東京都の無料採用支援の使い方|採用費0円の手順

求人広告を出しても応募が来ない。人材紹介は手数料が重く、続けるのが難しい。東京の中小企業の経営者・採用担当者がそう感じたとき、まず確認したいのが、東京都と東京しごと財団、ハローワークが用意している無料の採用支援です。ただし、制度があることと、採用につながる形で使えることは別の話です。窓口は複数に分かれ、無料と明記されている範囲もサービスごとに違います。

この記事では、企業側が使える東京都周辺の採用支援を整理し、広告費も手数料もかけずに母集団をつくる7つの手順と、無料支援で足りるか外部に任せるかの判断基準を、実例つきで解説します。

この記事でわかること

  • 東京都・東京しごと財団・ハローワークで企業が使える無料の採用支援と、無料と明記されている範囲
  • 無料支援を使っても採用につながらない5つの症状と、その原因
  • 採用費0円で母集団をつくる7つの手順(申込先・準備物つき)
  • 無料支援で足りるか、採用代行に切り替えるかの判断基準と費用の試算

東京都の無料採用支援を使っても採用につながらない5つの症状

東京都の採用支援は、制度の数が少ないから使われないのではありません。企業側の「使い方」でつまずくケースのほうが目立ちます。たとえば中途採用の未充足率は57.8%と報告されており[9]、応募を待つだけの採用では枠が埋まりにくいのが現状です。そこで、無料の窓口を使っているのに結果が出ない企業に共通する症状を、先に診断表で整理します。

症状起きていること主な原因対処する節
① どこに申し込めばよいか分からない窓口を探すだけで時間が過ぎ、相談まで進まない東京都・東京しごと財団・ハローワーク・都立職業能力開発センターと窓口が分かれている第2節
② 相談したのに求人票も応募数も変わらない助言は受けたが、直す時間が取れず次回を迎える相談の回数や期間に上限があり、宿題を実行する担当者がいない第3節・第4節
③ イベントに出たが着席が少ない大手の多い会場で自社が埋もれる出展前に「誰に何を話すか」を決めていない第4節・第6節
④ 無料だと思って申し込んだが条件が合わなかった対象要件や費用の確認漏れで手戻りが起きる「無料」と明記されたものと、費用の記載がないものを区別していない第2節・第8節
⑤ 一度使って終わり、数字で振り返っていないどの窓口が効いたか分からず、次の手を選べない応募数・面談数・採用数をチャネル別に記録していない第5節

※診断表は、公表資料の内容と弊社の支援経験を踏まえて整理したものです。

症状の原因をたどると、3つに集約できます。

  • 窓口の分散|東京都、東京しごと財団、ハローワーク、都立職業能力開発センターと、似た名前の窓口が並びます。どれが何を担うのかが分からないまま、手を付けやすいものだけを使ってしまいます(症状①④)。
  • 実行する人の不在|無料の相談を受けても、求人票を書き直し、面接の進め方を変え、イベントの準備をするのは企業側の仕事です。担当者が兼務だと、「相談した」という事実だけが残ります(症状②③⑤)。
  • 期待値のずれ|「無料の窓口に行けば人を紹介してもらえる」と期待して相談し、助言が中心だと分かって熱が冷めるケースです。窓口ごとに「何をしてくれて、何をしてくれないか」を最初に把握しておくと、使い方が定まります(症状②④)。

窓口の数が多いほど、行動の結果が見えにくくなります。母集団形成の全体像は、母集団形成の8つの手法で量と質の両面から整理しています。本記事では、そのうち東京都の無料支援に絞って話を進めます。

なお、弊社の支援先全体を見ても、入社の4割超は採用費0円のチャネル(無料媒体・自治体支援・リファラル)から生まれています。無料の窓口は、使い方しだいで十分に戦力になります。

※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

東京都の中小企業が使える自治体の無料採用支援|窓口と費用を整理

東京都の採用支援の中心にいるのは、東京都産業労働局と、公益財団法人東京しごと財団です。企業向けのサービスは、飯田橋の東京しごとセンターと、立川の東京しごとセンター多摩を窓口として案内されています[1][2]。ここにハローワーク(東京労働局)と、都立職業能力開発センターの訓練生採用を加えると、企業が使える公的な窓口はおおよそ次の8つになります。

サービス内容費用についての資料上の記載主な窓口
人材確保の相談・コンサルティング採用の一般相談、人材確保コンサルティング、セミナー、人材戦略の構築支援(中小企業向け)「ご利用は無料です」と明記東京しごと財団 企業支援部
採用イベント合同面接会、企業説明会、交流会などで求職者と出会う出展条件・費用は開催ごとに案内。申込前に確認東京しごと財団
求人受付求人情報を預かり、東京しごとセンターの利用者へ提供(ミドル層、育児・介護と両立したい女性、全年齢の枠)リーフレットに費用の記載なし東京しごとセンター/同多摩
企業内実習計画策定、求職者とのマッチング、修了までの支援。能力・適性を確認してミスマッチを減らす費用の記載なし東京しごと財団
企業情報公開サービスヤングコーナーで企業のPRと採用情報を公開費用の記載なし東京しごと財団
ハローワークの職業紹介求人者に、雇用条件に適合する求職者を紹介「無料の職業紹介サービス」として案内[4]管轄のハローワーク
雇用管理改善コンサルティング社会保険労務士がハローワーク担当者と事業所を訪問。人手不足分野(医療・福祉、建設、警備、運輸など)の事業主が対象「ご相談は無料」。1回2時間、1事業主につき3回まで[5]管轄のハローワーク
都立職業能力開発センターの訓練生採用訓練修了予定者向けに求人票を提出(求人票のひな形をサイトで配布)費用の記載なし[6]各センターの就職支援担当

※2025〜2026年に公表された資料の記載をもとに整理しています。内容と条件は年度で変わるため、申込前に各窓口の最新情報を確認してください。

この表で大事なのは、右から2列目の「費用についての資料上の記載」です。人材確保の相談・コンサルティングと、ハローワークの職業紹介は、資料に無料と書かれています。いっぽう、求人受付、企業内実習、企業情報公開、訓練生採用は、参照した資料に費用の記載がありません。「東京都の支援だから全部無料」と思い込まず、申込の電話やフォームで費用の有無を先に聞いておくと、手戻りを防げます。

もうひとつ、東京都には「業界別人材確保ストラテジー促進事業」のように、業界団体を対象にした支援もあります。この事業は一般社団法人や事業協同組合などの団体が対象で、個別の企業は対象に含まれていません[7]。自社が業界団体の会員なら、団体経由で合同企業説明会などの取り組みが行われていないか、一度聞いてみる価値があります。

状況別|最初に使う窓口の選び方

窓口が8つもあると、どこから手を付けるか迷います。自社の状況から逆算すると、最初の一手は次のように選べます。

自社の状況最初に使う窓口選ぶ理由
求人票や面接のどこが悪いのか分からない人材確保相談窓口(無料コンサル)採用活動全体への助言を受けられ、求人票・面接・定着まで見直せる
すぐに応募の受け皿がほしいハローワークの求人申込み職業紹介が無料のサービスとして案内されており、応募の入口を早く作れる
訓練修了予定者に、自社の求人を届けたい都立職業能力開発センターの訓練生採用センターの案内では科目ごとに希望職種と就職活動の開始時期が示され、時期を合わせやすい
入社後のミスマッチが心配企業内実習実習で求職者の能力・適性を確認でき、計画づくりから修了まで支援される
人手不足分野(医療・福祉、建設、警備、運輸など)で労務も整えたい雇用管理改善コンサルティング社会保険労務士の訪問を、1回2時間・1事業主3回まで無料で受けられる
業界全体で人が採りにくい所属する業界団体への確認東京都の業界別の支援は団体が対象で、団体経由で合同説明会などが実施される場合がある

最初の一手を決めたら、同時に動かす窓口は2〜3つまでに絞るのがおすすめです。窓口を一度に増やすと、数字の記録と振り返りが追いつかなくなります。

【要点】 東京都の採用支援は、窓口が分かれているのが前提です。「無料と明記されたもの」と「費用の記載がないもの」を分けて、申込前に確認します。

人材確保相談窓口の無料コンサルでできること・できないこと

8つのうち、採用の課題そのものに踏み込んでくれるのが、東京しごと財団の人材確保コンサルティングです。令和4年度の好事例集には、仕組みがまとまって載っています[3]。対象は東京都内に本社または主たる事業所があり、従業員300名以下の中小企業等(別途要件あり)です。コンサルタントが企業を訪問し、採用活動への助言やノウハウを提供します。

項目令和4年度の事例集に載っている内容
実施回数採用課題に沿って上限5回(目安は2週間に1回程度)
期間申込みから終了までの平均は約3か月。終了後3か月間はアフターフォローで相談できる
主な支援項目自社の魅力と募集人材像の整理/求人票の作成・改善/面接方法の見直し/定着・育成に関する支援
支援企業の規模令和4年度は341社。従業員0〜20人が50.4%、21〜50人が23.2%
できないこと人材の紹介・あっせんは行っていない(都内ハローワークなどへの求人申込みのサポートは行う)

※令和4年度の実績に基づく内容です。現在の対象要件・回数・期間は、窓口で最新の案内を確認してください。

従業員20人以下の企業が半数を占めている点は、小さな会社にとって心強い材料です。人事担当者がいない会社でも、窓口に相談することで、求人票や面接の見直しから着手できます。

事例集には、10社の取り組みが紹介されています。業種と課題、結果の一部を抜き出すと次のとおりです。

業種主な課題採用結果(事例集の記載)
専門・技術サービス業応募数が少ない土木施工管理2名
情報通信業応募がほぼゼロ経験者2名
製造業中途採用のノウハウ不足6名
医療・福祉1年後の開設に向けて約10名の採用が必要9名(パート含む)
医療・福祉早期離職3名(内定承諾率が高かったと記載)

※事例集に掲載された個社の結果です。すべての企業で同じ成果になるとは限りません。企業名は省略しています。

ここで押さえたいのは、事例集に載る支援項目が「助言」中心で、候補者の紹介のほか、スカウトの送信や面接日程の調整まで担うとは記載されていない点です。助言を受けて手を動かすのは企業側です。5回の相談を、①魅力の整理、②求人票の改善、③面接の見直し、④定着、⑤振り返り、のように使い道を決めて臨むと、1回あたりの価値が上がります。

相談5回の使い方モデル

上限5回の相談は、順番を決めて使うと効果が出やすくなります。次の表は、回数の使い方の一例です。

回相談のテーマ次回までの宿題
1回目採用課題の洗い出し(応募・辞退・定着のどこが最大の課題か)直近1年の応募数・面接数・入社数を数字で出す
2回目自社の魅力と募集人材像の整理現場社員2〜3名に、入社を決めた理由を聞く
3回目求人票の作成・改善改訂した求人票を公開し、応募数を記録する
4回目面接方法の見直し質問と評価基準を1枚にまとめ、次の面接で使う
5回目定着・育成と全体の振り返り入社後の面談日と、半年後の確認日を決める

※窓口の公式メニューではなく、弊社が回数の使い方として整理した一例です。

宿題を実行できたかどうかが、3か月の成果を分けます。相談日の前日に、前回の宿題の結果をメモにまとめておくと、限られた回数を無駄にしません。

採用費0円で母集団をつくる7つの手順

ここからが本題です。無料の窓口を、順番に使い切るための手順を示します。各手順には、企業側の準備物と担当を添えました。

  1. 採用要件を1枚にまとめる|誰を、何名、いつまでに、どんな条件で採るかを書き出します。担当は経営者と現場責任者です。窓口に行く前にこの1枚があるだけで、相談の質が変わります。
  2. ハローワークに事業所登録し、求人を出す|管轄のハローワークで事業所登録と求人申込みを行います。職業紹介は無料のサービスとして案内されています。求人票は、現場の社員が読んで「自社の仕事だ」と思える内容にします。
  3. 人材確保相談窓口に申し込み、求人票と面接を見直す|東京しごと財団の相談窓口に申し込みます。上限5回という前提で、毎回「次回までに直すこと」を1つ決めます。担当は採用責任者です。
  4. 東京しごとセンターに求人を預け、採用イベントに出る|求人受付とイベント出展を組み合わせます。イベントでは、社員が自分の言葉で仕事を話せるよう、当日の台本を用意します。着席した方には、その場で次の面談日を提案します。
  5. 都立職業能力開発センターに訓練生採用の求人票を出す|センターのサイトからひな形を取得し、就職支援担当に提出します。センターの案内では、科目ごとに希望職種と就職活動の開始時期が示されているため、自社の職種に近い科目を選んで時期を合わせます。
  6. 企業内実習で、入社前に相互理解を深める|企業内実習は、計画づくりから求職者とのマッチング、修了までを支援する仕組みです。実習で能力と適性を確認できれば、入社後のミスマッチを減らせます。
  7. チャネル別に数字を記録し、次の窓口を選ぶ|応募数、面談数、内定数、入社数を、窓口別に月1回まとめます。効いた窓口には回数を増やし、効かない窓口は条件や話し方を見直すか、使うのをやめます。

【注意点】 「採用費0円」とは、広告費や紹介手数料がかからないという意味です。求人票づくり、面談、イベント準備などの社内工数は発生します。工数を見積もらずに窓口を増やすと、どれも中途半端になります。

手順の順番にも意味があります。手順1〜3で「自社の言葉」を整えてから、4〜6で人と会う場に出ます。順番を逆にして、先にイベントに出てしまうと、伝える内容が固まっておらず、着席しても後日の面談につながりにくくなります。

手順5の訓練校・職業訓練のチャネルは、弊社の支援でも成果の出ている領域です。電話・訪問・公共事業への参加で提携職業訓練校を2校から42校に広げ、無料で25応募を得ています。

手順ごとの準備物と担当の目安

手順事前に用意するもの主な担当完了の目安
1 採用要件職種・人数・時期・条件、現場の困りごとメモ経営者・現場責任者社内で合意が取れている
2 ハローワーク事業所情報、労働条件の確定した求人票採用担当求人が公開され、問い合わせ先が決まっている
3 相談窓口直近の応募・面接・入社の数字、現行の求人票採用責任者次回までの宿題が毎回1つ決まっている
4 イベント1枚資料、社員が話す台本、面談日の候補採用担当・現場社員着席者全員に次の連絡手段を渡している
5 訓練生採用求人票のひな形、希望職種と就職活動の時期採用担当就職支援担当に提出済み
6 企業内実習実習の内容と期間、受け入れ担当者現場責任者実習の計画が書面になっている
7 振り返り窓口別の数字の記録表採用責任者月1回、数字を見て次の手を決めている

自治体の合同説明会・採用イベントで着席を増やす3つの準備

  1. 看板の1行を決める|「どんな人に来てほしいか」を、ブースの看板と資料の冒頭に1行で書きます。大手の多い会場では、職種と働き方を絞ったほうが足を止めてもらえます。
  2. 社員が自分の言葉で話す|説明役は、人事より現場の社員のほうが伝わります。1日の仕事の流れと、入社後に任せたい仕事を2分で話せるよう、事前に練習します。
  3. その場で次の約束をする|着席した方には、後日面談やカジュアル面談の日程をその場で提案し、連絡手段を交換します。熱が冷める前に会うほど、面談につながりやすくなります。

弊社でも、説明会そのものを代行して回数を担保する取り組みを行い、2026年1〜2月に6回実施しました。イベントは1回で結果を判断せず、回数を重ねて話し方を磨く前提で臨むのがコツです。

※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

3か月で回す|無料チャネルの運用スケジュールと記録項目

手順がわかっても、いつ何をするかが決まっていないと、日常業務に押されて止まります。3か月を1つの区切りにして、月ごとの目標を置くと動かしやすくなります。

時期進める手順月末に見る数字
1か月目手順1〜3:採用要件の整理、ハローワーク求人、相談窓口の申込と初回相談求人の公開日、初回相談の宿題の実行状況
2か月目手順4〜5:イベント出展の準備、訓練生採用の求人票の提出着席数、後日面談数、訓練校・センターからの問い合わせ数
3か月目手順6〜7:企業内実習の検討、窓口別の振り返り窓口別の応募数・面談数・内定数と、かかった工数

※3か月は目安です。採用人数や職種、窓口の開催日程によって前後します。

月末に見る数字は、窓口別の記録表にまとめます。記録する項目は多くなくて構いません。次の6つがそろえば、どの窓口に力を入れるかを判断できます。

記録項目意味使い道
応募数窓口経由で届いた応募・問い合わせの件数入口の量を窓口ごとに比べる
面談・面接数実際に会った人数応募から面談への歩留まりを見る
内定数・入社数選考を通過した人数、入社した人数最終的な成果を確認する
かかった工数準備と対応にかけた時間「無料」の窓口でも工数を見積もる
候補者の声辞退や不採用の理由求人票や面接の改善点を見つける
次回の打ち手数字を見て決めた次の一手振り返りを次の行動につなげる

弊社の支援先では、媒体掲載の開始から2週間で38応募が集まった例があります。応募の反応は、動き出してから早い段階で出ます。逆にいえば、3か月たっても数字が動かない窓口は、条件や伝え方を見直すサイン、または別の窓口へ回すサインです。歩留まりの見方は、採用ファネルの考え方で整理しておくと、窓口ごとの比較がしやすくなります。

※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

無料チャネルを組み合わせた2社の実例(Before/After)

実際に、公的な枠や無料チャネルを組み合わせると、数字はどう動くのでしょうか。弊社の支援先2社を紹介します。

事例①:従業員8名のインフラ系SES会社

創業以来、初めての採用に取り組んだ会社です。エージェント紹介のみで母集団の質と単価が高く、採用費もかけられない状況でした。県主催の説明会は大手が多く、着席は1名でした。そこで、訓練校と公共事業をリサーチして説明会の枠を獲得し、採用費0円で母集団づくりを進めました。資料と話し方は助言して内製化を進めつつ、代行で回数を担保しています。県主催の説明会は埼玉県のものですが、公的な枠で求職者と出会う手順は、東京都内の企業でもそのまま使えます。

事例②:従業員21名の飲食店WEB集客コンサルティング会社

人事チームがゼロの状態から始めた会社です。エージェント経由の採用単価が高く、外注したスカウトは応募0件でした。打ち手は、中途入社7名への社員インタビューからのペルソナ設定、魅力を出した求人票と媒体別のABテスト、エージェントからRe就活・マイナビ転職(転職フェア)へのスイッチなどです。あわせて、東京都の支援サービスを使った無料採用と、媒体費用の交渉も行いました。

結果は次の表のとおりです。ただし、事例②の数字は複数の施策を合わせた結果であり、東京都の支援サービス単独の効果ではありません。

項目BeforeAfter
【事例①】職業訓練校3校19校
【事例①】エージェント以外からの応募0件13件(4か月)
【事例①】説明会1年に1回(県主催の説明会は着席1名)4か月で7回、80名に直接アプローチ
【事例②】採用人数6人10人(総採用予算は前年より減)
【事例②】平均採用単価約120万円(エージェント中心)約40万円(約半分)
【事例②】有効応募スカウト550通で応募15件(会いたい人がいない)条件と文面を組み直し、有効応募106件(支援期間中の合計)
【事例②】Re就活のスカウト開封率30.6%60.7%(応募27件増)
【事例②】転職フェアの着席数比較対象:会場平均28.2名着席49名、後日面談14名

※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

事例②の転職フェアは、着席49名・後日面談14名で、比較対象の会場平均は28.2名です。会場平均はこの会社のBeforeの数字ではないため、比較の基準として読んでください。採用単価の内訳と下げ方は、採用単価を下げる7つの方法で計算式つきで解説しています。

この2社に共通するのは、無料チャネルを「単発」で終わらせず、数字を見て次の手を決めている点です。東京都の窓口は、その入口として使いやすい仕組みです。

無料支援で足りるか、採用代行に任せるか|判断基準と費用の試算

無料の窓口は、うまく使えば強力です。しかし、すべての会社が無料支援だけで採用できるわけではありません。判断の軸は、社内に動ける人と時間があるかどうかです。

確認すること無料支援中心で進めやすい目安外部への依頼を検討する目安
動ける担当者週に数時間を、採用に使える担当者がいる担当者が兼務で、相談の宿題を実行する時間がない
採用人数と期限1〜2名で、半年以上の余裕がある複数名を、3〜4か月以内に採りたい
職種の母集団公的窓口の利用者層と職種が合う専門職などで、公的窓口だけでは会えない
求人票・面接の質助言をもとに自社で直せる直す工数がなく、応募が来ない状態が続く
実行の範囲説明会や面談を自社で運営できるスカウト送信・説明会運営・日程調整まで手が回らない

右の列に多くあてはまる場合は、採用代行との併用が現実的です。東京都のコンサルは助言が中心なので、実行の部分を採用代行が担う形です。

費用の目安を、試算で示します。弊社の料金は月額固定で、ライト30万円・スタンダード50万円・プレミアム80万円です。採用時の手数料はありません。※2026年8月時点の料金たとえばライトの30万円を推奨期間の6か月で契約すると、180万円です。いっぽう、人材紹介は年収500万円の人材なら手数料率30%で1名150万円です(試算)。2名を採れば、採用代行のほうが総額を抑えられる計算になります。どちらも「例」の試算であり、実際の費用は条件で変わります。

おまかせ採用は、初回の打ち合わせから最短5営業日で開始でき、1名の採用から依頼できます。設計・実行・内定後の3フェーズ18業務を、推奨6か月で内製化まで伴走し、ノウハウとデータが会社に残ります。契約継続率は100%です(2026年8月時点)。無料チャネルの開拓も業務に含まれるため、東京都の窓口と組み合わせた運用も設計できます。中小企業向けの採用代行を比べたい場合は、中小企業向け採用代行おすすめ5選も参考にしてください。

無料支援と採用代行を併用するときの分担例

併用する場合は、助言をもらう部分と、手を動かす部分を分けると運用が安定します。

  • 無料の窓口で行うこと|ハローワークへの求人申込み、人材確保相談窓口での助言、訓練生採用の求人票の提出、採用イベントへの出展申込み。
  • 採用代行に任せること|スカウトの作成と送信、説明会やカジュアル面談の運営、面接の日程調整、応募数・面談数の分析と改善提案。
  • 自社に残すこと|採用要件の最終判断、面接での見極め、内定の意思決定、入社後の受け入れ。

この分担にすると、無料窓口の助言を、採用代行が実行に移す流れが作れます。自社に残す部分を決めておくと、契約期間の終了後も運用を続けやすくなります。

申込前に確認したい5つの注意点

  1. 最新の募集要項を確認する|公的な事業は年度ごとに内容が変わります。この記事で参照した資料は2025〜2026年の公表分で、令和4年度の実績も含みます。申込前に、公式サイトか窓口で最新の条件を確認してください。
  2. 対象要件を確認する|人材確保コンサルは、令和4年度は都内に本社または主たる事業所があり、従業員300名以下が対象でした。業種や雇用形態で条件が付く事業もあります。
  3. 「無料」の範囲を確認する|資料に費用の記載がないサービスは、申込時に「費用はかかりますか」と聞きます。回答はメモに残します。
  4. 無料をうたう求人広告の勧誘に注意する|「無料掲載」と説明されたあとで、多額の広告料金を請求される事案が労働局から注意喚起されています[10]。掲載期間、無料期間終了後の料金、解約方法を確認してください。
  5. 求人票の労働条件明示を見直す|2024年4月から、就業場所・業務の変更の範囲、有期契約の更新上限の有無と内容、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件が、明示事項に加わりました[8]。無料の窓口に出す求人票も、この内容で整えます。

5番目は特に見落としやすい点です。窓口に求人票を出す前に、自社の雇用契約書の書式と照らして確認しておくと、後から差し替える手間を避けられます。求人票の書き方そのものは、別の記事でテンプレートつきで紹介していますので、あわせて確認してください。

よくある質問

Q. 東京都の採用支援は、本当に無料で使えますか?

A. 人材確保の相談・コンサルティングは、東京しごと財団の資料に「ご利用は無料です」と明記されています。ハローワークの職業紹介も、無料のサービスとして案内されています。いっぽう、求人受付、企業内実習、訓練生採用などは、参照した資料に費用の記載がありません。申込時に窓口で費用の有無を確認してください。

Q. 従業員が少ない会社でも使えますか?

A. 令和4年度の人材確保コンサルは、都内に本社または主たる事業所がある従業員300名以下の中小企業等が対象でした。支援先341社のうち、従業員0〜20人が50.4%を占めています。現在の要件は年度で変わるため、窓口で最新の条件を確認してください。

Q. 東京都の窓口で、人材を紹介してもらえますか?

A. 人材確保コンサルティングは、人材の紹介・あっせんは行わず、採用活動への助言が中心です。求職者の紹介を受けたい場合は、ハローワークの職業紹介や、東京しごとセンターの求人受付・採用イベントを使います。

Q. 東京都以外の会社でも、東京都の支援を使えますか?

A. 東京都の事業は、都内に事業所がある企業が対象になるものが中心です。他県の会社は、所在地の都道府県や市区町村の就職支援窓口、労働局、ハローワークを確認してください。弊社の支援先にも、埼玉県の説明会や訓練校を使って母集団をつくった会社があります。

Q. 無料の支援だけで採用できますか?

A. 無料支援だけで採用に至る企業もありますが、採用が決まるとは限りません。担当者の時間、採用人数と期限、職種と窓口の相性で結果が変わります。社内で手が回らない場合は、実行の部分を採用代行に任せる選択肢もあります。

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無料の窓口を使いたいが、求人票の見直しも説明会の運営も社内で手が回らない。そんなときは、実行の部分をおまかせ採用が担います。弊社の支援先では、入社の4割超が採用費0円のチャネルから生まれており、採用単価は約120万円から約40万円になった例もあります。月額30万円からの固定料金で、1名の採用からご相談いただけます。

※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

参考資料

  1. 東京しごと財団「企業向けサービスのご案内」リーフレット(令和7年度版)
  2. 東京しごと財団「企業向けサービス(東京しごとセンター多摩)」令和8年5月発行
  3. 東京しごと財団「令和4年度 人材確保コンサルティング好事例集」
  4. 東京ハローワーク「ハローワークの職業相談・職業紹介サービスのご利用に当たって」
  5. 東京ハローワーク「雇用管理改善等コンサルタントによる事業主支援」
  6. 東京都立中央・城北職業能力開発センター「訓練生採用のお願いについて」(令和7年12月8日付)
  7. 東京都 報道発表「令和8年度『業界別人材確保ストラテジー促進事業』団体募集」(2026年4月9日)
  8. 静岡労働局(厚生労働省)「労働条件明示のルールが変わります(2024年4月)」
  9. リクルートワークス研究所「中途採用実態調査」
  10. 高知労働局(厚生労働省)「求人広告の掲載をめぐるトラブルにご注意ください」

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