職先を決めて卒業しています[2]

指標2027年卒の数値読み取れること
大卒求人倍率1.62倍学生1人に求人1.62件。売り手市場が継続
求人総数74.8万人企業側の採用意欲は高い水準
民間企業就職希望者数46.2万人分母である学生数は求人を大きく下回る
求人超過28.6万人28.6万人分の求人が埋まらない計算
300人未満企業の求人数38.5万人全求人の約51.5%を中小企業が占める
5,000人以上企業の求人数5.5万人大手の求人は全体の約7%にすぎない
大学の就職率(令和8年4月1日)98.0%学生はほぼ全員どこかに決まっている
出典:[1][2]をもとに作成

【この章の結論】
「大手にばかり応募が集まって中小には来ない」という前提は、求人数の内訳と噛み合いません。求人の半分は中小企業が出しており、そのうち28.6万人分が埋まらずに終わります。応募が来ない理由は企業規模そのものではなく、その企業が学生の視界に入る時期に入っていなかったことにあります。

学生は本当に大手しか見ていないのか|志向データの読み方

もう1つ、前提として押さえておきたいのが学生側の志向です。ここは体感と実データがずれやすい領域です。

マイナビの「2027年卒大学生就職意識調査」(有効回答37,160名)では、大手企業志向は50.9%で前年比0.9ポイント減、中堅・中小企業志向は44.0%で前年比1.0ポイント増と、いずれも2年連続で同じ方向に動いています。企業選択のポイントの上位は「安定している会社」55.4%(前年比3.5ポイント増)、「給料が良い会社」26.6%(5年連続増加)、「自分のやりたい仕事ができる会社」25.5%。就職観では「楽しく働きたい」が40.2%と初めて4割を超えました[3]

この数字から、中小企業が新卒採用でとるべき打ち手は具体的に決まります。

学生が重視する項目大手が有利に見える理由中小企業が同じ土俵に乗る方法
安定している会社(55.4%)企業規模=安定と受け取られやすい創業年数・黒字継続年数・取引先の業種分散・離職率を数字で開示する
給料が良い会社(26.6%)初任給の額面が公開されている初任給に加え、3年目・5年目のモデル年収と昇給実績を出す
やりたい仕事ができる(25.5%)職種別採用・配属確約の制度がある配属部署と初年度の担当業務を求人段階で確定して明示する
楽しく働きたい(40.2%)同期の人数・研修制度の充実社員インタビュー、1日の流れ、失敗しても戻れる体制を具体的に見せる

「安定している会社」と「給料が良い会社」は、規模ではなく情報開示で戦える項目です。創業50年・黒字20期連続・取引先200社という事実は、学生から見れば十分な安定の根拠になります。書いていなければ、判断材料が社名の知名度しか残らないだけです。

ここでよくある反論が「うちには誇れる数字がない」というものです。ですが学生が求めているのは業界1位の実績ではなく、判断できる材料です。取引先が特定の1社に依存していないこと、直近5年で新卒の早期離職が何名だったか、平均勤続年数が何年か——良くない数字であっても、「現在こう改善している」という記載とセットで出せば、開示していない企業より信頼されます。学生は数字の大小より、隠しているかどうかを見ています。実際、就職観として「楽しく働きたい」が4割を超え、「収入さえあればよい」が6年連続で増えている状況は、学生が入社後の生活イメージを具体的に持とうとしていることの裏返しです。抽象的な理念やビジョンだけの発信は、この層には届きません。

新卒採用の応募は、業種そのものよりも「学生がその仕事を想像できるか」で決まります。BtoBの部品メーカーやインフラ系の企業は、事業内容が社会的に重要であっても、学生の日常生活に接点がないため検索されません。この場合の打ち手は業界イメージを変えることではなく、自社の製品・サービスが最終的にどこで使われているかを1文で言い切ることです。「工作機械の部品」ではなく「新幹線の座席に使われている部品」と書けるかどうかで、同じ会社の同じ求人でも読まれ方が変わります。

原因1・2|スケジュールが半年ズレている

原因1:3月に公開して3月にエントリーを待っている

新卒採用が中途採用と決定的に違うのは、学生側の行動時期が制度と慣行でほぼ固定されている点です。内閣官房が示す2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程では、広報活動の開始は卒業年度に入る直前の3月1日以降、採用選考活動の開始は卒業年度の6月1日以降、正式な内定日は10月1日以降とされています。ただし、春休み以降に2週間以上実施する専門活用型インターンシップで高い専門的知識・能力を示した学生については、3月から6月より前に採用選考プロセスへ移行することが認められています[4]

ここが重要です。ルール上の広報解禁は3月ですが、その前の学部3年生の夏から冬にかけて、学生と企業の接点づくりは合法的に進んでいます。3月にナビ媒体を公開してからエントリーを待つ運用は、すでに半年から1年遅れた状態でスタートすることを意味します。

インターンシップは2022年度以降、参加要件を満たしたプログラムについて取得した学生情報を採用活動に使えるよう整理されており、企業にとって早期接点は制度上も想定された動きになっています。「ルールがあるから3月まで動けない」という理解は、現在の運用実態とずれています。3月時点で学生の志望群に入っていない企業が、そこから知名度だけで割り込むのは、規模を問わず難しいのが実情です。

原因2:他社の内定出しペースを把握していない

就職みらい研究所の「2027年卒学生 就職内定率調査」では、2026年6月1日時点の就職内定率は77.2%(文系75.1%、理系81.1%)、進路確定率は57.3%でした[5]

6月1日、つまり建前上の選考解禁日の時点で、すでに8割近い学生が内定を持っています。この状況で6月から選考を始める企業は、「内定を持っている学生に、あえて選考を受けてもらう」戦いに参加することになります。エントリーが来ないのは当然です。

【回避策】
応募が来ない原因を「今年の3月の施策」に求めないでください。今年の結果は昨年の夏から冬の接点量でほぼ決まっています。今年度の改善策は「今年のエントリーを増やす施策」ではなく、「来年度のエントリーを増やすために、今月から始める接点づくり」として設計するのが正解です。

時期学生の状態企業がやるべきこと
3年6〜8月業界研究の入口。夏のプログラムを探すオープン・カンパニー、1日仕事体験の告知と実施
3年9〜12月参加企業を絞り込む。志望業界が固まる複数日程のインターンシップ、参加者への継続接触
3年1〜2月エントリー先リストを作る接点のある学生への個別案内、選考直結の案内
3年3月広報解禁。一斉エントリー説明会。ここが初接触では遅い
4年6月選考解禁。内定率77.2%内定出し。辞退フォロー
4年10月正式内定内定式、入社前フォロー

原因3・4|接点ゼロで3月を迎えている

原因3:インターンシップ・オープン・カンパニーを実施していない

前章の話は、データでもはっきり裏づけられます。マイナビの「2027年卒 企業新卒採用活動調査」では、2026年6月時点で採用予定数の半数以上を採用確定している企業は全体で42.5%。ところがインターンシップを実施した企業では51.9%、インターンシップとオープン・カンパニーを併用した企業では65.2%まで上がります。インターンシップの実施率は全体で61.0%でした[6]

併用企業の65.2%と全体の42.5%の差は22.7ポイント。これは媒体の掲載プランを1段階上げても届かない差です。しかも実施率が61.0%ということは、4割の企業はまだ実施していません。ここは中小企業がまだ勝てる領域です。

オープン・カンパニーは、インターンシップと違って就業体験を必須としない情報提供中心のプログラムで、学年を問わず参加できます。実施のハードルが最も低く、それでいて学生との初回接点としては十分に機能します。「本格的なインターンシップは無理でも、会社見学と座談会ならできる」という企業ほど、まずここから入るのが現実的です。

原因4:接点をつくったあと放置している

もう1つ多いのが、夏のプログラムに学生を集めておきながら、その後の接触が翌年3月の一斉メールだけ、というパターンです。学生から見れば、夏に1回会った会社は「知っている会社」ではなく「1回行ったことのある会社」でしかありません。夏から3月までの約7か月間に他社が10回接触していれば、記憶の順位は簡単に入れ替わります。

接点づくりを始めるときに現場から出る懸念が「受け入れる余裕がない」というものですが、半日のオープン・カンパニーであれば、必要なのは会議室1つと社員2〜3名の合計3時間程度です。むしろ実務上の負担は、当日の運営よりも告知と申込対応にあります。ここは大学キャリアセンターへの案内と、既存のナビ媒体のプログラム掲載枠でかなりの部分を賄えます。

接点チャネル準備工数の目安特徴中小企業での使い所
オープン・カンパニー(半日)10〜20時間実施ハードルが最も低い最初の1年目はここから始める
1日仕事体験20〜30時間業務理解を持ち帰ってもらえる職種イメージが湧きにくい業種に有効
複数日インターンシップ40〜80時間相互理解が深く、志望度が上がりやすい2年目以降、受け入れ体制が整ってから
大学キャリアセンター訪問5〜10時間/校費用がほぼかからない地元採用・特定学部狙いで効果が高い
学内セミナー・OBOG訪問5〜15時間母校ルートは接触率が高い社員の出身校リストから逆算する
ダイレクトリクルーティング15〜30時間/月待たずに接触できる3月以降の巻き返しに使える
※当社推計/業界相場目安

【運用ルール】
接点を持った学生には、2か月に1回は個別に連絡すると決めてください。一斉メールではなく、担当者名で送る短い文面で構いません。夏に会って冬まで音沙汰がない企業は、3月には候補から消えています。

原因5・6|募集要項が「比較検討に耐えない」

原因5:初任給の数字を出していない、または比較されて負けている

前掲のマイナビ「2027年卒 企業新卒採用活動調査」によれば、平均初任給は300人未満企業234,662円、300〜999人企業241,936円、1,000人以上企業251,828円。初任給の引き上げを実施した企業は全体で89.1%、300人未満企業でも88.5%にのぼります。引き上げ自体は中小企業でもほぼ横並びで行われているものの、規模間の差は依然として残ります。

ここで多くの中小企業が採る対応が「初任給を書かない」ですが、これは最悪手です。学生は書いていない企業を候補から外すだけで、問い合わせてはくれません。書いたうえで、額面以外の情報で総合的に比較してもらう構成にします。

  • 住宅手当・家賃補助:月2万円の補助は、年24万円=月額換算2万円の差を埋めます
  • 3年目・5年目のモデル年収:初任給の差より、その後の伸び方のほうが金額のインパクトは大きくなります
  • 残業実績と休日数:時給換算を自分で計算する学生が増えています
  • 昇給実績:「昇給あり」ではなく「直近3年の平均昇給額◯円」と書きます

原因6:労働条件の記載が曖昧で不信感を生んでいる

2024年4月から労働条件明示のルールが変わり、すべての労働者に対して契約締結・更新時に「就業場所・業務の変更の範囲」の明示が必要になりました。あわせて有期契約労働者には更新上限の明示、無期転換申込権が発生する更新時には申込機会と転換後の労働条件の明示が義務づけられています[7]

これは労働契約時のルールですが、新卒採用では配属と勤務地の不透明さがそのまま辞退理由になるという点で、募集要項の段階から効いてきます。「配属は適性を見て決定します」という一文は、学生には「どこに飛ばされるか分からない」と読まれます。

よくあるNG記載学生の受け取り方改善例
初任給:当社規定による低いから書けないのだと判断する初任給235,000円(固定残業代を含まない)/3年目モデル年収380万円
勤務地:本社ほか各事業所どこに配属されるか分からない就業場所の変更の範囲:本社および関東圏4拠点(過去3年の転居転勤0件)
配属:適性を考慮して決定希望職種に行けない可能性が高い27卒は営業職3名・技術職2名で職種別採用。配属先は内定時に確定
残業:あり青天井だと想像される平均残業時間 月18.4時間(2025年度実績・全社平均)
職種:総合職何をするのか分からない法人営業(既存顧客中心/初年度は先輩同行から開始)
休日:週休2日制完全週休2日ではないと察知される完全週休2日制(土日)+祝日/年間休日122日

会社の実像を1つの資料にまとめて開示する方法は、採用ピッチ資料の作り方|構成テンプレートと7つの必須項目にテンプレートがあります。募集要項そのものの構成は魅力的な求人の作り方|応募が増える7つの構成要素と求人票テンプレートを流用してください。

原因7|エントリーはあるのに説明会・選考で消えている

エントリー数だけを見て「応募が来ない」と判断している場合、実際にはエントリー後の離脱が起きているケースがあります。新卒採用のファネルは中途採用より段数が多く、どこで落ちているかを分けて見る必要があります。

  1. エントリー:ナビ媒体などでの登録
  2. 説明会予約:日程を選んで予約する
  3. 説明会参加:実際に来る(予約者の6〜7割が目安※当社推計/業界相場目安
  4. 選考応募:エントリーシート・適性検査の提出
  5. 面接:一次・二次
  6. 内定承諾

エントリーは来ているのに説明会予約が少ない場合、原因は説明会の日程設計です。学生は授業・ゼミ・アルバイトの合間に動くため、平日13時のみの設定では物理的に参加できません。オンライン開催を最低1枠、平日夕方17時以降を1枠、土曜午前を1枠——この3枠を用意するだけで予約率は変わります。

説明会には来るのに選考応募につながらない場合は、説明会の内容が会社説明に偏りすぎています。学生が知りたいのは「入社1年目の自分が何をしているか」であって、会社の沿革ではありません。若手社員2名との座談会を20分入れるだけで、選考応募率は明確に動きます。座談会に出す社員は、役職者ではなく入社2〜4年目を選んでください。学生が自分を重ねられる距離感が重要で、部長クラスの成功談は「自分には無理そう」という印象で終わることがあります。

また、説明会の最後に「この場で次の選考に申し込める導線」を用意しているかも確認してください。持ち帰って後日エントリーする形式にすると、その日のうちに他社の説明会に行った学生の記憶から消えます。会場でQRコードを提示し、その場で一次選考の日程まで押さえてしまうのが最も歩留まりが高い運用です。

【注意】
選考の連絡が遅いことによる離脱も見落とされがちです。学生は複数社を並行して受けており、選考結果の連絡が1週間空くと他社の内定承諾期限が先に来ます。エントリーシート受領から3営業日以内の合否連絡をルールにしてください。

新卒採用のエントリーを増やす12か月の設計

ここまでの原因を、実行順に並べたものが以下です。今が何月であっても、次年度に向けて今日から着手できるように組んであります。

  1. 【今月】昨年度の数値を棚卸しする:エントリー数・説明会予約数・参加数・選考応募数・内定数・承諾数を並べ、どの段で落ちたかを1枚にします。ここを飛ばすと施策が総花的になります。
  2. 【1〜2か月目】接点プログラムを1つ決める:初年度はオープン・カンパニー(半日)で十分です。内容は「職場見学+若手社員座談会+簡単なワーク」の3点セットで組み立てます。
  3. 【2〜3か月目】大学キャリアセンターに接触する:社員の出身校を洗い出し、上位5校に訪問します。費用はほぼ交通費のみで、地方の中小企業ほど効果が出ます。
  4. 【3〜4か月目】情報の棚卸しと開示準備:離職率、平均残業時間、年間休日、3年目モデル年収、過去3年の転居転勤件数を集めます。数字が悪い項目は「改善中の取り組み」とセットで出します。
  5. 【4〜5か月目】募集要項と採用ページの書き換え:NG記載の言い換え表を使って全文を点検し、初任給・配属・勤務地の変更の範囲を明示します。
  6. 【6〜9か月目】接点学生への継続接触:2か月に1回、担当者名で個別連絡。冬に第2弾プログラムを実施し、3月の説明会案内につなげます。
  7. 【10〜12か月目】説明会と選考の高速化:オンライン・平日夕方・土曜午前の3枠を用意し、エントリーシート受領から3営業日以内の合否連絡を徹底します。

【優先順位の考え方】
7つすべてを同時に始める必要はありません。1・2・3の3つだけを最初の3か月で終わらせると決めてください。棚卸し(1)で落ちている段が分かり、接点プログラム(2)とキャリアセンター(3)で母集団の入口が開きます。募集要項の書き換え(5)は、接点をつくったあとに読まれる資料なので、順番が後ろでも遅くはありません。

特に3のキャリアセンター訪問は、費用対効果が突出しているにもかかわらず実施していない企業が多い施策です。大学のキャリアセンターは学生への求人紹介を業務として行っており、地元企業からの訪問を歓迎する体制を持っています。訪問時に持参するのは、募集要項1枚と、若手社員の顔が見える資料1枚で十分です。年間20〜30時間の投資で、ナビ媒体1枠分に匹敵する接触数を得られるケースがあります。

このプロセスと並行して、中途採用や既存業務との工数配分を見直す必要が出てきます。新卒採用は通年で薄く工数がかかり続けるため、繁忙期だけを見て体制を組むと3〜6月に破綻します。年間の工数配分は次章の表を目安にしてください。

自社でやるか外注するか|新卒採用の工数と費用

新卒採用は、中途採用と違って「1年を通じて動き続ける」タイプの業務です。1回の採用イベントで終わらないため、兼任担当者の負荷が読みにくいという特徴があります。年間の工数と外部委託費の目安は以下の通りです。

対応範囲自社対応の想定工数(年間)外部委託の費用目安備考
ナビ媒体の原稿作成・更新40〜60時間10万〜30万円媒体掲載料とは別
オープン・カンパニー企画・運営(年2回)60〜100時間15万〜40万円コンテンツ設計を含む場合
説明会の運営・日程調整50〜80時間5万〜15万円/月繁忙期(3〜6月)に集中
応募者対応・選考日程調整80〜120時間5万〜15万円/月通年発生
内定者フォロー(10月〜3月)30〜50時間5万〜10万円/月辞退防止の要
上記を含む通年型RPO300〜450時間20万〜60万円/月委託範囲により幅がある
※当社推計/業界相場目安

判断の目安はシンプルです。新卒採用の実務に年間300時間(月25時間)を確保できないのであれば、説明会運営と応募者対応の2つは外部化したほうが結果が出ます。一方で、接点プログラムの中身と、開示する数字をどこまで出すかは経営判断そのものなので、外部に委ねても機能しません。

外注先を選ぶときの実務的な基準も挙げておきます。新卒採用の代行は、中途採用の代行とは求められる能力が違います。学生対応は言葉遣いや連絡のトーンが結果を左右し、保護者からの問い合わせが入ることもあります。新卒領域の実績があるか、学生とのやり取りを誰が担当するのか(担当者は固定か)、大学キャリアセンターとの折衝まで含められるか——この3点は契約前に必ず確認してください。

費用感を判断するときは、単年ではなく3年で見てください。新卒採用は初年度の接点づくりが2年目・3年目のエントリー数に効いてくる構造で、初年度だけを見て「費用対効果が悪い」と判断すると、毎年ゼロからやり直すことになります。料金体系ごとの内訳は採用代行の月額費用はいくら?料金相場・プラン比較・費用対効果で比較しています。

まずは昨年度の数値をお持ちいただければ、どこから着手すべきかをご提案します。

よくある質問

Q1. 3月にナビ媒体を公開したのにエントリーが来ません。今年から巻き返せますか。

今年度分は、ダイレクトリクルーティングと大学キャリアセンター経由の2つが現実的な巻き返し手段です。ナビ媒体は学生からの検索を待つ仕組みのため、知名度がない企業では3月以降の追加投資が効きにくい構造です。一方で、来年度分は今月から接点づくりを始めれば十分に間に合います。今年度の巻き返しと来年度の設計を、別のタスクとして並行させてください。

Q2. インターンシップを実施する余裕がありません。何から始めればよいですか。

半日のオープン・カンパニーから始めてください。職場見学と若手社員2名との座談会、簡単なワークの3点セットで、準備工数は10〜20時間程度です。複数日のインターンシップは受け入れ体制が整ってからで問題ありません。インターンシップを実施した企業とそうでない企業では、6月時点で採用予定数の半数以上を確定できた割合に約9ポイントの差があります。

Q3. 初任給が大手より低いのですが、書くべきでしょうか。

書いてください。書かない企業は、金額で比較される前に候補から外れます。額面に加えて、住宅手当・家賃補助、3年目と5年目のモデル年収、直近3年の平均昇給額、平均残業時間を並べて記載すると、時給換算や生活実感での比較に持ち込めます。300人未満企業の平均初任給は234,662円で、1,000人以上企業との差は約1.7万円です。この差は手当と残業実績で十分に埋められる範囲です。

Q4. 学生の大手志向は強まっているのでしょうか。

2027年卒の調査では、大手企業志向50.9%(前年比0.9ポイント減)、中堅・中小企業志向44.0%(前年比1.0ポイント増)と、2年連続で中堅・中小志向が上昇しています。学生が重視するのは「安定している会社」55.4%、「給料が良い会社」26.6%で、いずれも企業規模そのものではなく、安定性と待遇を判断できる情報の有無が問われています。数字を開示していない企業は、判断材料が知名度しか残らないという点で不利になります。

Q5. 新卒採用を採用代行に依頼する場合、どこまで任せられますか。

ナビ媒体の原稿作成・更新、説明会の運営と日程調整、応募者対応、選考日程調整、内定者フォローまでを委託範囲にできます※当社推計/業界相場目安。一方で、接点プログラムの内容設計と、どこまでの数字を開示するかの判断は自社で決める必要があります。実務を外部に、意思決定を社内に置く切り分けが、新卒採用ではもっとも機能します。

関連する公開記事

新卒採用の応募が来ないお悩み、おまかせ採用にご相談ください

新卒採用で応募が来ない状態は、その年の施策だけを直しても解決しません。学生が動く時期は制度と慣行でほぼ固定されており、3月のエントリー数は前年の夏から冬の接点量でほぼ決まっているためです。だからこそ、着手が1か月早いだけで翌年の結果が変わります。

おまかせ採用では、昨年度の採用ファネルの棚卸しから、オープン・カンパニーの企画、募集要項と採用ページの書き換え、説明会運営、応募者対応・選考日程調整、内定者フォローまで、必要な範囲だけを切り出してご支援可能です。新卒採用の専任担当がいない企業様、中途採用と兼務されている企業様のご相談を多くいただいています。まずは現状の数値をお聞かせください。

参考資料

  1. リクルートワークス研究所「第43回 ワークス大卒求人倍率調査(2027年卒)」2026年
    https://www.works-i.com/surveys/report/260423_recruitment_saiyo_ratio.html(最終閲覧:2026年8月14日)
  2. 文部科学省・厚生労働省「令和7年度大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在)」2026年
    https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/naitei/kekka/k_detail/1422624_00027.htm(最終閲覧:2026年8月14日)
  3. 株式会社マイナビ キャリアリサーチLab「2027年卒大学生就職意識調査」2026年
    https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260424_109895/(最終閲覧:2026年8月14日)
  4. 内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」2025年
    https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_katsudou_yousei/2027nendosotu/index.html(最終閲覧:2026年8月14日)
  5. 就職みらい研究所(株式会社リクルート)「2027年卒学生 就職内定率調査(2026年6月1日時点)」2026年
    https://shushokumirai.recruit.co.jp/research_article/20260706001/(最終閲覧:2026年8月14日)
  6. 株式会社マイナビ キャリアリサーチLab「2027年卒 企業新卒採用活動調査」2026年
    https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260722_112587/(最終閲覧:2026年8月14日)
  7. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります(有期契約労働者の無期転換ポータルサイト)」2024年
    https://muki.mhlw.go.jp/rule.html(最終閲覧:2026年8月14日)
NEWS

採用お役立ち・ウェビナー情報

  • HOME
  • 採用ノウハウ
  • 新卒採用で応募が来ない7つの原因と対策|求人の51%が中小企業なのに学生が来ない理由
PAGE TOP