採用の担当者が決まっていない。求人を出す人も、応募に返信する人も、面接の日程を調整する人も、すべて経営者や現場の責任者が兼ねている。人事部がない中小企業では、そうした状態が当たり前のように続き、気づけば募集が止まっています。
この記事では、人事部がない会社の経営者・採用担当者に向けて、採用を回すための役割の決め方、6つの打ち手、6か月のロードマップ、内製か外注かの判断基準を、人事チームがゼロから採用機能をつくった実例とあわせて解説します。
この記事でわかること
- 人事部がない会社で採用が止まる5つの症状と、その共通の原因
- 経営者・現場責任者・兼務担当の役割分担の最小版(RACI形式)
- 採用を回す6つの打ち手と、6か月のロードマップ
- 内製か外注かの判断基準と、費用の試算・人事チーム0からの実例
人事部がない会社で採用が止まる5つの症状
人事部がない会社の採用は、担当者の熱意や経験の問題ではありません。採用の仕事が、誰の持ち分でもないまま散らばっていることが、止まる最大の理由です。リクルートワークス研究所の中途採用実態調査では、中途採用の未充足率は57.8%と報告されており[1]、応募を待つだけでは枠が埋まりにくい状況が続いています。そのなかで人事の専任がいない会社は、動かすための余力がさらに限られます。次の診断表で、自社の症状を確認してください。
| 症状 | 起きていること | 主な原因 | 対処する節 |
|---|---|---|---|
| ① 求人票が数年前のまま | 条件や仕事内容が現状とずれ、応募が減る | 更新する担当者が決まっていない | 第2節・第3節 |
| ② 応募への返信が遅い、抜ける | 連絡が途絶え、辞退につながる | 応募の窓口が決まっていない | 第3節 |
| ③ 面接官ごとに評価がばらばら | 合否の基準が揺れ、入社後のずれが出る | 評価項目と判断者が決まっていない | 第3節 |
| ④ 内定後に連絡が途絶える | 入社前に辞退される | 内定後のフォロー担当がいない | 第2節 |
| ⑤ どの媒体が効いたか分からない | 同じ費用を出し続け、改善できない | 応募数・面談数の記録が残っていない | 第3節・第4節 |
※診断表は、弊社の支援経験と公表資料を踏まえて整理したものです。
自社の状況を確認する8つのチェック項目
- 採用の最終判断をする人が、業務ごとに決まっている
- 応募者への連絡窓口が1人に決まっている
- 応募への返信の期限(例:24時間以内)が決まっている
- 求人票を最後に見直した日が、1年以内である
- 面接の評価項目が、紙に書いて共有されている
- 内定後に連絡をとる担当者が決まっている
- 応募数・面談数・採用数を、月ごとに記録している
- 採用の手順が、担当者以外でも分かる形で残っている
あてはまらない項目が多いほど、役割と手順を整える余地が大きいといえます。チェックが2つ以下なら、まず第2節のRACIから着手してください。
採用担当者の負担は、月90時間・業務20項目にのぼるとの推計があります。人事部がない会社では、この時間が経営者・現場責任者・総務担当に分散し、「誰の工数か」が見えないまま、本業の時間を削っています。負担の内訳は、末尾の関連記事で整理しています。
※当社推計/業界相場目安
放置すると起きること
採用の役割が決まらないまま進めると、応募者への連絡が遅れ、返事を待つあいだに他社へ流れる人が出ます。面接の基準が揺れると、入社後に「想定と違う」というずれが生まれ、早期の離職につながります。さらに、数字が残っていないため、何が悪かったのかを後から検証できず、同じ失敗を繰り返します。
いずれも、担当者を1人増やせば解決する問題ではありません。役割と手順を整えることで、兼務のままでも改善できる部分が多くあります。
兼務の担当者に採用を任せるとき、よくある落とし穴は、「忙しいときに採用が後回しになる」ことです。本業が繁忙期に入ると、応募への返信が遅れ、面接の日程も先送りになります。繁忙期のあいだの代わりの担当者と、最低限守る返信の期限を、前もって決めておくことが大切です。
【前提】 この記事は、人事部がない会社が採用を回す方法を扱う、企業側の記事です。会社の紹介や、求職者向けの情報は扱いません。
原因は「人事部がない」ことではなく「採用の役割が決まっていない」こと
人事部がなくても、採用を回している中小企業はあります。違いは、人事部の有無ではなく、採用の各業務に責任者と実行者が割り当てられているかどうかです。止まっている会社には、3つの共通点があります。
- 判断者が決まっていない|採用要件や合否を、誰が最終的に決めるのかが曖昧で、決定のたびに社内の調整が必要になります。
- 窓口が決まっていない|応募者から見て、誰が連絡をくれる人なのかが分からず、返信が遅れます。
- 記録が残っていない|担当者が替わるたびにゼロから始まり、改善のための数字もたまりません。
役割分担の最小版(RACI形式)
まず、採用の主要な業務を、責任者(A)、実行者(R)、相談を受ける人(C)、共有を受ける人(I)に分けて、1枚にまとめます。下の表は、経営者、現場責任者、兼務の採用担当の3役がいる会社を想定した最小の例です。
| 業務 | 責任者(A) | 実行者(R) | 相談(C) | 共有(I) |
|---|---|---|---|---|
| 採用要件を決める | 経営者 | 現場責任者 | 採用担当 | 面接官 |
| 求人票を作り、更新する | 採用担当 | 採用担当 | 現場責任者 | 経営者 |
| 応募に返信し、日程を調整する | 採用担当 | 採用担当 | - | 面接官 |
| 面接で見極める | 現場責任者 | 面接官 | 採用担当 | 経営者 |
| 内定を出す | 経営者 | 採用担当 | 現場責任者 | 面接官 |
| 入社後のフォロー | 現場責任者 | 現場責任者・採用担当 | 経営者 | 全社員 |
※役割の呼び方は会社に合わせて読み替えてください。採用担当は兼務で構いません。
社員数ごとの体制図とRACIの作り方は、採用体制の構築手順6ステップで詳しく解説しています。また、専任者がいないことを前提にした進め方は、採用担当が不在でも採用できる5つの具体策が参考になります。本記事では、これらをふまえ、実際に人事チームをゼロからつくった事例と、6か月の進め方に焦点を当てます。
RACIを運用するときの3つの決まりごと
- 責任者(A)は、業務ごとに1人だけにする|責任者が2人いると、判断が止まります。迷う業務は、経営者が引き受けるか、現場責任者に任せるかを先に決めます。
- 兼務の担当者の時間を、数字で確認する|採用に使える時間を週あたりで見積もり、表の「実行者(R)」が過負荷になっていないかを確かめます。
- 月1回、表を見直す|担当が替わったときや、採用人数が増えたときに、表を更新します。更新した日付を残しておくと、引き継ぎがしやすくなります。
兼務の担当者に、どれだけの時間を割り当てるか
兼務の担当者の時間は、採用の人数と時期で変わります。目安を決める手順は、次の3段階です。
- 業務の一覧から、1か月あたりの作業を洗い出す|求人票の更新、応募への返信、日程調整、面接、記録など、作業ごとに必要な時間を書き出します。
- 本業の時間と合わせて、無理のない範囲を決める|採用に使える時間が、書き出した作業の合計に足りない場合は、減らす業務と外へ出す業務を決めます。
- 1か月運用して、実際の時間と見積りを比べる|差が大きい業務は、型にするか、外へ出す対象にします。
人事部がない会社が採用を回す6つの打ち手
- 採用の窓口を1人に決める|応募への返信、日程調整、記録をまとめて担う人を、兼務でも1人決めます。応募者にとって「連絡をくれる人」が1人に定まるだけで、返信の遅れや抜けが減ります。
- 採用要件を、1枚にまとめる|誰を、何名、いつまでに、どんな条件で採るのかを、経営者と現場責任者で書き出します。迷ったときは、この1枚に戻って判断します。
- 業務を「残す・減らす・外へ出す」に仕分ける|採用業務をすべて自社で抱えず、判断が必要な業務は残し、定型業務は減らし、手が回らない業務は外部に任せます(下の表)。
- 無料チャネルから先に動かす|ハローワークの求人、公的機関の無料の相談窓口、職業訓練校、社員紹介など、費用をかけずに母集団をつくれるチャネルから始めます。
- 評価項目を決めて、面接を型にする|見極める項目を3〜5つに絞り、面接官が替わっても同じ基準で評価できるようにします。
- 数字を記録し、月1回の定例で見直す|応募数、面談数、内定数、入社数をチャネル別に記録し、月に1回、15分でも数字を見て次の手を決めます。
打ち手ごとの進め方
① 窓口を1人に決める|窓口の担当者には、返信の期限(たとえば24時間以内)を決めておきます。担当者が不在の日は、代わりに返信する人も決めます。応募者向けの連絡先は、1つのメールアドレスか1つの電話番号にまとめます。
② 採用要件を1枚にまとめる|「あると望ましい条件」を並べすぎないことがコツです。必須の条件を3つ程度に絞り、残りは入社後に育てる前提にすると、母集団が広がります。
③ 仕分ける|採用業務の一覧を書き出し、1つずつ「判断か作業か」を判定します。作業のうち、毎回同じ内容のものは、ひな形をつくって型にします。
④ 無料チャネルを動かす|最初の1か月で、ハローワークの求人と、公的な無料の相談窓口を押さえます。費用がかからないため、並行して進めても負担が増えません。
⑤ 面接を型にする|評価項目を3〜5つに絞り、面接ごとに同じ質問をします。面接官が複数いる場合は、面接後に5分だけ、評価をすり合わせる時間を設けます。
⑥ 数字を見直す|記録する項目は多くなくて構いません。応募数、面談数、内定数、入社数、かかった工数の5つがそろえば、月1回の定例で次の一手を決められます。
経営者が自ら採用を回している会社では、会議や商談の合間に、応募の確認と返信が入ります。返信を1日の決まった時間にまとめる、日程調整はカレンダーの共有に任せるなど、小さな工夫でも、手戻りと中断が減ります。
【注意点】 打ち手の順番を入れ替えないでください。窓口と要件が決まらないうちに媒体を増やしても、応募への対応が追いつかず、費用だけが増えます。
業務の仕分け表|残す・減らす・外へ出す
| 仕分け | 業務の例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 自社に残す | 採用要件の最終判断、面接での見極め、内定の意思決定、入社後の受け入れ | 会社の将来を決める判断は、経営者と現場責任者が持つ |
| 減らす(型にする) | 求人票のひな形、応募への返信文、面接の質問と評価シート | 一度つくれば、担当者が替わっても使える形にする |
| 外へ出す | スカウトの作成と送信、企業説明会の運営、面接の日程調整、数値の分析と改善提案 | 時間がかかり、専門性が要る業務は、外部の力を借りる |
仕分けのコツは、「判断」と「作業」を分けることです。判断は自社に残し、作業は型にするか外へ出します。これだけで、兼務の担当者が抱える工数は大きく変わります。
6か月のロードマップ|役割を決めてから内製化までの進め方
採用の仕組みは、一度に整える必要はありません。弊社の採用代行は、内製化までを見据えて、推奨の契約期間を6か月としています。ここでは、自社で進める場合にも使える、月ごとの進め方を示します。
| 時期 | やること | 終わったときの状態 |
|---|---|---|
| 1か月目 | 現状の把握(応募数・採用数・費用)、役割分担(RACI)、採用要件の1枚 | 誰が何をするかが決まっている |
| 2か月目 | 求人票の見直し、無料チャネルの申込、応募の窓口の運用開始 | 応募への返信が24時間以内に返せる |
| 3か月目 | 面接の評価項目の設計、面接官のすり合わせ | 面接官が替わっても基準がそろう |
| 4か月目 | チャネル別の数字を見て、効いた施策に絞る | 効く施策と効かない施策が分かる |
| 5か月目 | 業務のひな形・手順書の整備、引き継ぎ | 担当者が替わっても回る |
| 6か月目 | 自社だけで定例を運営し、振り返る | 内製化が完了している |
※6か月は目安です。採用人数や職種によって前後します。
4か月目に数字を見て施策を絞る点がポイントです。チャネルを増やし続けるより、効いたチャネルに集中するほうが、少ない人数でも運営できます。
各月でつまずきやすい点
- 1か月目|現状の把握に時間をかけすぎて、役割分担の決定が遅れる。数字が不完全でも、先に役割を決めます。
- 2か月目|窓口を決めたのに、担当者が不在の日の対応が抜ける。代わりの人も決めておきます。
- 3か月目|面接官が評価項目を使わず、印象で決めてしまう。評価シートを毎回記入する運用にします。
- 4か月目|数字が少なく、判断しにくい。件数が少ないうちは、傾向を見るにとどめ、断定しません。
- 5〜6か月目|手順書をつくらず、担当者の頭の中に知識が残る。業務ごとに1枚の手順書を残します。
どの月も、完璧を目指さず、決めたことを次の月に見直す前提で進めます。見直しの習慣が、内製化後の運用の土台になります。
兼務の担当者を支える5つのひな形と手順書
人事部がない会社が採用を回し続けるには、担当者の記憶に頼らない仕組みが欠かせません。次の5つを用意しておくと、担当者が替わっても、一定の質で採用を続けられます。
| ひな形・手順書 | 中身の例 | つくるときのポイント |
|---|---|---|
| 求人票のひな形 | 仕事内容、勤務条件、1日の流れ、労働条件の明示事項 | 更新日を入れ、年1回は見直す |
| 応募への返信文 | 受付の連絡、面接日程の案内、不採用の連絡 | 返信の期限と、担当者の署名を決めておく |
| 面接の評価シート | 評価項目(3〜5つ)、質問、5段階の評価と理由 | 面接官全員が同じ形式で記入する |
| 数字の記録表 | チャネル別の応募数、面談数、内定数、入社数、工数 | 月末に5分で入力できる項目に絞る |
| 引き継ぎの手順書 | 業務の流れ、使うツール、連絡先、よくあるつまずき | 担当者が替わる前に、実際に読んでもらい確認する |
ひな形は、一度に完成させなくて構いません。使いながら直し、半年後には自社の実情に合った形に育てます。この積み重ねが、内製化の中身になります。
月1回15分の定例の進め方
- 数字を見る(5分)|チャネル別の応募数、面談数、内定数、入社数を、前月と比べます。
- 詰まっている段階を探す(5分)|応募が少ないのか、面談につながらないのか、内定後に辞退されるのかを見つけます。
- 次の月の打ち手を1つ決める(5分)|求人票の見直し、チャネルの追加など、実行できる打ち手を1つに絞り、担当者と期限を決めます。
打ち手を1つに絞るのは、兼務の担当者の負担を抑えるためです。小さな改善を毎月積み重ねるほうが、大きな改革を一度に行うより、続けやすくなります。
6か月の進め方で大事なのは、各月の終わりに「終わったときの状態」を確認することです。状態が整っていなければ、次の月に進まず、同じ月の作業を続けます。たとえば2か月目に応募への返信が24時間以内に返せていなければ、3か月目の面接設計には進まず、窓口の運用を安定させます。順番を守ることで、後から手戻りが出にくくなります。
実例:人事チーム0から採用機能をつくった従業員21名の会社
飲食店のWEB集客コンサルティング会社(従業員21名)は、MEOマーケターの採用に取り組んでいましたが、人事部がなく、人事チームはゼロの状態でした。課題は、エージェント経由の採用単価が高いこと、外注したスカウトで応募が0件だったこと、自社に合った応募がなかったことでした。
弊社は、この会社と一緒に採用の仕組みを組み立てました。主な打ち手は、次のとおりです。
- 中途入社7名への社員インタビューから、ペルソナを設定
- 魅力を出した求人票の作成と、媒体別のABテスト
- エージェントから、Re就活・マイナビ転職(転職フェア)へのスイッチ
- 東京都の支援サービスを使った無料採用と、媒体費用の交渉
- 採用漫画とATSの導入、カジュアル面談の代行
| 項目 | Before | After |
|---|---|---|
| 採用人数 | 6人 | 10人(総採用予算は前年より減) |
| 平均採用単価 | 約120万円(エージェント中心) | 約40万円(約半分) |
| 有効応募 | スカウト550通で応募15件(会いたい人がいない) | 条件と文面を組み直し、有効応募106件(支援期間中の合計) |
| Re就活のスカウト開封率 | 30.6% | 60.7%(応募27件増) |
| 転職フェアの着席数 | 比較対象:会場平均28.2名 | 着席49名、後日面談14名 |
※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。
転職フェアの会場平均28.2名は、この会社のBeforeの数字ではなく、比較のための基準です。この事例のポイントは、人事の専任者を採用せずに、役割の決め方と外部の使い方を整えたことです。社員インタビューや求人票の設計は外部が担い、見極めと意思決定は自社が持つ形で、採用機能が立ち上がりました。
この事例を、人事部がない会社に当てはめると
- 社員インタビューで、募集要件を言葉にする|現場の先輩に、入社を決めた理由と、仕事で大切にしていることを聞き、求人票の材料にします。
- 媒体を数字で比べる|費用の高い媒体に固定せず、媒体ごとの応募数と面談数を見て、切り替える判断をします。
- 面談の運営を、担当者1人で抱えない|カジュアル面談や日程調整は、外部に任せる選択肢があります。
- 無料の支援を併用する|公的な窓口の無料サービスを使い、媒体費用の負担を抑えます。
この会社は、採用が初めて軌道に乗るまで、人事の専任者を置かずに進めました。つまり、人事部の有無ではなく、役割の決め方と、外部との分担が成果を左右したといえます。同じ考え方は、従業員数が数名の会社でも使えます。
人事部がない会社が、この事例から持ち帰れるのは、「専任者を雇う前に、役割と手順を整える」という順番です。採用が年に数名の規模であれば、専任者を置くより、兼務の担当者と外部の分担を整えたほうが、費用の負担を抑えやすくなります。採用の人数が増えてきた段階で、専任者を置くかどうかを改めて検討すれば、判断の材料も手元にそろっています。
人事部がない会社が使える公的な無料の窓口
仕組みを整えるあいだ、公的な窓口を使うと、費用をかけずに助言と求人の入口を得られます。
| 窓口 | 内容 | 費用についての資料上の記載 |
|---|---|---|
| 東京しごと財団の人材確保の相談・コンサルティング(東京都) | 採用の一般相談、人材確保コンサルティング、セミナー、人材戦略の構築支援(中小企業向け) | 「ご利用は無料です」と明記[3] |
| ハローワークの職業紹介 | 求人者に、雇用条件に適合する求職者を紹介 | 「無料の職業紹介サービス」として案内[5] |
※東京都内の企業が対象の事業を含みます。他の地域の会社は、所在地の労働局・ハローワーク・自治体の窓口を確認してください。
東京しごと財団の人材確保コンサルティングは、令和4年度の事例集によると、都内に本社または主たる事業所がある従業員300名以下の中小企業等が対象で、実施回数は上限5回です。支援した341社のうち、従業員0〜20人の企業が50.4%を占めており、小規模な会社でも使われています[4]。なお、人材の紹介・あっせんは行っておらず、採用活動への助言が中心です。現在の条件は年度で変わるため、窓口で最新の案内を確認してください。
ハローワークの求人は、前節の求人票の見直しと組み合わせると効果が上がります。求人票には、仕事内容、勤務条件、1日の流れを具体的に書き、窓口の担当者に条件の見え方を相談します。応募への返信は、窓口担当が24時間以内に行う運用に合わせます。
公的窓口を使い分けるときの順番
最初に、ハローワークの求人で応募の入口をつくります。並行して、東京都の会社であれば、東京しごと財団の人材確保の相談窓口に申し込み、求人票や面接の見直しの助言を受けます。助言を受けたら、次回までに1つ直す、という宿題の形で進めると、限られた相談回数を使い切れます。窓口が増えたら、チャネル別の記録表で、応募数と工数を比べます。
内製で回すか、外注するか|判断基準と費用の試算
| 確認すること | 内製で進めやすい目安 | 外注を検討する目安 |
|---|---|---|
| 採用の人数と期限 | 年に1〜2名で、時間に余裕がある | 複数名を、数か月以内に採りたい |
| 担当者の時間 | 週に数時間を採用に使える人がいる | 兼務で、返信と日程調整が追いつかない |
| 採用の経験 | 求人票や面接の設計を経験したことがある | 初めての採用で、何から始めるか分からない |
| 応募の状況 | ハローワークや紹介で、応募が安定している | 応募が来ない月が続いている |
右の列に多くあてはまる場合は、外部の力を借りる選択肢があります。中小企業向けの採用代行を比べたい場合は、中小企業向け採用代行おすすめ5選も参考にしてください。
費用は、試算で比べると分かりやすくなります。弊社の料金は、ライト30万円(月30時間まで)、スタンダード50万円(40〜50時間)、プレミアム80万円(60時間以上)の月額固定で、採用時の手数料はありません。たとえばライトを推奨期間の6か月で契約すると180万円です。人材紹介は、年収500万円の人材で手数料率30%なら1名150万円です(試算)。2名を採用できれば、採用代行のほうが総額を抑えられる計算になります。どちらも「例」であり、実際の費用は条件で変わります。
※2026年8月時点の料金
「外へ出す」業務は、3フェーズ18業務のどこに当たるか
| フェーズ | 業務(弊社の3フェーズ18業務より) | 人事部がない会社での使いどころ |
|---|---|---|
| 採用設計 | 要件定義・ペルソナ設計/スカウト文作成/募集媒体選定/現状分析ヒアリング/求人票作成/1日職場体験 | 採用要件の言語化と求人票づくりを、外部のヒアリングで進める |
| 採用実行 | 定例MTG/採用イベント代行/企業説明会代行/候補者対応/スカウトメール送信/面接スケジュール調整 | 返信と日程調整、スカウト送信を任せ、兼務の担当者は面接に集中する |
| 内定・内定後 | キャリアコンサルタント面談/数値分析/改善施策の提案/ターゲット再設定/内定者フォロー支援/代行業務の変更 | 内定後のフォローと、数字の見直しを任せる |
※18業務のうち、人事部がない会社で相談の多い範囲を整理した例です。すべてを依頼する必要はなく、業務範囲は契約時に決めます。
初回の打ち合わせから最短5営業日で開始でき、1名の採用から依頼できます。採用設計・採用実行・内定後の3フェーズ18業務を、6か月で内製化まで伴走し、採用ノウハウとデータが会社に残ります。契約継続率は100%です(2026年8月時点)。
採用代行を使うときの導入の流れ
- お問い合わせ|採用したい職種と人数、現在困っていることを共有します。
- ご提案|初回の打ち合わせとヒアリングを行い、進め方を提案します。
- 詳細打ち合わせ|業務範囲と契約内容を確認します。
- 契約締結|期間・料金・業務範囲を確定し、担当者と連絡体制、資料・権限の共有、現場体験と初回の日程を決めます。
- キックオフMTG|社員インタビューやワークで、会社と現場への理解を深めます。
人事部がない会社では、④の契約締結のときに、自社に残す役割(採用要件の判断、面接での見極め、内定の意思決定)を一緒に確認しておくと、内製化への移行がスムーズになります。
見積りで確認したい5つの項目
- 費用の出方|月額固定か成功報酬か、採用時の手数料の有無を確認します。
- 業務範囲|設計・実行・内定後のどこまでが含まれるかを、業務の一覧で確認します。
- 契約期間と解約|最低契約期間、継続の連絡期限、途中解約の条件を確認します。
- 稼働時間と報告|月に何時間稼働するか、報告の頻度はどのくらいかを確認します。
- 契約終了後に残るもの|採用ノウハウやデータ、手順書が、自社に残る形で渡されるかを確認します。
内製化が完了した状態とは
6か月の終わりに目指すのは、外部の支援がなくても、次の状態で採用が回っていることです。
- 採用の窓口と、代わりに対応する人が決まっている
- 採用要件の1枚と、求人票のひな形が最新の状態で残っている
- 面接の評価シートが使われ、面接官が替わっても基準がそろう
- チャネル別の数字が、月ごとに記録されている
- 月1回の定例で、次の打ち手を1つ決める習慣が根づいている
この状態に届けば、採用人数が増えたときも、同じ型を使って運営できます。外部に任せる場合も、自社で判断する範囲が明確なため、依頼する内容を調整しやすくなります。
採用を回し始める前の4つの注意点
- 求人票の労働条件明示を点検する|2024年4月から、就業場所・業務の変更の範囲、有期契約の更新上限の有無と内容、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件が、明示事項に加わりました[2]。人事部がない会社ほど、書式が古いまま使われがちです。
- 無料をうたう求人広告の勧誘に注意する|「無料掲載」の説明のあとで、多額の広告料金を請求される事案について、労働局が注意を呼びかけています[6]。掲載期間、無料期間終了後の料金、解約方法を確認します。
- 特定の担当者に頼りきりにしない|担当者が休む、退職するなどで、採用が止まるリスクがあります。手順書と記録表を残し、代わりの担当者を決めておきます。
- 成果の約束を鵜呑みにしない|採用は、市場や条件で結果が変わります。依頼先の実績は、対象・期間・条件がそろった数字かを確認します。
よくある質問
Q. 人事部がなくても、採用はできますか?
A. できます。人事部の有無より、採用の各業務に責任者と実行者が割り当てられているかが重要です。経営者・現場責任者・兼務の採用担当の3役で、役割分担表(RACI)をつくるところから始めると、返信の遅れや面接の基準のぶれが減ります。
Q. 採用担当は、誰にすればよいですか?
A. 応募への返信、日程調整、記録をまとめて担う人を、兼務でも1人決めます。採用要件と内定の最終判断は経営者、面接での見極めは現場責任者が持つ形にすると、兼務の担当者の負担が偏りません。
Q. 採用を外注すると、自社には何が残りますか?
A. 弊社の採用代行は、推奨6か月で内製化まで伴走し、採用ノウハウとデータが会社に残る形をとっています。業務のひな形や手順書を整え、契約終了後も自社で運営できる状態を目指します。
Q. 外注の費用は、どのくらいかかりますか?
A. おまかせ採用は、月額30万円(月30時間まで)、50万円(40〜50時間)、80万円(60時間以上)の固定料金で、採用時の手数料はありません。人材紹介は成功報酬で年収の35%〜100%が一般的な例です。費用は条件で変わるため、見積りで確認してください。
Q. まず何から始めればよいですか?
A. 採用の窓口を1人に決め、採用要件を1枚にまとめることから始めます。そのうえで、ハローワークや公的な無料の窓口など、費用をかけずに動かせるチャネルを先に使い、数字を記録します。
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人事部がない会社の採用のお悩み、おまかせ採用にご相談ください
役割を決める、求人票を整える、無料チャネルを動かす、数字を見て直す。人事部がない会社でも、この流れを整えれば採用は回ります。弊社の支援先では、人事チーム0から採用単価が約120万円から約40万円になった例があります。月額30万円からの固定料金で、1名の採用からご相談いただけます。
※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。
