中小企業のDX人材採用|育成と採用の使い分け3基準

DX人材を採用したいのに、求人を出しても応募が来ない。応募が来ても、何ができる人なのか判断できない。高い年収で採用したものの、現場に溶け込めず半年で辞めてしまった――中小企業の経営者・採用担当者から、こうした相談を受けることが増えています。IPAの調査では、日本企業の85.1%がDXを推進する人材が不足していると答えました。大手やIT企業と同じ土俵で探せば、中小企業が不利になるのは当然です。

この記事では、企業側の視点で、DX人材の採用が難しい原因、育成と採用の使い分けの3つの基準、中小企業が選ばれる条件、採用費0円のチャネル、費用の目安を整理します。

この記事でわかること

  • 日本企業の85.1%が不足を感じる市場の現状と、DX人材の採用が難しい4つの原因
  • 自社に合う道を選べる、育成と採用の使い分け3基準と併用パターン
  • 大手に負けない、中小企業がDX人材・AI人材に選ばれる3つの条件
  • 採用費0円のチャネル(職業訓練校・自治体・リファラル)と、採用・育成にかかる費用の目安

DX人材の採用市場|日本企業の85.1%が「不足」と答える現実

まずは、DX人材の採用市場を公的なデータで確認しておきましょう。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2025」によると、DXを推進する人材の量が「やや不足している」「大幅に不足している」と答えた日本企業は、2024年度で85.1%でした。2022年度は83.5%、2023年度は85.7%で、高い水準が続いています。同じ調査で、米国は23.8%、ドイツは44.6%です。さらに、DX人材の育成について「とくに支援をしていない」と答えた日本企業は36.6%にのぼります(米国1.0%、ドイツ1.9%)[1]。

指標数字出典
DXを推進する人材の量が不足している日本企業(2024年度)85.1%IPA「DX動向2025」
同・米国/ドイツ(2024年度)23.8%/44.6%IPA「DX動向2025」
DX人材の育成を「とくに支援していない」日本企業36.6%IPA「DX動向2025」
「DXを推進する人材が足りない」と答えた企業(デジタル化の取組段階2/段階3)51.2%/50.3%中小企業白書2025年版
IT・通信・インターネット業の求人件数(2025年平均。2023年平均=100%)196.4%マイナビキャリアリサーチLab
同業の平均初年度年収(2025年度)568.7万円マイナビキャリアリサーチLab

中小企業庁の「中小企業白書2025年版」でも、デジタル化の取組が進んだ段階2・3の企業の約5割が、「DXを推進する人材が足りない」を課題に挙げています[2]。この数字は企業規模別ではなく、デジタル化の取組段階ごとの区分です。取組を進めようとするほど、人材の壁にぶつかる企業が増えていることがわかります。

人材の取り合いも激しくなっています。マイナビのレポートによると、IT・通信・インターネット業の求人件数は、2025年平均で2023年平均の196.4%、つまり約2倍に増えました。この業界の平均初年度年収は568.7万円で、4年連続で増加しています。なお、全産業の有効求人倍率は2025年の年間平均で1.22倍でした[3]。DX人材だけを切り出した有効求人倍率は、公的統計では単独で公表されていません。ここでは、IT業界の求人が増え、年収も上がっているという事実から、「DXの担い手を求める企業が増えている」ことを読み取るにとどめます。

【ポイント】 DX人材の採用は、中小企業にとって「探す人が少ない」よりも「同じ人を大手・IT企業と取り合う」ことが難しさの本質です。この記事では、取り合いの土俵から降りて、育成との組み合わせと無料チャネルで母集団をつくる方法に重点を置きます。

中小企業がDX人材の採用で難しいと感じる4つの原因

DX人材の採用でつまずく中小企業には、共通するパターンがあります。企業側で起きていることを、4つの原因に整理しました。

原因企業側で起きていること打ち手の方向
①「DX人材」の定義が曖昧求人票に「DX推進」とだけ書き、エンジニアなのか業務改善担当なのか伝わらない実現したい業務から逆算して役割を分ける
② 報酬と知名度で大手・IT企業に負ける年収の比較になり、応募そのものが集まらない条件以外の勝ち筋(裁量・学べる環境)を示す
③ 評価基準と受け入れ体制がない入社後に何を評価するのか決まっておらず、1人で孤立する人材像と評価基準を採用の前に決める
④ 1人採っても現場が動かない経営層と現場の温度差があり、ツールを入れて終わる採用と育成を組み合わせ、現場にも担い手をつくる

① 「DX人材」の定義が曖昧。 「DX人材がほしい」という相談で多いのが、何を任せたいのかが決まっていないケースです。IPAが公表したDX推進スキル標準(バージョン2.0・2026年4月)では、DXを推進する人材を6つの類型に分けています[4]。中小企業が最初に必要とする人材は、このうちごく一部です。次の表を使って、自社に必要な型を絞り込みましょう。

人材類型主な役割中小企業での優先度(当社の見立て)
ビジネスアーキテクトDXの目的を決め、関係者を巻き込んで推進する高い。最初に決めたい役割
デザイナー利用者や社員の視点で、サービスや業務を設計する事業内容による
データサイエンティストデータを分析し、判断や施策に生かすデータ量が増えてから
データマネジメントデータを集め、整え、管理するデータ活用の入口で必要
ソフトウェアエンジニアシステムやツールを開発・連携する外部委託や既製ツールで代替しやすい
サイバーセキュリティ情報資産を守る体制と対策をつくる規模を問わず必要。まずは外部の知見も活用

※類型と役割はDX推進スキル標準(IPA)にもとづく整理です。優先度の列は当社の見立てで、業種・規模により異なります。

② 報酬と知名度で大手・IT企業に負ける。 中途採用全体でも、募集したポジションの未充足率は57.8%にのぼるという調査があります[5]。そのうえDX人材は、IT企業や大手企業も同じ人を探しています。年収の提示額だけで勝負すると、中小企業は応募の入口で負けてしまいます。

③ 評価基準と受け入れ体制がない。 IPAの別の調査では、DX人材に求める人材像や評価基準を定めていない企業ほど、人材不足が深刻になりやすいと報告されています[6]。採用後に「何をもって成果とするか」が決まっていないと、本人も周囲も動けません。

④ 1人採っても現場が動かない。 DX人材が1人加わっても、現場の社員が使い方を知らなければ、ツールは使われないままになります。採用だけで解決しようとせず、現場の担い手も一緒に育てる設計が必要です。

この4つは、独立しているようで、実は連鎖しています。定義が曖昧だと求人票が曖昧になり、応募の質が下がります。評価基準がないまま採用すると、入社した人が孤立して早期に離れ、また採用からやり直しになります。逆に言えば、最初の「何を任せたいのか」を決めるだけで、後ろの3つにも手が打てるということです。採用活動を始める前に、次の3つを紙に書き出してみてください。

  1. 【解決したい業務の課題】 「受発注の入力に月何時間かかっているか」のように、数字で書ける課題を3つまで選びます。
  2. 【半年後に見たい変化】 「手入力が半分になる」「会議資料が自動で集まる」など、成果を一文で書きます。
  3. 【社内の協力者】 その課題を一番よく知る社員を1人決めます。DX人材が入社した最初の相談相手になります。

【注意点】 「DX人材」1人にすべてを求めないことが、最初の分かれ道です。目的の設定、業務の改善、システムの開発を1人で担える人は、ほとんどいません。役割を分けて、外部の力も組み合わせる前提で考えましょう。

DX人材は育成か採用か|使い分けの3基準

「DX人材は育てるべきか、採るべきか」。中小企業の経営者からよく聞かれる質問です。結論から言えば、どちらか一方を選ぶのではなく、次の3つの基準で自社の状況を確認し、割合を決めていくのが現実的です。

  1. 【基準1:実現したいことが「業務の改善」か「新しい仕組みの構築」か】 既存業務のデジタル化や効率化が中心なら、業務をよく知る社員を育てるほうが早く定着します。新しいシステムやデータ基盤をゼロからつくるなら、専門人材の採用や外部委託が向いています。
  2. 【基準2:社内に「育てる土台」があるか】 育成には、学ぶ時間、相談できる人、成果を評価する基準が必要です。この3つがなければ、研修を受けさせても現場で生かされません。土台がない場合は、先に評価基準と相談役を決めるか、伴走してくれる外部の力を借りましょう。
  3. 【基準3:成果が必要な時期が「半年以内」か「1〜2年後」か】 半年以内に動き出したいなら、即戦力の採用か外部委託が中心になります。1〜2年かけて組織に根づかせたいなら、育成を軸にしながら採用を足すほうが無理がありません。
自社の状況向く方法理由
既存業務の効率化が中心。業務に詳しい社員がいる育成(社内の担い手を研修)業務知識を持つ人が学ぶほうが、現場に定着しやすい
新システムやデータ基盤をゼロから構築したい専門人材の採用または外部委託社内に経験者がおらず、育成では時間がかかる
半年以内に成果がほしい。社内に教える人がいない外部委託を先に、採用は並行採用から戦力化までの期間を外部の力で埋められる
評価基準も体制もこれから先に体制づくり。ポテンシャル採用+研修土台がないまま高年収の専門人材を採ると孤立しやすい

たとえば、受発注や請求書処理のデジタル化が目的で、業務を知る社員が2〜3名いる会社なら、基準1と基準2の両方が「育成」を指します。この場合は、外部の研修と社内の相談役を用意し、採用は補助的に考えるのが無理のない進め方です。反対に、自社の業務データを集めて分析する仕組みをゼロからつくりたく、社内に経験者がいない会社なら、まず外部の専門家に設計を任せ、並行して運用を担う人を採用するのが現実的です。上の表はあくまで目安ですが、「どちらか」ではなく「どの割合で組み合わせるか」を考える視点を持つと、判断がぶれにくくなります。

特に中小企業におすすめしたいのが、ポテンシャルのある未経験者を採用し、入社後に研修で育てる併用パターンです。後の章で紹介する職業訓練校のルートは、デジタル分野を学んでいる人に採用費0円で出会える入口になります。入社後の学びには、助成金を使える場合があります(費用の章で解説します)。

社内でAIを使いこなす人を育てる入口としては、まず日常業務でChatGPTやClaudeを使ってみることが近道です。プロンプトの作り方や無料テンプレートは、「ClaudeやChatGPTを仕事で使いこなす!採用活動にも使えるプロンプト活用術と無料テンプレート100選」で紹介しています。本記事では、AIツールの使い方そのものは扱いません。弊社(株式会社綜合企画)では採用代行のほかに、AIサービスの社内研修も手がけており、「採用したあとに育てる」ところまでの相談も受けています。

AI人材・DX人材を確保する方法|中小企業が選ばれる3つの条件

年収の比較で勝てないなら、別の軸で選ばれる必要があります。DX人材やAI人材を確保する方法として、中小企業が打ち出しやすい条件は3つあります。

  1. 【条件1:裁量と事業への近さ】 大手では、DXの一部分しか担当できないことが少なくありません。中小企業なら、経営者と直接話し、導入から定着までを一貫して任せられます。「社長の隣で会社を変える仕事」は、中小企業ならではの魅力です。求人票や説明会では、任せたい範囲、決められる権限、相談できる相手を具体的に書きましょう。
  2. 【条件2:学べる環境(リスキリング)】 入社後に学べる環境は、未経験・経験の浅い人にとって大きな判断材料になります。研修費の補助、学習時間の確保、社外セミナーへの参加など、会社が用意できる支援を一覧にしておきます。企業側にとっても、助成金を使えば負担を抑えられる場合があります。
  3. 【条件3:役割・評価・報酬の見通しを明示する】 「何をすれば評価されるのか」「報酬はどう決まるのか」が見えない会社は、DX人材から敬遠されます。担当する役割、半年後・1年後に期待する成果、評価の方法、報酬のレンジを、採用の前に社内で決めて明示しておきます。

【法改正】 2024年4月から、労働条件の明示ルールが変わりました。労働契約の締結時と有期契約の更新時に、「就業場所・業務の変更の範囲」を明示することが必要です[7]。DX人材は、在宅勤務やリモート中心の働き方、入社後の役割変更が起こりやすい職種です。求人票や労働条件通知書で、就業場所と業務の変更の範囲を明確にしておきましょう。

3つの条件は、どれも「お金をかけずに、社内で整えられる」ものです。採用活動の前に、自社でどこまで言えるかを確認しておくと、求人票やスカウトの文面にそのまま使えます。

求人票やスカウトに書くときは、「DX推進をお任せします」のような抽象的な言葉を避け、次のように具体的に書き換えます。

抽象的な書き方具体的な書き方(例)
DX推進をお任せします受発注と請求の入力作業を、半年でクラウドツールに移行するプロジェクトを担当していただきます
裁量のある環境です導入するツールの選定と予算の提案を、経営者に直接行えます
研修制度があります外部研修の受講費を会社が負担し、月に4時間は学習時間として勤務時間内に確保します
成長できる環境です入社6か月後に、業務の自動化の成果を全社に報告していただきます

書き方を変えるだけで、応募者は入社後の自分の姿を具体的に想像できるようになります。スカウトメールでも、同じ考え方で「なぜあなたに声をかけたのか」を一文で添えると、開封後の返信につながりやすくなります。弊社の支援では、ターゲット設計と文面改善で、スカウトの開封率が3.6%から40.7%(約11倍)になった例があります(※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。)。

採用費0円で母集団をつくる|職業訓練校・自治体・リファラル

大手と同じ有料媒体で戦うと、費用も競争も重くなります。中小企業が母集団をつくるなら、採用費がかからないチャネルを持つことが近道です。弊社では、入社の4割超が、無料媒体・自治体の支援・リファラル(社員紹介)など採用費0円のチャネルからの入社です。

そのなかでも、デジタル分野の人材に出会う入口として有力なのが、職業訓練校です。厚生労働省の資料(令和5年度・公的職業訓練のデジタル分野)には、ハローワークの求人部門と訓練部門が連携し、「訓練修了者歓迎求人等の確保を推進」することが示されています。訓練修了生の採用に前向きだという企業の声も紹介されています[8]。訓練校に求人を出す、説明会の枠をもらうといった動きは、多くの場合、企業側から申し込めます。

弊社でも、電話・訪問・公共事業への参加を通じて、提携する職業訓練校を2校から42校に開拓し、無料で25件の応募を得ました。デジタル分野のコースを持つ訓練校に絞って動けば、DX人材の候補者にも届きます。

※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。訓練校の開拓数・応募数は全社合計で、DX人材に限った数字ではありません。

進め方は、次の6ステップです。

  1. 【コースを探す】 都道府県の職業能力開発校、求職者支援訓練の実施校から、ITスキル、Webデザイン、データ活用、事務のデジタル化などのコースを一覧にします。
  2. 【学んでいる内容を確認する】 カリキュラムを見て、どのツールや言語をどこまで学ぶのかを確認します。自社で必要な業務と照らし合わせると、入社後に育てる範囲が見えてきます。
  3. 【修了時期から逆算する】 コースごとに修了時期が決まっています。修了前の就職活動の時期に合わせて、求人と説明会の日程を組みます。
  4. 【就職支援の担当に連絡する】 求人票の出し方、企業説明会や見学の受け入れの可否を、電話で確認します。
  5. 【入社後の仕事と学びを具体的に見せる】 説明会では、任せたい業務、入社後の研修、半年後の姿を具体的に話します。
  6. 【1日職場体験で見極める】 選考の前後に、職場の様子や仕事の一部を体験してもらい、ミスマッチを防ぎます。

訓練校のほかにも、自治体の合同説明会、無料の求人媒体、社員からのリファラルなどがあります。母集団形成の全体像は、「母集団形成の8つの手法|量と質を両立するKPI設計と進め方」で整理しているので、あわせてご覧ください。

リファラル(社員紹介)は、既存社員の知人から候補者に出会える方法です。DX人材の場合は、社員に「どんな人を探しているか」を具体的に共有することが成果を左右します。「ITに詳しい人」ではなく、「受発注の入力を自動化した経験がある人」「ExcelやGoogleスプレッドシートのマクロを使いこなせる人」のように、業務に近い言葉で伝えましょう。紹介してくれた社員への報酬や手続きは、就業規則や社内規程で事前に決めておくとトラブルを防げます。

【注意点】 訓練校ルートは、ポテンシャル採用が前提です。入社後の育成計画(研修、相談役、評価基準)をセットで用意してから動きましょう。育成の土台がないまま未経験者を採ると、定着しにくくなります。

DX人材の採用で外部に任せられる業務

DX人材の採用は、要件を決める、探す、見極める、入社後を支える、という工程が長く、担当者の負担が大きくなりがちです。採用代行(RPO)に任せられる範囲を、弊社の3フェーズ18業務をもとに整理しました。

フェーズDX人材の採用での業務例自社で担う部分
採用設計要件定義・ペルソナ設計、現状分析ヒアリング、求人票・スカウト文の作成、募集媒体の選定、1日職場体験の設計任せたい業務と、期待する成果の決定
採用実行スカウトメールの送信、企業説明会・採用イベントの代行、候補者対応、面接スケジュール調整、定例MTG面接での最終判断、技術面の見極め
内定・内定後内定者フォロー、キャリアコンサルタントによる面談、数値分析と改善施策の提案、ターゲットの再設定入社後の受け入れ、評価基準の運用

おまかせ採用では、社員インタビューによる現場理解、1日職場体験によるミスマッチ防止、内定後・入社後のフォロー(国家資格キャリアコンサルタントの面談)を行っています。採用のノウハウとデータが会社に残る伴走型なので、契約終了後に自社で回せる状態を目指せます。弊社の採用代行は、契約継続率100%です(2026年8月時点)。

進め方の目安は、次のとおりです。契約後に、まず社員インタビューと要件の整理を行い、任せたい業務と期待する成果を文章にします。続いて、求人票とスカウト文を作成して、媒体と訓練校の両方に動き始めます。稼働が始まったあとは、定例の打ち合わせで応募数、開封率、面談の数を確認し、数日単位でスカウト文面のテストを繰り返します。弊社では、1社あたり2,000通以上のスカウトを送り、数日単位でABテストを行っています。DX人材のようにターゲットが限られる職種ほど、文面や条件を小まめに直せるかどうかが、応募の数に表れます。

職種についても、1社につき最大7職種(営業・経理労務・Webデザイナー・エンジニア・マーケター・DX/AI・カスタマーサポート)を同時並行で採用できます。DX人材だけでなく、現場の担い手や営業職の採用もあわせて進めたい中小企業には、都合のよい進め方です。採用代行の選び方や会社の比較は、「中小企業向け採用代行」のページで詳しく紹介しています。

【ポイント】 任せる業務と自社で決める業務を分けることが、採用代行を使いこなすコツです。「何を実現したいか」「何をもって採用成功とするか」は、自社で決めます。そのうえで、探す・伝える・日程をつなぐといった工程を外部に任せると、担当者は面接と判断に集中できます。

DX人材の採用・育成の費用相場|人材紹介・採用代行・助成金

最後に、費用を整理します。DX人材を採用・育成する主な方法を、費用の出方で比べてみましょう。

おまかせ採用人材紹介求人広告採用コンサル
費用の出方月額固定で採用時の手数料なし成功報酬 年収の35%〜100%掲載課金(採れなくても発生)顧問料
どこまでやるか戦略設計〜実行〜定着候補者の紹介まで掲載まで助言・設計まで
何が残るか採用ノウハウとデータ残らない掲載データのみ提案書のみ
母集団の作り方有料+無料+独自ルート登録者の中から応募を待つ関与しない
入社後定着フォローまで行う返金規定のみ(3か月以内)なしなし

※一般的な例です(当社調べ)。実際の条件は各社・各契約によって異なります。

おまかせ採用の料金は、月額固定で、ライト30万円(〜30時間)、スタンダード50万円(40〜50時間)、プレミアム80万円(60時間以上)です。採用時の手数料はかかりません。推奨の契約期間は、内製化までの6か月です。1名の採用から依頼でき、初回の打ち合わせから最短5営業日で開始できます。

※2026年8月時点の料金。

人材紹介との費用感を、試算で比べてみます。

試算(例)計算費用
人材紹介で年収600万円のDX人材を1名採用(手数料35%の場合)600万円×35%210万円
同・手数料が年収の100%の場合600万円×100%600万円
人材紹介の標準的な例(年収500万円×30%)500万円×30%150万円(1名)
おまかせ採用ライト(6か月)30万円×6か月180万円
おまかせ採用スタンダード(6か月)50万円×6か月300万円

※当社推計/業界相場目安。年収は説明のための仮定の金額で、紹介手数料率は会社・契約により異なります。人材紹介1名150万円の試算は、当社の記事「人材紹介の手数料は1名150万円|採用代行との費用比較表」の例にもとづきます。

この試算では、人材紹介で1名150万円の場合、2名を採用すると300万円です。月額30万円で6か月(180万円)の採用代行は、2名採用できたとき、費用の面で有利になります。ただし、採用代行の費用は成果にかかわらず発生します。採用人数をお約束するものではないので、「何名採りたいか」「他の職種も同時に採用するか」で、どちらが得かが変わります。

DX人材の育成にかかる費用は、厚生労働省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)で抑えられる場合があります。中小企業の場合、経費助成率は75%、賃金助成は訓練1時間あたり1,000円です(大企業は経費60%・1時間500円)。令和4年度から令和8年度までの期間限定の助成金で、新たな分野に必要な知識や技能を習得する訓練が対象です[9]。

育成費の試算(例)計算金額
研修費(社外研修)60万円に対する経費助成60万円×75%45万円
受講100時間に対する賃金助成(1名)100時間×1,000円10万円
助成を差し引いた実質負担(研修費のみ)60万円−45万円15万円

※試算のための仮定の金額です。助成を受けるには、訓練計画の事前届出など要件があります。制度は期間限定のため、最新の要件・申請期限は管轄の労働局や厚生労働省のページでご確認ください。

事例で見る進め方|別職種・別業種の事例から転用できること

弊社の支援事例には、DX人材の採用そのものを扱ったものはまだありません。そこで、手法を転用できる別職種・別業種の事例を2つ紹介します。業種や職種は違っても、「会う場所を変える」「回数を重ねる」「数字を見て文面を直す」という進め方は、DX人材の採用にも使えます。

事例①:インフラ系SES会社(従業員8名)。 エンジニア(30代)の採用で、創業以来初めての採用でした。職業訓練校を開拓したいが時間がない、採用費をかけられない、エージェントの紹介だけで母集団の質と単価が高い、という課題がありました。

項目BeforeAfter(支援開始から4か月)
提携した職業訓練校3校19校
エージェント以外からの応募0件13件
企業説明会の回数1年に1回4か月で7回
説明会で直接アプローチした人数県主催の説明会で着席1名80名程度

※インフラ系SES会社(エンジニア採用・DX人材以外の職種)の事例です。※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

打ち手は、訓練校・公共事業をリサーチして説明会の枠を採用費0円で獲得したこと、資料と話し方を助言して内製化しながら、担当者だけでは手が回らない回を代行で補って回数を担保したことです。結果として、エージェント以外のルートから13件の応募が集まりました。

事例②:AI開発企業(従業員19名・創業3期目)。 採用が初めてで、スカウトを送っても返信がない、面接や面談に割く時間がない、媒体や面接をどうすればよいかわからない、という課題がありました。運用を始めて1か月で27名の応募があり、スカウトの返信率は14.0%、開封率は49.1%でした。面談の熱が冷めないうちに会えるよう、カジュアル面談20件を代行し、国家資格キャリアコンサルタントが面接のやり方をレクチャーしました。

※AI開発企業(採用職種はDX人材に限りません)の事例です。※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

2つの事例に共通しているのは、有料媒体や紹介会社の「待ち」の採用から、自社から会いに行く「攻め」の採用に切り替えたことです。DX人材は、求人を掲載して待つだけでは出会える数が限られます。訓練校の説明会に出向く、条件に合う人へ直接スカウトを送る、早めにカジュアル面談の場をつくる、といった動きを、少ない担当者でも回せる形に分解することが成果につながりました。採用の担当者が1人しかいない中小企業でも、工程を分けて外部の力を借りれば、同じ進め方ができます。

【DX人材の採用への転用ポイント】 ①デジタル分野のコースを持つ訓練校に絞って説明会の枠を確保する、②スカウトは送って終わりにせず、開封率と返信率を見て文面を直す、③応募が来たら、カジュアル面談で早めに会う。この3つを順番に進めれば、有料媒体に頼らなくても、DX人材の母集団をつくる土台ができます。

よくある質問

Q. DX人材とは、具体的にどんな人材ですか?

IPAのDX推進スキル標準(バージョン2.0)では、ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、データマネジメント、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティの6つの類型が示されています。中小企業が最初に必要とするのは、DXの目的を決めて関係者を巻き込む役割であることが多く、いきなり専門職をそろえる必要はありません。

Q. DX人材は育成と採用のどちらを先に進めるべきですか?

実現したいことが既存業務の改善なら育成、新しい仕組みをゼロからつくるなら専門人材の採用や外部委託が向いています。社内に育てる土台(時間・相談役・評価基準)があるか、成果が必要な時期が半年以内かどうかも判断材料です。多くの中小企業では、ポテンシャル採用と研修を組み合わせる併用パターンが現実的です。

Q. 未経験者を採用しても、DXは進められますか?

業務に近い範囲のデジタル化であれば、入社後の研修で進められる場合があります。ただし、育成計画、相談役、評価基準を先に用意しておくことが前提です。職業訓練校でデジタル分野を学んだ人を採用する方法もあります。新システムの構築のような高度な業務は、外部委託や経験者の採用と組み合わせて進めましょう。

Q. DX人材の年収の相場はどれくらいですか?

DX人材に限った公的な統計は単独では公表されていません。参考として、マイナビの調査では、IT・通信・インターネット業の平均初年度年収は568.7万円(2025年度)でした。職種・経験・地域によって大きく異なるため、あくまで業界全体の目安として、自社の報酬レンジを決める際の参考にしてください。

Q. DX人材の採用を外部に任せることはできますか?

可能です。おまかせ採用では、要件定義、求人票・スカウト文の作成、募集媒体の選定、説明会の代行、面接の日程調整、内定後・入社後のキャリアコンサルタント面談までを、月額固定(ライト30万円、スタンダード50万円、プレミアム80万円)で伴走します。1名の採用から依頼でき、初回打ち合わせから最短5営業日で開始できます(2026年8月時点の料金)。

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DX人材の採用のお悩み、おまかせ採用にご相談ください

DX人材の採用は、必要な役割を絞り、育成と採用の割合を決め、訓練校などの入口を持つことで、中小企業でも進められます。弊社では、入社の4割超が、無料媒体・自治体の支援・リファラルなど採用費0円のチャネルからの入社です(2026年8月時点)。DX・AIを含む最大7職種の同時採用まで、1名の採用から月額固定でご支援可能です。

※弊社支援先の実績(2026年8月時点)。企業ごとに条件は異なります。

参考資料

  1. IPA「DX動向2025-AI時代のデジタル人材育成」(IPA調査分析ディスカッション・ペーパー2025-02)
  2. 中小企業庁「中小企業白書 小規模企業白書 2025年版」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの資料に数値を掲載)
  3. マイナビキャリアリサーチLab「業界研究レポート 情報通信業界」(2026年2月)
  4. IPA「デジタルスキル標準 DX推進スキル標準 バージョン2.0」
  5. リクルートワークス研究所「中途採用実態調査」
  6. IPA「DX動向2024-深刻化するDXを推進する人材不足と課題」
  7. 厚生労働省(静岡労働局)労働条件明示のルールの改正(2024年4月)
  8. 厚生労働省「中央職業能力開発促進協議会ワーキングチームの開催状況等について」(公的職業訓練・デジタル分野)
  9. 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」
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