この記事は、職業訓練校に求人を出したい企業の採用担当者・経営者に向けて書いています。(訓練を受講する側の方に向けた内容ではありません。)
求人媒体に掲載しても応募が来ない、かといって媒体費をこれ以上増やせない。そんな会社にとって、職業訓練校は数少ない「採用費0円で母集団を作れるルート」です。ところが、企業がどう関わればいいのかを解説した情報はほとんどありません。検索しても出てくるのは自治体や施設の案内ページばかりで、実際の進め方が分からないまま止まっている会社が多いのが実情です。
この記事では、企業が職業訓練校に求人を出すまでの5ステップを、対象校の探し方から説明会枠の交渉まで具体的に整理します。
この記事でわかること
- 企業が職業訓練校に求人を出す方法と、求人申込・説明会・人材情報誌という3つの接点
- 職業訓練校を採用に使うメリットと、向いている職種・向いていない職種の見分け方
- 企業側の担当者が訓練校の企業説明会に参加するまでの段取りと、成果が出るまでの時間軸
企業から見た職業訓練校|4つの接点
まず、企業の立場から制度を整理します。職業訓練(ハロートレーニング)は、主に離職者を対象とした公的な職業訓練制度で、離職者訓練と求職者支援訓練に分かれます[1]。実施しているのは、都道府県立の職業能力開発センター、独立行政法人が運営するポリテクセンター、そして民間に委託された訓練機関です。
企業の採用担当者にとって重要なのは、これらの施設が「修了予定者の就職先を探している」という点です。訓練施設側にも就職率という指標があり、求人を出す企業は歓迎されます。ここが求人媒体との決定的な違いです。
求人媒体は、企業が費用を払って掲載枠を買う関係です。これに対して訓練施設は、企業と修了予定者を結びつけることが本来の役割の一部になっています。つまり、企業は「お願いする側」ではなく、施設にとっても必要な相手です。この関係性を理解しておくと、最初の連絡がしやすくなります。実際、多くの施設が企業向けの案内ページを用意し、求人の受付方法や説明会の実施について公開しています。
企業が関われる接点は、主に4つあります。
| 接点 | 企業側がやること | 得られるもの | 費用 |
|---|---|---|---|
| ①求人の申込 | 施設に求人票を提出する。指名求人(特定の受講生を指定)と一般求人(全受講生に公開)がある | 修了予定者への直接の募集告知 | 0円 |
| ②求職者人材情報誌 | 施設に送付を依頼する。修了3か月前を目途に作成される | 受講生の職歴・資格・希望職種を見て検討できる | 0円 |
| ③企業説明会 | 施設に相談して開催枠をもらう | 訓練生に直接、仕事内容を説明できる | 0円 |
| ④施設見学・訓練内容の確認 | 施設に連絡して見学を申し込む | どんなスキルを持った人が出てくるか把握できる | 0円 |
※ポリテクセンター関東および東京都立職業能力開発センターの公開情報をもとに整理しています。実施内容・名称は施設や地域によって異なります。
②の求職者人材情報誌は、とくに見落とされやすい接点です。修了3か月前を目途に作成され、受講生の職歴・資格・希望職種が掲載されます[3]。媒体に掲載せずに、修了予定者の情報を先に見られるという点で、他のチャネルにはない性質を持っています。
③の企業説明会も、施設側が積極的に受け入れています。企業が訓練生に直接説明できる場を用意している施設は少なくありません(詳細は後述のステップ④で扱います)。
【最初に理解しておくこと】 職業訓練校のルートは「掲載して待つ」チャネルではありません。施設の担当者と関係を作り、枠をもらうチャネルです。求人媒体と同じ感覚で臨むと、求人票を1枚出して終わりになります。
なぜ企業側の情報が少ないのか
検索しても企業向けの解説が出てこない理由は、シンプルです。制度の窓口が地域ごとにバラバラで、全国共通の手順が存在しないからです。都道府県立の施設、ポリテクセンター、民間委託訓練機関でそれぞれ運用が違い、施設ごとに担当部署も連絡先も異なります。
このため、まとまった解説を書けるのは各施設自身だけで、結果として自治体や施設の案内ページしか情報がない状態になっています。裏を返せば、手順さえ分かれば競合が少ないチャネルだということです。求人媒体には同業他社が並びますが、訓練施設との関係づくりに手間をかけている会社は限られます。
採用市場の状況も押さえておきます。厚生労働省の一般職業紹介状況によると、2026年7月の有効求人倍率は1.18倍、新規求人倍率は2.10倍でした[5]。有料媒体での競争が厳しくなるほど、他社がやっていないルートの価値は上がります。
弊社「おまかせ採用」では、電話・訪問・公共事業への参加で提携職業訓練校を2校→42校に開拓し、無料で25応募を獲得しました。支援先全体では、入社の4割超が採用費0円のチャネル(無料媒体・自治体支援・リファラル)からです。※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。
職業訓練校ルートが向いている企業・職種
すべての採用に効くわけではありません。企業側から見た向き不向きを整理します。
| 向いている | 向いていない | |
|---|---|---|
| 職種 | 訓練コースが存在する職種(機械加工・電気設備・溶接・建築・自動車整備・輸送機械運転・介護・経理事務・Webデザイン・プログラミング など) | 訓練コースが存在しない専門職、管理職、特定業界の経験者のみ |
| 経験 | 未経験〜基礎スキル習得済みの層を採りたい | 即戦力の実務経験者を採りたい |
| 育成体制 | 入社後に育てる体制がある | 入社直後から独力で回してほしい |
| 採用時期 | 修了時期に合わせて待てる | 今月中に欠員を埋めたい |
| 予算 | 媒体費をかけられない | 予算があり、スピードを優先したい |
※整理表です。実施されているコースは地域・年度によって異なります。
いちばん重要なのは「訓練コースが存在する職種か」です。訓練校は、そのコースで学んだ人が修了してくる場所なので、コースが無い職種の人はそもそもいません。自社の募集職種に対応するコースがあるかどうかを、最初に確認してください。
2番目は育成体制です。訓練校の修了生は、基礎的なスキルと資格を持っていますが、実務経験はこれからという方が中心です。入社後に育てる前提が無い会社では、期待とズレます。
3番目は採用時期の幅です。訓練コースには修了時期が決まっているため、企業側が時期を選べません。今月中に欠員を埋めたい状況では使えず、3〜6か月先を見て動くチャネルです。ここを理解せずに始めると、「連絡したのに誰も来ない」という評価になってしまいます。
一方で、訓練校ルートには媒体にはない利点が3つあります。
- 学習意欲が確認済みである:数か月の訓練を修了する(予定の)方々なので、学ぶ姿勢は一定の水準にあります
- 基礎スキルと資格が揃っている:完全な未経験者を採るより、入社後の立ち上がりが早くなります
- 競合が少ない:同じ施設に求人を出している会社は、媒体の競合数に比べれば圧倒的に少ないのが実情です
【判断の目安】 「未経験でも育てる前提があり、採用時期に3〜6か月の幅を持たせられる」。この2つを満たすなら、訓練校ルートは有力な選択肢です。どちらか一方でも満たせない場合は、有料媒体やスカウトと併用する形にしてください。母集団を作る手段の全体像は母集団形成の8つの手法|量と質を両立するKPI設計と進め方で整理しています。
企業が職業訓練校に求人を出す5ステップ
ここからが本題です。企業側の実務を5つのステップに分けます。
- 対象校を洗い出す:自社の募集職種に対応するコースを実施している施設を、地域単位でリストにする
- 最初の連絡を入れる:担当部署に電話し、求人受付の方法と修了時期を確認する
- 求人票を提出する:施設の様式に沿って求人を申し込む。指名求人と一般求人の使い分けを決める
- 企業説明会の枠を依頼する:求人票の提出とあわせて、訓練生向けに説明する機会をもらう
- 修了時期に合わせて接点を継続する:年に複数回ある修了時期に合わせ、毎回アプローチする
この5ステップのうち、多くの会社が1と2で止まります。リストを作って電話するだけの作業ですが、日常業務の合間にやり切るのが難しいからです。逆に言えば、ここをやり切れる会社にとっては競合の少ないチャネルになります。
各ステップの所要時間の目安は次のとおりです。全体像を先に押さえておくと、社内で工数を確保しやすくなります。
| ステップ | 企業側の作業 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| ①対象校の洗い出し | 地域の施設を調べてリスト化 | 半日程度(20校) |
| ②最初の連絡 | 1校あたり10〜15分の電話 | 20校で2〜3日 |
| ③求人票の提出 | 様式に合わせた作成と送付 | 初回2〜3時間、以降は流用可 |
| ④説明会枠の依頼 | 依頼の連絡と日程調整 | 1校あたり30分程度 |
| ⑤接点の継続 | 修了時期ごとの連絡 | 月3〜5時間程度 |
※当社推計/業界相場目安。施設数・地域・職種によって前後します。
初月にまとまった時間が必要で、そのあとは維持の工数に移るという形です。最初の1か月をどう確保するかが、このチャネルを使えるかどうかの分かれ目になります。
ステップ①②|企業側が対象校を探し、最初の連絡を入れる
対象校の洗い出し方
施設は大きく3種類あります。企業側が探す順番としては、次のとおりです。
- 都道府県立の職業能力開発センター・技術専門校:自治体の労働・産業部門のサイトに一覧があります。名称は「◯◯県立◯◯高等技術専門校」「都立◯◯職業能力開発センター」など地域で異なります。検索するときは「◯◯県 職業能力開発 企業 求人」のように企業向けの語を入れると、受講希望者向けのページに埋もれずに済みます
- ポリテクセンター(独立行政法人が運営):ものづくり系のコースが中心。企業向けの案内ページを持っている施設が多くあります
- 民間委託の訓練機関:施設数が多く、事務・IT・介護系のコースを実施していることが多い。ハローワークの担当者に聞くと把握できます
リストに入れるのは、自社の拠点から通勤圏にある施設です。訓練生は地元で就職先を探す傾向があるため、遠方の施設に手を広げても実りにくくなります。最初は通勤1時間圏内で区切ってください。
リスト化するときに列に入れておく項目は5つです。施設名/実施コース/修了時期/担当部署と電話番号/最終接触日。この表が、そのまま翌年以降の資産になります。
最初の電話で聞くこと
いきなり求人票を送るのではなく、電話で確認するのが確実です。施設ごとに運用が違うため、様式も窓口も統一されていないからです。
| 聞くこと | なぜ聞くか |
|---|---|
| 求人の受付方法と様式 | 施設独自の様式がある場合が多い |
| 次の修了時期と人数の目安 | アプローチのタイミングを逆算するため |
| 指名求人と一般求人の使い分け | ポリテクセンターでは両方の仕組みがある |
| 求職者人材情報誌の送付可否 | 修了3か月前を目途に作成される |
| 企業説明会の枠がもらえるか | 実施可否と申込方法は施設によって異なる |
| 施設見学ができるか | 訓練内容を把握すると求人票の精度が上がる |
※ポリテクセンター関東および東京都立職業能力開発センターの公開情報をもとに整理。運用は施設によって異なります。
電話で名乗るときは、会社名・所在地・募集職種・採用予定人数を先に伝えてください。担当者が判断しやすくなり、話が早く進みます。「御社のコースの修了予定者に、当社の求人をご案内いただけないか」という切り出し方が、いちばん通りがよい形です。
かける先の部署名も施設によって違います。「就職支援担当」「訓練課」「業務課」などが一般的で、代表番号にかけて「修了予定者への求人についてご相談したい」と伝えれば、担当部署につないでもらえます。最初から正しい部署名を知っている必要はありません。
なお、断られることもあります。コースの実施状況や時期の都合で受け付けていない場合です。その場合も、次の募集時期を聞いてリストに記録しておいてください。断られた施設が、翌年は受け入れ可能になることは珍しくありません。1回の可否で終わらせず、リストに残すのがこのチャネルの基本動作です。
【1日でできる作業量の目安】 リスト作成に半日、電話は1件10〜15分程度です。20校リストアップして順に電話をかければ、2〜3日で接点の有無が判明します。まとまった時間を確保して一気に進めるほうが、少しずつやるより早く終わります。
ステップ③|訓練生に届く求人票の書き方
求人票の提出は、施設によって様式が異なります。ハローワークに登録済みの求人票の写しを使える施設もあれば、独自様式を求める施設もあるため、ステップ②の電話で確認してください[2]。
企業側が意識すべきなのは、訓練修了予定者にとって判断材料になる情報を書くことです。媒体向けの求人票をそのまま出すと、伝わりません。
書いておきたい項目は6つです。
- 未経験可かどうかを明記:訓練校ルートで応募してくる層に最も効く情報です。「経験者優遇」とだけ書くと敬遠されます
- 入社後の育成期間と内容:同乗期間、OJTの担当、独り立ちまでの目安。ここが書ける会社は強い
- 訓練で学んだスキルがどう使われるか:「訓練で扱った◯◯の技能を、当社では△△の工程で使います」と接続する
- 資格取得の支援:訓練校で取った資格に加えて、入社後にどの資格を取れるか
- 給与の内訳とモデル年収:基本給・手当・賞与の内訳。未経験入社時のモデルを示す
- 職場の実態:人数構成、年齢層、1日の流れ。抽象的な社風ではなく具体を書く
とくに2番の育成期間は、他社との差がつきやすい項目です。「丁寧に指導します」ではなく、「最初の3か月は先輩社員が同行し、4か月目から単独で担当します」と書けるかどうか。訓練を終えたばかりの方にとって、入社後の道筋が見えるかどうかは大きな判断材料になります。
3番の「訓練で学んだスキルがどう使われるか」も、施設見学をしていれば書けます。ステップ②で施設見学を申し込んでおくと、この記述の精度が上がります。訓練の内容を知らないまま書いた求人票と、見学したうえで書いた求人票では、具体性がまったく違います。
あわせて、労働条件の明示ルールも確認してください。2024年4月から、労働者の募集や求人の申込みの際に明示しなければならない労働条件が追加され、就業場所・業務の変更の範囲、有期契約の更新上限などが明示事項になりました[6]。訓練施設に提出する求人票も募集の一環ですから、媒体向けの求人票を更新していない会社は、この機会に整備しておく必要があります。
【求人票を出す前のチェック】 ①未経験可の明記、②育成期間の具体、③訓練スキルとの接続、④給与の内訳、⑤2024年4月の明示事項への対応。この5点が入っているかを、提出前に確認してください。
ステップ④|企業説明会の枠をもらう交渉
求人票を出しただけでは、訓練生にとって「紙の1枚」です。差がつくのは、企業説明会で直接話せるかどうかです。
施設側も説明会を歓迎しています。東京都立城東職業能力開発センターは、企業の「会社のことをよく知って欲しい」「求人の応募を増やしたい」という要望に応えるために会社説明会を実施しており、訓練生が仕事内容を理解したうえで応募できるためミスマッチを防げるとしています[4]。ポリテクセンター関東も、求人を検討している企業の説明会を適宜実施していると案内しています。
枠をもらうために、企業側がやることは3つです。
- 求人票の提出とセットで依頼する:「求人を出させていただくのにあわせて、訓練生の皆さんに直接ご説明する機会をいただけませんか」と伝える
- 修了時期から逆算して連絡する:修了間際では枠が埋まっています。修了の2〜3か月前が目安です
- 話す内容を先に共有する:何を説明するのか(事業内容、仕事内容、1日の流れ、キャリアの道筋)を伝えると、施設側も調整しやすくなります
説明会で企業側が話す内容は、会社の宣伝ではなく「入社後に何をするか」に寄せてください。訓練生が知りたいのは、自分が学んだことがどう使われるのか、入社直後に何をさせられるのかです。会社の沿革を10分話しても、判断材料になりません。
資料は、写真と数字を中心に構成します。現場の写真、社員の年齢構成、1日のスケジュール、入社1年目の仕事の変化。この4点があれば、訓練生は自分が働く姿を想像できます。
持ち時間は施設によりますが、20〜30分程度のことが多くなります。この時間配分の目安は、会社紹介5分・仕事内容10分・入社後のキャリア5分・質疑応答5〜10分です。会社紹介を短くするほど、伝わる情報は増えます。
質疑応答で出やすい質問も、事前に答えを用意しておいてください。「未経験でも本当に大丈夫か」「入社後の研修はどれくらいあるか」「残業はどのくらいか」「資格取得の支援はあるか」——この4つはほぼ毎回出ます。その場で「確認します」となると、印象が下がります。
【説明会の質を上げる工夫】 可能であれば、若手社員を1名同行させてください。採用担当者が話すより、年齢の近い社員が「自分も未経験で入った」と話すほうが伝わります。訓練校ルートで入社した社員がいれば、なお効果的です。
ステップ⑤|修了時期に合わせて接点を継続する
訓練校ルートで最も差がつくのが、このステップです。1回きりの接触で終わる会社と、修了時期ごとに接触を続ける会社では、2年目以降の成果がまったく違います。
訓練コースは年に複数回の修了時期があります。修了時期が分かっていれば、その2〜3か月前に「今期も求人をお願いできますか」「説明会の枠はありますか」と連絡するだけで、接点が継続します。担当者に顔と社名を覚えてもらうことが、このチャネルの本質です。
継続のために、企業側で持っておく仕組みは2つです。
- 接触履歴の記録:いつ誰と話し、何を依頼し、どうなったか。担当者が変わっても引き継げる形にする
- 年間のアプローチ計画:どの施設のどの修了時期に、いつ連絡するかをカレンダーに入れておく
記録は、専用のシステムを入れる必要はありません。表計算ソフト1枚で十分です。施設名/担当者名/実施コース/修了時期/これまでの接触内容/次回連絡予定日。この6列があれば、担当者が変わっても引き継げます。
もう1つ、接点を強くする方法として採用に至らなかった場合の報告があります。求人を出して応募が無かった、あるいは応募はあったが採用に至らなかった場合でも、その結果を施設に伝えておくと、次回以降の紹介の精度が上がります。施設側も就職率を追っているため、企業からのフィードバックは歓迎されます。「報告する会社」は覚えられます。
この2つがあるだけで、翌年の動き出しが早くなります。採用単価を下げる取り組みとしては地味ですが、効き方は確実です。採用単価そのものの下げ方は採用単価を下げる7つの方法|1社平均650万円の内訳と計算式にまとめています。
成果が出るまでの時間軸と実例
企業側が知っておくべきなのは、このチャネルは即効性がないということです。実際にどのくらいで数字が動くのか、弊社の支援事例で示します。
インフラ系SES会社(従業員8名・エンジニア職・創業以来はじめての採用)の例です。課題は「訓練校を開拓したいが時間がない」「採用費をかけられない」「エージェント紹介のみで母集団の質と単価が高い」の3つでした。
| 項目 | Before | After(4か月) |
|---|---|---|
| 提携している職業訓練校 | 3校 | 19校 |
| エージェント以外からの応募 | 0件 | 13件 |
| 企業説明会の実施回数 | 1年に1回 | 4か月で7回 |
| 説明会での直接アプローチ人数 | ほぼゼロ(県主催の説明会は着席1名) | 80名程度 |
※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。
注目していただきたいのは、埼玉県主催の合同説明会では着席1名だったという点です。大手企業が多く出展する場では、知名度で埋もれます。同じ時間を訓練校での説明会に使ったことで、4か月で7回・80名程度への直接アプローチにつながりました。「どの説明会に出るか」ではなく「どのルートを開拓するか」に切り替えたことが転機です。
時間軸としては、次のように考えてください。
| 時期 | 起きること |
|---|---|
| 1か月目 | 対象校のリスト作成と最初の連絡。接点の有無が判明する |
| 2〜3か月目 | 求人票の提出、説明会枠の打診。施設によって反応が分かれる |
| 3〜4か月目 | 説明会の実施、修了時期に合わせた応募が発生し始める |
| 6か月目以降 | 接点が定着し、修了時期ごとに継続的な応募が見込める |
※目安です。地域・職種・施設の状況によって前後します。
今月の欠員を埋める手段ではなく、来年の採用力をつくる投資として位置づけてください。急ぎの補充が必要な場合は、有料媒体やスカウトと並行して進めることになります。
もう1つ、この事例が示しているのは開拓した数がそのまま成果につながるという点です。3校の時点では応募0件でしたが、19校になって13件の応募が生まれました。1校あたりの応募数が劇的に増えたわけではなく、母数を増やしたことが効いています。訓練校ルートは、1校との関係を深めるより、まず接点の数を増やすほうが先です。
弊社が全社合計で提携訓練校を2校→42校に開拓しているのも、同じ考え方によるものです。電話と訪問を積み重ねるという、手法としては単純な作業の繰り返しです。※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。
自社でやるか、外注するか
最後に、企業側の判断です。訓練校ルートは特別な専門知識が要るわけではなく、電話と訪問の積み重ねです。やり切れるなら自社で十分できます。
判断の軸は3つです。
- 月に何時間使えるか:リスト作成と電話で初月は10〜15時間、以降は月3〜5時間程度が目安です※当社推計/業界相場目安
- 説明会に出る人を出せるか:資料作成と当日の登壇に、1回あたり半日程度かかります
- 継続する仕組みを持てるか:修了時期ごとの接触を、担当者が変わっても続けられるか
| 自社の状況 | 進め方 |
|---|---|
| 時間があり、説明会に出る人も出せる | 自社で開拓する。最初の20校を自分でリスト化する |
| 時間はないが、説明会には出られる | 開拓と日程調整を外注し、説明会は自社で登壇する |
| どちらも難しい | 説明会の代行まで含めて委託する |
| すでに数校と接点がある | 接触の継続と記録の仕組みづくりから着手する |
※判断の目安です。実際の進め方は採用計画と職種によって異なります。
外注する場合も、全部を任せる必要はありません。開拓の電話とリスト管理は外に出し、説明会の登壇は自社で行うという分け方が、費用対効果としては優れています。訓練生が知りたいのは現場の話なので、実際に働いている会社の人が話すほうが伝わるからです。
逆に、最初の20校への電話だけを外に出すという使い方もあります。ここさえ越えれば、あとは修了時期ごとの連絡が中心になり、社内の工数でも回せます。立ち上げの山を越えるために外注し、運用に入ったら内製に戻すという進め方が現実的です。
弊社は企業説明会そのものの代行も行っており、2026年1〜2月には6回実施しました。資料と話し方を助言して社内で回せるように内製化を進めながら、代行側で回数を担保する形も取っています。※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。
【まず1校から始める】 全部を一度にやろうとせず、通勤圏の1校に電話するところから始めてください。1校で流れが分かれば、2校目以降は同じ手順の繰り返しです。中小企業向けの採用支援の比較検討から入りたい場合は、中小企業向け採用代行おすすめ5選|300名以下の費用比較表もご覧ください。
よくある質問
Q1. 企業が職業訓練校に求人を出すのに費用はかかりますか?
かかりません。求人の申込、求職者人材情報誌の送付依頼、企業説明会の実施、施設見学のいずれも、企業側の費用負担はないのが一般的です。かかるのは、対象校を調べて連絡する手間と、説明会に出る時間です。弊社の支援先全体では、入社の4割超が採用費0円のチャネルからです(2026年8月時点)。
Q2. 求人を出すのにハローワークの求人票は必要ですか?
施設によって異なります。ハローワークに登録済みの求人票の写しを使える施設もあれば、独自様式を求める施設もあります。まず電話で受付方法と様式を確認してください。施設ごとに運用が違い、全国共通の手順は存在しません。
Q3. 企業説明会の枠はどうやってもらえますか?
求人票の提出とあわせて、施設の担当部署に依頼してください。東京都立城東職業能力開発センターやポリテクセンター関東など、企業向けの説明会を実施している施設は少なくありません。修了間際では枠が埋まっているため、修了の2〜3か月前に連絡するのが目安です。
Q4. どんな職種が職業訓練校ルートに向いていますか?
訓練コースが存在する職種です。機械加工、電気設備、溶接、建築、自動車整備、輸送機械運転、介護、経理事務、Webデザイン、プログラミングなど、実施されているコースは地域によって異なります。逆に、コースが無い職種や、即戦力の実務経験者を求める採用には向きません。
Q5. 成果が出るまでどのくらいかかりますか?
接点の有無は最初の1か月で判明しますが、応募が発生し始めるのは3〜4か月目以降です。訓練コースには修了時期があり、そのタイミングに合わせた採用になるためです。弊社の支援先であるインフラ系SES会社(従業員8名)では、4か月で職業訓練校が3校→19校になり、エージェント以外からの応募が0件→13件になりました(2026年8月時点)。
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「開拓したいが手が回らない」という段階でも構いません。御社の拠点と募集職種をお聞かせいただければ、どの施設から当たるべきかを整理してご提案します。初回のご相談は無料です。
参考資料
- 厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/rishokusha.html - 東京都「都立職業能力開発センター 修了(予定)生求人の申込」(企業向けの求人申込案内)
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/kyushokusha-kunren/school/kyujin/officer-kyujin.html - ポリテクセンター関東「企業へのご案内」(求人受付・求職者人材情報誌・企業説明会)
https://www3.jeed.go.jp/kanagawa/poly/training/ability-02.html - 東京都立城東職業能力開発センター「会社説明会」(企業向けの説明会実施案内)
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/vsdc/joto/setsumeikai.html - 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)について」(2026年7月の有効求人倍率1.18倍、新規求人倍率2.10倍)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75707.html - 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
https://muki.mhlw.go.jp/rule.html
